山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

節電に関する報道について

2022-06-22 | 省エネ
 電力需給逼迫のため政府による節電要請が行われると報道されております。これを受けてワイドショーなどでもこの話題が頻繁に取り上げられております。確か10年ほど前にも同様というかもっと切迫していたような気がしますが、当時私も省エネ・節電に関する記事を当ブログに限らず、それこそ山のように投稿してきました。また、テレビや週刊誌から取材を受けたこともあります。
 今回、再び節電要請が取扱われる番組や報道内容は相も変わらずといった印象を受けました。マスコミからすれば目新しいトピックに飛びつくだけで、内容なんてどうでも良いのではないかという位に当時と似たような内容です。再び注意喚起を促さないと無用な混乱を招きそうです。
 そこで私が投稿した記事を調べてみますと「誤解を招きかねない節電方法に関する報道」というのがありました。
 そしてまたも繰り返される電力と電力量の混同(参考:「ティータイム 第8話 電力と電力量」)です。この混同が不要な混乱を招き不必要な節電によって熱中症の危険にさらされ命を失ってしまうという重大な結果をもたらしてしまうということにもなりかねません。他にも突っ込みたいことは沢山ありますが、既に記事にして投稿しておりますので今更という感じです。

 そんな中でも電力会社が実施予定(既に実施している電力会社もあり)だという節電ポイント制度というのは比較的効果がありそうです。今回の節電要請の本来の趣旨はピーク電力をカットすることです。そこで電力会社が逼迫しそうな時間帯に登録ユーザー(?)に節電要請をスマホ経由で通知し、それを受けた需要家が節電行動を行い、その実績に応じたポイント還元を行うといったものです。逼迫した時間帯以外には普通に使っても構いませんので、負担の少ない良い方法だと考えます。ただし、これは実施者数が多くなければ効果が出ませんので、その有効性は今後のPRに掛かっているものと思います。

 

電気工事士定期講習会

2020-09-26 | 省エネ
 省エネネタではありませんが、昨日開催された第一種電気工事士定期講習会に参加してきました。定期講習会への参加は5年に一度義務付けられているもので最新知識を習得するためのものとされております。参加しない場合には、おそらく免状が失効するものと思われます。最近は省エネ関連工事からとんと遠ざかっております。ですから今回の講習会を受講するかどうか悩みました。しかし、例えペーパーでも資格を持っていれば何かの役に立つかも知れないと思ってとりあえず受講したという次第です。

 今回の講習会は、新型コロナウイルス対策ということで、何時もの半分くらいに人数制限しているとのことでした。会場は佐賀市文化会館ですので空調システムが完備しておりますので換気も十分なはずなのに、出入り口の扉もオープンにするといった念の入れようです。参加者もマスク着用を義務づけられました。講師もマウスシールドした上に演壇にはアクリルパネルが設置されているといった重々しい雰囲気の中で開催されました。
 会場の空調は扉が開いているせいでしょうか温調システムが攪乱され身震いするほど冷えたかと思えば汗ばむほどの室温になるといったことを繰り返しました。講義を聴きながら、ここの温調システムはエアハンドリングユニットの戻り温度を検出して制御しているのであれば、想定していない空気の流れができてこれが攪乱要因となってしまったのかなーなどと想像しておりました。

 講習会は9:45~16:45まで40分程の昼食時間を挟んでみっちりと行われます。このように長時間机に向かうのは滅多にないことですので些か疲れてしまいました。特に昼食後の時間帯は強烈な睡魔が襲います。その時間帯の講師はかつてタッグを組んで仕事をしたこともあり、同じ市内に住んでいる顔なじみの方です。距離が離れマスクをしていてもばれるだろうなと思い必死に眠気と格闘しました。

 全ての講義が終了し、目出度く受講開始前に預けておいた免状が講習済印が押印されて返却されました。これで今後5年間は第一種電気工事士として仕事ができることになりました。


