マスメディアの中で、特にオーム真理教事件以来、「ハルマゲドン」という言葉が報道されるようになりました。マスコミは「ハルマゲドン」という言葉の意味を「人類の最終戦争」と伝えて来ましたが、これは誤りです。み言葉・聖書は「ハルマゲドン」(英語ではアルマゲドン)という言葉を一度だけ次のように記しています。
「そして、それらは王たちを、ヘブライ語でハルマゲドンと呼ばれる場所に集めた」(啓示16:16)。この聖句からお分かりの通りにヘブライ語で「ハルマゲドンと呼ばれる場所」と記されています。
「ハルマゲドン」いう言葉は、「メギドの山」を意味するヘブライ語に由来しています。しかし、「メギドの山」と呼ばれる実際の場所は、約束の地の中にも外にもしなかったようです。この「ハルマゲドン」という名称は、啓示16章14節に述べられている「全能者なる神(エホバ)の大いなる日の戦争」と直接関連関連づけられています。ですから、「人類の最終戦争」ではありません。したがって、ハルマゲドンは、単に人間同士の戦いではなく、神エホバの目に見えない軍隊・み使いが加わる戦いであると言えます。その戦いが起きるのは確かであり、その戦いは、「天軍の中でも地に住む者たちの中でもご意志のままに事を行っておられる」エホバ神のお定めになった時に起こります(ダニエル4:35.マタイ24:36も参照)。
ハルマゲドンにおける「全能者なる神(エホバ)の大いなる日の戦争」過去の何らかの出来事ではありません(啓示16:14)。聖書の「啓示の書」の中で、ヨハネが幻を見た時よりも後代の時代の事柄として記述されています。地の王たちはハルマゲドンに集められるのは、神エホバの怒りを終わりに至らせる「最後」の災厄の入った七つの鉢の6番目が注ぎだされた結果として、啓示の書には描写されています(啓示15:1;16:1,12)。また、啓示16章の14節と16節の間に入れられている、キリストが盗人のように来る(予告なしに突然に来る)ことに関する警告の言葉は、ハルマゲドンにおける戦いがイエス・キリストの隣在と密接に関係していることを示唆しています。
ハルマゲドンの戦いが持つ全地球的規模という側面は、前後の聖句の文脈で強調されています。その聖句の文脈の中で、神エホバの敵対者たちは、「悪霊の霊感による表現」によって動員される「人の住む全地の王(諸国家の政府)」であることが明らかにされています(啓示16:14)。
使徒ヨハネはさらにこのように書き記しています。「そうしてわたしは、野獣と地の王たちと(国際連合と諸国家)その軍勢が、馬に乗っている方(イエス)とその軍勢(イエスに従うみ使いたち)に対して戦いをするために集まっているのを見た」(啓示19:19)。この啓示19章は、白い馬に乗っている天軍の指揮者(イエス)が、「忠実また真実」、および「神の言葉」と呼ばれる方(イエス)であることは明らかです(啓示19:11~13)。ですから、神エホバの天軍の司令官として行動するのは、「言葉」であられるイエス・キリストです(ヨハネ1:1.啓示3:14)。イエス・キリストが天の軍勢を率いることをさらに示しているのは、地上の軍勢が「子羊(イエス・キリスト)と戦うであろう。しかし子羊は、主の主、王の王であるので、彼ら(諸政府)を征服する。また、召され、選ばれた忠実な者たちも彼(イエス)と共に征服する」という言葉です(啓示17:13,14)。
啓示19章の内容は、「神の言葉」であるイエス・キリストの支持者としてその戦いに参加するのが天の軍勢だけであることを明らかにしているので、地上にいる神エホバのクリスチャンの僕たちはだれ一人としてその「全能者なる神(エホバ)の大いなる日の戦争」に参加しないことが示唆されています。このことは、イエスの弟子たちの真のクリスチャンたちが、文字通りの戦いの武器を用いないようにとするマタイ26章52節のイエス・キリストの教えの言葉と調和しています(出エジプト記14:13,14.歴代第二20:15,17,22,23.詩編19:11.啓示19:11~21)。
ハルマゲドン、つまり「全能者なる神(エホバ)の大いなる日の戦争」で、この地上から断ち滅ぼされるのは、偽りの諸宗教や邪悪な者たち、つまり神エホバのご意志を学び、守り行わない者たちです(箴言2:21,22.ペテロ第二3:10~13.啓示18章~19:2)。神エホバのご意志を学び。守り行う「思慮深い人」・真のクリスチャンたちの大群衆は、ハルマゲドンを安全に通過させて頂き「義の宿る」地上の楽園に招き入れられる祝福に預かるのです(マタイ7:21~25.ペテロ第二3:13.啓示7:9,14;21:3,4;22:1,2)。真のクリスチャンたちは、神の王国と神の義をいつも第一に求め、神の王国の良いたよりを宣明しています(マタイ6:33;24:14、ルカ4:43;8:1)。
「参照資料」:ものみの塔聖書冊子協会発行;「聖書に対する洞察の第二巻」、574~575P.
山桜 山の嶺まで 咲き上る 今日の一句
裏庭に咲いている「アーモンドの花」