山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

TPPについて(23)-対策として土地改良が盛り込まれておりますが・・・

2015-12-25 | 農業
 報道によりますと、土地改良事業に約3千億円の来年度予算がついたそうです。本年度補正予算でも約1千億円がついております。
 土地改良事業はこれまでにも膨大な金額を費やしてきました。全ての事業が無駄とは言いませんが、それらのほとんどは農業に利するものとはなっていないのではないでしょうか。この際、過去の事業をしっかりと検証してみる必要があると思います。

 私の身近な例で言えば、これまで何度も話題にしてきた畑総事業(参考:「灌漑施設の管理作業」)です。そして今進行中なのが、嘉瀬川からの導水事業です。佐賀市を流れる嘉瀬川から当地を流れる晴気川まで地下埋設の導水管による導水を行い、晴気川に放水するそうです。地元の人に何のための事業か聞いたら、渇水時に使用するものだとか。意味が分かりません。私が知っている限り、ここ十年以上渇水であったことはありません。何十年に一回の渇水のためにこのような事業が本当に必要なものでしょうか。晴気川の上流には八丁ダムという農業用水用のダムがあります。これは畑用であって、稲作用の用水としては目的外使用となるといった考え方があるのでしょう。まったくもって無駄な話です。第一こちらが渇水のときに、嘉瀬川には潤沢な水量があるのでしょうか。はなはだ疑問に思うところです。このために北山ダムの下流に嘉瀬川ダムを造ったといったことにでもなるのでしょうか。何となく後付けの言い訳のようにも聞こえます。
 これから農家がますます減少するとすれば農業用水だって不要になるはずです。当地にとっては、農業用水そのものよりも農業用水路の維持管理(参考:「農業用水路はいつまで維持できるか?」「農業用水路の維持」)が急務なのです。

 更に言えば、農業用水の確保が必要とするならば、ダムや導水事業より、里山の保全が重要だと考えます。こちらの方が、環境破壊型の公共事業より環境保全に大きく貢献しますし、膨大な予算は不要です。そして何より、子孫に貴重な財産として残してあげることができます。
 土地改良事業は農業のためというより、建設業者のために行われる事業と思っていただいた方が真実に近いと思います。このような事業は、農業のためにならないし、環境も破壊し、大きな負の遺産となって子々孫々に残されます。真に農業者のためになるような予算にしてもらいたいと願っております。


「雑草のはなし」~見つけ方、たのしみ方

2015-12-10 | 本と雑誌
 以前、ご紹介した「植物はすごい」の参考文献中に同著者による面白そうな書籍があったので、さっそく取り寄せてみました。

 田中修著 「雑草のはなし」中公新書

 巻頭から32ページに及ぶカラー写真の数々。とても雑草とは言えないような美しさです。

 雑草と言われている植物は、栽培している農作物からすれば競争相手です。ですから、昔から雑草は忌み嫌われてきました。
 しかし、自然農を志すようになって、この雑草と言われている植物に対して見方が変わってきました。
その詳細は「雑草と共存する農業」「害虫といわれる昆虫について(農薬そして雑草と共存することについての一考察)」に書いておりますので、ご興味があればお読みいただければと存じます。