 今回のテキストは前回の半分くらいの厚さになっておりました。





小泉環境大臣がステーキを喰って叩かれる

2019-09-25 | 省エネ
報道で小泉環境大臣がステーキを喰ったといって批判されているようです。質問されて、今まで取り上げられられなかったことが、このことで知られるようになるのはむしろ良かったのでは?といった趣旨の発言には若干驚かされましたが・・・。
牛などの家畜の飼育による温暖化の影響については議論のあるところかと思います。(参考:「牛のゲップで地球温暖化?(+野焼きについて)」)
 しかしながら、このことは欧米では常識とされていることらしいのです。小泉氏も当然知っていることを前提とした質問に対してこの頓珍漢な答えでした。私はこのことに関してはめくじらをたてる程のことではないように思います。
 むしろ叩かれるべきは、環境大臣として具体策を聞かれて長い沈黙のあと「私は一週間前に環境大臣になったばかりで・・・」といった発言でしょう!?
 この会合では皆さん真剣に議論されております。そのような中で「僕、なったばかりなので勉強中で~す!」みたいな発言はまったく情けない限りです。「だったらのこのこ出てくるな!」と思われていることでしょう。

 この会合で16歳の少女の演説に大いなる感動を覚えた皆様も大勢いらっしゃることでしょう。未来ある子供たちの切実な訴えとして我々大人は受け止めなければならないと思います。

 しかしながら、若干の違和感を覚えてしまいます。それは温暖化=絶対悪といった思考にとらわれ過ぎていないかということです。即ち、温暖化に影響するものは全て悪だと捉え批判の対象になってしまうことです。先ほどのステーキを食べたことがやり玉に挙げられるようなことです。16歳の少女は、訪米するのに飛行機に乗らずヨットで海を渡ってきたとのことです。それは一つの象徴的行動として称賛されるべきことでしょう。だからと言って、飛行機そのものを否定してしまうことは如何なものでしょうか?
極論すれば温暖化に結び付くものは全て否定されるといったことになりかねません。つまりは、現代文明を否定して原始時代に戻れといったことになるのではないでしょうか。
 温暖化は文明社会が生みだしたものだとすれば、更なる文明の進歩で乗り越えることを考えませんか!

 一方では、「地球寒冷化(?)」といった議論もあります。

 もっと冷静な議論が必要に思います。

 くれぐれも言っておきますが、私は温暖化対策が無用などといっているのではありません。私自身、長年省エネ業界に身をおき省エネ活動にも取り組んできました。しかしながら、この間の報道に若干の違和感を覚えましたので、あえてこのような記事を書いた次第です。



「水道水」VS.「井戸水」 ㎥単価比較

2018-06-19 | 省エネ
 省エネ・節電ネタとは少し外れるのですが、気になっていた水道水と井戸水の単価比較をしてみました。
以前ご紹介していたようにリフォームを機に上水道を引くことにしました。(参考:「我が家にもやっと水道が・・・」)

 工事は6/1に完了し、至極快適な生活ができるようになりました。水道に切り替えたことにより、シャワーのストレスなどがまったくなくなりました。唯一気がかりとなっていたのが、井戸水の使用方法です。リフォーム後は、飲用や煮炊き用水以外は水道水を使用するようになってしまいました。本来水道を導入したのは、シャワーや洗濯時のストレスを解消するためのものであって、「この選択は本当に正しいのか?」との疑問がありました。そもそも井戸水を残したのは何のためかということでもあります。

 そこで水道水と井戸水のコストを比較検討してみようと思っていたのです。
水道料金は、基本料金+従量料金となっております。井戸水も本来ならば設備費用やメンテナンス費用も計算に入れなければなりませんが、今回は水道水と井戸水を併用するということですし、井戸水も長年使用しているので減価償却も終わったということにして計算にいれないこととします。
 また、水道料金の基本料金も考慮しないこととし、従量料金部分の㎥単価(我が家で適用されるであろうとされる単価)でコスト比較をすることとします。

 小城市の水道料金表によりますと11~30㎥の単価は、160円(税込み172.8円)となっております。

 さて、我が家で使用している井戸ポンプの仕様は次の画像のものです。


 銘板によりますと揚水量を34ℓ/分、定格消費電力830Wとなっております。そこで、揚水量はそのまま使うこととして、消費電力を約2割増しの1000W(1kW)として試算してみます。
 1㎥の水を揚水するためには、1,000/34≒29.4分間ポンプの稼働が必要です。これを約30分として、これに要する電力量は1,000(W)×0.5(時)=500Wh=0.5kWhとなります。
 これを電気料金に換算すると@26.40円/kWh×0.5kWh=13.2円となります。ここで使用した電力量料金単価は、現在契約している九州電力の電化でナイト・セレクトの夏冬平日昼間(一番高い)を使用しておりますので、平均すればもっと単価は安くなります。

 水道水/井戸水=172.8/13.2≒13.1

と予想していたことではありますが、少々愕然とする結果となりました。

 ということで、できるだけ井戸水を使用した方がお得だということです。ただ、節約できる金額は数百円~千円程度ではありますが・・・。
塵も積もればという諺もあることですし、どちらの水栓を開くかだけの違いですので何の苦労もありません。

 井戸ポンプを交換して10年以上が経過しておりますので、いつ壊れても不思議ではありません。節約した金額で交換費用の一部でも
出てくれればと思っております。




 

東京都が新たな省エネ事業~白熱電球2個とLED電球1個と交換

2017-01-26 | 省エネ
 この度、小池都知事になって初めての予算案の中に標題の省エネ事業が盛り込まれてということです。
これはなかなか練られた事業になっていると思われます。以前国の事業として「エコポイント」なるものが実施されたことがあります。この制度については、「家電エコポイント制度は増エネ政策だった?!」「エコポイント制度にもの申す!」「エコポイント制度にもの申す!-その2」といった否定的な見解をもっておりました。
早い話が、エコポイント制度は景気対策であって省エネ対策ではなかったということです。逆に、増エネになった可能性すら否定できません。
 それに比べれは、今回の事業は省エネに資することが確実に担保されております。更には、白熱電球2個でLED電球1個というのがミソです。白熱電球のストックでもない限り、新たなLED電球への交換が必要となります。すなわち、今回の事業はLED電球購入に対する50%の補助金が交付されることと等しくなります。尚且つ、個人に対する補助事業でありながら、家電販売店を絡ませることにより、補助金交付に対するコストが低減されます。(エコポイントの場合には、個人に対しの直接交付であったためコストが大幅にアップした。<参考>「景気浮揚対策案-「省エネ買い替え促進事業」」)

 ただ、何が何でもLED電球にということでもありません。用途や特性を勘案してLED電球に交換していただきたいと考えます。(<参考> 「LED照明による省エネルギー」)

 他の政策はさておき、東京都が今回このような事業を実施されることを評価したいと思います。そして、この成果を踏まえ、国の制度として展開されることを期待します。



無電極放電ランプを見てきました(2)

2015-04-09 | 省エネ
 福岡空港近くに所用で出掛けたついでに、無電極放電ランプを見るために株式会社プラスアルファーさんを訪問してきました。実を言いますと2年以上前にもお邪魔したことがありましたので、久方振りの訪問になります。
 前回より、製品のラインナップも多くなっているようです。こっそりと新製品の開発現場も覗かせていただきました。

 また、只今募集中の補助金(平成26年度補正予算 地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金/最新モデル省エネルギー機器等導入支援事業)の対象機器となっているとのことです。実を言いますと、無電極放電ランプが補助金の対象になるか探りに行ったというのが正直なところでした。探りを入れるまでもなく、あっけなく回答を得られたのでした。

 今回の補助金は約800億円の予算があります。基本的に早い者勝ちとなると思われますので、至急ご検討されたらと思います。
 尚、補助金申請でお悩みでしたら、当方でご相談に応じさせていただいておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。⇒ 山浦総合事務所


 以下、撮影許可をいただいた上で画像を撮らせていただけましたのでご紹介したいと思います。












 

「FB省エネ実務研究会」~グループメンバー募集中

2015-01-20 | 省エネ
 以前、当ブログや当事務所のWebサイトでもご紹介しておりました行政書士会会員向けの「省エネ実務研究会」をFaceBook版として「FB省エネ実務研究会」という秘密グループを立ち上げております。
 参加資格は特に限定しません。省エネ・節電に関心がある方でしたら大歓迎です。

 参加ご希望の方は、FBでグループ参加希望の旨を私「山浦清美」宛にメッセージの上、友達申請してください。

<参考> 「省エネルギーと行政書士(4)-省エネ実務研究会



ロケットストーブを使ってみました

2015-01-16 | 省エネ
 昨日作ったロケットストーブを使ってみました。五徳になりそうなのを探し回ってみた結果、アルミの廃材があったので、適当な長さに切断し並べて使ってみることにしました。
 燃料は昨年エンドウ豆の支柱に使った竹の廃材です。火入れをしてみますと、次の画像のように火炎が噴出してきます。相当な火力です。



 早速、手前味噌を作るための大豆を煮ようと鍋をかけました。ところが、五徳が低すぎて空気の流れを阻害してしまいました。応急措置としてアルミの廃材をもう一段積み重ねた上に鍋を置きました。(後でパーライトを追加して上蓋の高さを調整しました。)



 これは凄い。あっという間に沸騰し始めました。燃料の消費も大したことはありません。相当の熱効率だと思われます。火力の調節が難しそうです。しばらく付っきりでやってましたが、慣れたら時々見廻るくらいで大丈夫でした。大豆が柔らかくなるまで、5時間程度とろとろ煮ました。燃料の竹も足りるかなと思っておりましたが、予想の半分程度しか使いませんでした。

 今回は薪は使いませんでしたが、薪だったら相当長持ちするのではないかと思われます。竹でも充分に燃料として使えます。竹薮を開墾したときの竹が山のようにありますので当面の燃料には不自由しません。

 我が家の煮炊きは全て電気に頼っておりますので、どれくらいロケットストーブに移行できるか検討してみます。



 


ロケットストーブを作ってみました

2015-01-15 | 省エネ
 間伐材の活用の一環として、ロケットストーブを作ってみました。



 主な材料は、次の画像の通りです。



 ペール缶は、近所の自動車整備工場からいただいてきました。
他はステンレス製のL管、エビ曲管、直管と断熱材として使用するパーライトです。何れもホームセンターなどで入手可能です。

 先ずは、ストーブ下部の製作です。ペール缶にL管を通す穴を開けます。缶にL管を当ててマークします。その後、センターにドリル等で穴あけして、金切鋏で切れ込みを入れていきます。これを内側に折り込んだのが次の画像です。




 この穴にL管を挿入し、エビ曲管を取りつけてから次の画像のように針金等で固定します。




 頂戴したペール缶には上蓋がありませんでしたので、もう一つのペール缶の下部を切断してストーブ上部としました。



 直管を接続して、上部と下部の重なり具合を調整して位置決めをします。上部と下部の接続はねじ止めした方が良いとは思いますが、今回は針金で固定しました。



 パーライトは非常に軽いので風で吹き飛ばされます。そのため上蓋を被せる必要があります。先程切り取った底を上蓋代わりに使用します。(上蓋が元々ついているならば、それを使用します。)
 今回いただいたペール缶の底には穴があけられておりましたのですが、まぁ大丈夫でしょう。直管を中央に当ててマークし、先程と同じ方法で直管を通す穴を開けます。



 ペール缶にパーライトを充填して、上蓋を取り付ければ完成です。



後は、五徳を置けば鍋などをかけて煮炊きができるようになります。

 今日の作業は、ここまでです。使用感などは後日投稿したいと思いますが、手軽に作製できて山での作業時にも持ち運びができますので重宝しそうです。











蛍光灯器具生産終了?

2014-03-12 | 省エネ

 報道によりますとパナソニックが2015年度中に住宅用蛍光灯器具の生産を終了する予定であるとのことです。政府も2020年までに全ての照明をLED製にすることを目指しているとか。他の照明器具メーカーも追随する見込みであるそうです。但し、蛍光灯自体は製造を続けるとのことです。

 さて、世の中から蛍光灯が無くなり、LEDに統一されてしまってよいものでしょうか。LED技術の進歩やコスト低減等々により、以前に比べコストパフォーマンスも随分と改善してきましたが、まだまだ蛍光灯優位であることに変りはないようにです。(参考:「LED照明 VS 蛍光灯」)

 LEDにおけることと同様に蛍光灯においても技術の進歩とコスト低減は可能であることでしょう。にも関わらず、政府の方針はLEDという単独の照明に統一してしまおうということです。LEDのみに絞ってしまう危険性は本当にないのでしょうか?

 LEDだけで既存の光源の代替が可能なのでしょうか。トイレや階段の照明のように極短時間しか点灯しない照明に本当にLEDが適するのでしょうか。このような場合には白熱電球だって省エネやライフサイクルコストの観点からみても全く問題ないでしょうに。むしろ、LEDの方が資源の浪費に繋がる可能性が高いように思われます。

  照明器具だって用途に応じて多くの光源が選択できる方が望ましいと私は思うのですが・・・。今回の生産終了の決定は、P社の社内事情に因るものが大きいのではないかと邪推しております。即ち、多様な生産ラインを維持するのはコストアップの要因である。LEDに絞り込むことによってコスト削減が図れるではないかと。これは、住宅用蛍光灯の蛍光灯器具が対象となっているからです。業務用の蛍光灯器具については何ら言及されておりません。こちらの方は、まだまだ利益をあげられる可能性があるとお考えだからなのでしょう。

 もし私のあて推量が当っているとすれば、泉下の幸之助さんもさぞお嘆きのことと思います。


究極の省エネ農法~それは自然農にあり!

2013-12-28 | 省エネ

 近代農法は、自然の恵みを享受していると言えるのか?

 先に、「農業と省エネルギー」で農業におけるエネルギー収支について言及しておりますように、近代農法においてエネルギーベースで考えるならば、投入エネルギーの方が産出エネルギーを上回っております。太陽の恵みを受けても産出エネルギーが少ないのです。「植物工場(野菜工場)」ともなれば、もっとエネルギー収支が悪化します。これでは、エネルギーが枯渇してしまえば農業すら持続できなくなってしまいます。

 そこで注目されるのが自然農(参考:「自然農について」)です。自然農においては、農薬はもとより肥料さえ用いません。ではどのようにして植物は栄養分を得るのかといった疑問にぶち当たります。自然農を理解する上では、この問題を避けて通れません。ですから、非科学的な理屈(「農業の常識は、自然界の非常識」「農業の常識は、自然界の非常識」-その2)が跋扈する一因ともなり、ますます自然農に対する理解が得られないような状況になっております。

 自然農をやっている畑で発生する色々な出来事を通して様々な考えが出てきますが、まだまだ納得するには至っておりません。ただ少なくとも言えることは、畑から取り出したものは、何らかの形で補ってやる必要があるということです。自然においては、持ち出すということが行われておりませんので、補ってやる必要もないのです。そこでは永続的に循環が行われております。しかし、農業においては収穫が行われ、人の用に供されます。人が介入することで循環が断ち切られてしまうのです。

 慣行農法では、その補いが無機肥料であったり有機肥料である訳です。肥料を製造するエネルギーは、無機肥料>>有機肥料でしょう。ですから有機農法は、肥料という点からすれば省エネ農法といえます。

 自然農において補う場合には、有機農法のように堆肥化したものをすき込むようなことをせず、ただ土の上に置くだけです。これは自然の営みのあり方そのものといえます。動物であれ植物であれ生を終えたら、大地の上に横たわり自然に朽ちていきます。これが土壌と一体化して次なる命の糧となります。有機物(動植物の死骸)は、小動物や微生物の働きによって分解され、土壌の一部となっていきます。ですから、人が出来る役割は、畑の営みから人が持ち出したものを補ってやることです。例えば、家庭で生ずる生ゴミをそのままの形で土の上においてやることです。このことが不衛生ということであれば、コンポスト化したものでも構いません。そうすれば、自然の営みでのなかで循環させることができます。そこには、外部から新たなエネルギーを供給する必要がありません。

 自然農と有機農法を含む慣行農法の最大の違いは、不耕起(参考:「耕さない農業」)ということでしょう。有機農法ですら耕すことは常識とされています。しかし、大自然においては、人が耕すことなくチャント植物が生長しているではありませんか。自然農は耕すことを否定することから始まります。そこでは耕すための機械や燃料すら必要ありません。

 これらの点より、自然農は究極の省エネ農法であると考えます。エネルギーや資源が枯渇してもなお存続可能な農業のスタイルとなり得ます。例え生産性が落ちようとも、最も環境にやさしい農法であることは疑いようがありません。今後、大いに普及させるべきかと考えます。

<参考> 「ニセ科学とどうつきあうか」「省エネ農法~自然農ことはじめ


熱交換塗料が熱を消す???(2)

2013-06-13 | 省エネ

 以前、「熱交換塗料が熱を消す???」で熱交換塗料の原理が不明と書きました。当然のことながら、原理は不明でも実際に効果があればよいではないかといった考えもあろうかと思います。しかしながら、私は生まれつきのへそ曲がりのようで、やはり原理を理解できないことには「あー、そうですか。結果が良ければ、どんどん普及させた方がいいですね。」とは言いがたいものがあります。

 省エネ・節電製品で導入効果を謳っておりますが、そのデータがどのような条件の下で収集されたものかが不明な場合が往々にしてあります。ある条件では効果が出るが、条件を変えた場合には出なくなってしまうこともあるでしょう。多くの条件設定での追試に耐えられるようなものなのか気がかりです。原理が明確ならば、ある程度の予測が可能となります。しかし、原理が不明ならば、より多くの検証に耐えられるものでなくてはならないでしょう。そして、副作用発生の可能性についても検証しなくてはならないものと考えます。

 ということで、私はメカニズムが分からないものに対しては、漠然とした不安を感じます。

<参考> 「ニセ科学とどうつきあうか」「EM菌で除染?」「イオンの力?


熱交換塗料が熱を消す???

2013-06-05 | 省エネ

 反射塗料や断熱塗料と異なり、熱交換塗料は特殊材料で熱を消費し、どんなものに塗っても7℃~15℃の温度低下をさせることができるそうです。

 そこで気になるのが、その原理です。メーカのWebサイトの説明をみてみますと、太陽光の赤外線の一部を熱エネルギーとして取り込み、塗膜に含まれる特殊材料でエネルギー変換し、その大半は運動エネルギーとして消費されるとのことです。

 私の拙い統計力学の知識からすれば、断熱塗料との区別ができません。また、ここで言うところの運動エネルギーとは、何の運動エネルギーなのでしょうか。運動エネルギーとして消費されるとのことですが、そのエネルギーはどこへ行ってしまったのでしょうか。本当に無くなってしまったのでしょうか。大気中に放出されたと考えるのが普通だと思うのですが?

 どなたか私にも理解できるように教えていただけませんでしょうか。

<参考> 「「節電塗装」に関する新聞記事について」「省エネ・節電製品について思うこと

<2013/06/10追記> 新たな資料「技術内容説明書(PDF)」を見つけましたのでご紹介いたします。

 この資料が「熱交換塗料」と言われているものの元ネタのようです。この資料によれば、以下引用「弊社熱交換塗料は、太陽光線が塗膜に当たるとその中の赤外線の一部が熱エネルギーに変換されて塗膜中に分散・移動します。塗膜中には、熱交換作用の強い特殊な放熱材料(熱交換エキス)が入っており、これと接触すると、エネルギー交換材の振動により運動エネルギーに変換することにより、熱の大半を大気中に放出し、表面温度の上昇を抑えます。」-引用終了。この資料によれば、熱を大気中に放出するとされてはおりますが、熱が消えるとはされておりません。

 まだ、運動エネルギーと熱の関わりが理解できませんが、熱が消えてなくなってしまうといった問題は解消しました。

<2013/06/10再追記> 上記で一旦納得していたものの再度調べておりましたら、「熱交換塗料」ではなかったようです。最初に紹介したものは、ARBAR アルバー工業株式会社が開発したもののようです。「熱交換塗料 タフコートの秘密 メカニズム解明」で同社の社長が解説しているように原理は現在も不明とのことです。

 いよいよ疑問は深まるばかりです。

<参考> 「熱交換塗料が熱を消す???(2)


プジョー・シトロエンのハイブリッド エアについて

2013-01-27 | 省エネ

 プジョー・シトロエンが圧縮空気とガソリンエンジンを組み合わせた新たなハイブリッド車を発表したそうです。ハイブリッド車といえば、内燃機関と電気モーターを組み合わせたものと思い込んでおりましたが、圧縮空気を利用するとは思ってもみませんでした。

 よくよく考えてみれば圧縮空気の活用の方がより機械的ですから、こちらの方が何故先行しなかったのか不思議に思います。電気モーターのハイブリッドは、力学的エネルギーを電気エネルギーに変換し、更に化学的エネルギーに変換蓄電し、再生するためには逆のプロセスをたどって力学的エネルギーに変換する必要がありますので、エネルギー変換ロスが大きくなってしまいます。また、蓄電池の重量が増加したりとか、高価になったりするといったデメリットがあります。圧縮空気の方が変換効率が高いでしょうし、安価に実現できると思われます。

 確かに、電気モーターの方が制御する上では楽に出来るからといった理由があったのかも知れません。空気圧力モーターというものの制御の難しさは知りませんので何とも言えませんが、何故今なのかといった疑問を持ってしまいます。

 いち早くハイブリッド車を世に送り出したトヨタの技術をもってすれば、容易に開発することが出来たのではないかと想像します。過去に開発を進めていたが、何らかの理由があって、結局は製品化が見送られたとかいうようなことがあったのかも知れません。この辺りの事情にお詳しい方がいらっしゃいましたら、是非ともご教授いただきたいものです。


波力発電について

2013-01-09 | 省エネ

 我が国の海岸線の長さは29,751kmで、何と世界第6位だそうです。この内で波力発電に適する割合が如何ほどあるかは知りませんが、これを活用しない手はありませんよね。

 波力発電は小規模なものから大規模なものまで色々なアイデアがあり、実用化されたものもあります。なかでも私のお気に入りのものは、山口大学の羽田野先生が研究されている「つるべ式」です。その特長は、波力発電といえば洋上発電といった常識を覆し、海岸にも設置可能なことでしょうか。これは大きなメリットであろうと考えます。また、いたってシンプルな構造でありながら、安定的な発電が可能であるというのも魅力です。実用化に向けて大いに期待します。

 水力発電と同様に、波力発電も色々と規制が多いと思われますが、自然エネルギー普及のためには、何とか知恵を出し合っていかなければならないと思います。