NHKは放送受信料の支払率が全国平均72.5%であると公表しております。放送法により、NHKの放送を受信できる受信設備を設置したものは、受信契約を義務付けられております。つまり、実際にNHKの放送を視聴しようがしまいが受信料を支払わなければならないということになります。
さて、受信料の支払率の72.5%を高いと見るか、それとも低いと見るか。法的に義務付けられたものですから、本来ならば100%であるべきでしょう。しかし、1/4以上の方々が支払っていない現実をどうみるべきでしょうか?
国民年金保険料の納付率に比べると高いと言えるかも知れません。受信料の場合には、支払わないからといって、大したペナルティーがある訳でもありませんし、NHKの放送が見られなくなる訳でもないのにも関わらず、このような結果であるということは、ある程度NHKが支持されているとも言えるのでしょう。
さて、NHKが受信料を徴収してまでして存在する意義は、私の独断と偏見で言わせていただきますと、スポンサーや視聴者の意向に従うことなく、独自の姿勢で番組作りをすることにあると考えます。視聴率とかを気にせず、クオリティの高い内容を世に送り出すことにあります。あるいは放送技術(新技術などの開発を含む)の発展に寄与することも挙げられるでしょう。
しかし、最近の番組を見ていると民放と似たような番組が多くなったような印象を受けます。バラエティー情報番組などは、民放に一日の長があります。スポーツコーナーなどで、朝っぱらから不自然なハイテンションでギャーギャー騒がれると民放の方に切替えてしまいます。元来真面目なアナウンサーが無理してやっているのを見ると痛々しささえ感じてしまいます。民放と同じ内容ならば、民放の方が格段に上手いと思います。視聴者に迎合するような安直な番組は、受信料を徴収してまでも放送する必要があるのでしょうか。NHKが民放と同じ土俵に立つ必要はどこにあるのでしょうか。NHKにはNHKらしさがあって然るべきだと思います。
NHKが民放と似たようなスタンスで番組作りをするならば、受信料を支払ってまでもNHKを観たいとは思いません。受信料を支払っても観たいと思うような番組作りに能力を傾注していただきたいと思います。
更に言えば、現在の放送形態では受信料の支払に関して不平等が発生します。不払い者には何らかのペナルティーが必要です。最近は、悪質な場合には提訴しているとのことですが、そんなことしても支払率を大きく改善させることはできないでしょう。契約してもしなくても観られるのであれば、できれば契約したくないと考えるのが世の常でしょう。この対処法は、契約しなければ観られないというのが普通に思います。
そのためにはスクランブル放送にすることを検討されたら如何でしょうか。スクランブル化すれば、視聴率至上主義を助長するといった議論もあるかも知れません。しかし、先に挙げたように民放と似たような番組作りをするとすれば、公共放送の意義がなくなります。むしろNHKは民放と異なる特色を出すことにより、契約数を増やすことが大切なように思います。現在のように法律で義務付けされ、ある意味守られていることに胡坐をかくような姿勢は如何なものかと思います。スクランブル放送にしたら受信契約の解約が多くなってしまうとお考えならば、それこそNHKの存在意義が無いと言うことになります。
一昔前ならいざ知らず、現在は全てデジタル放送となっておりますので、やろうと思えば簡単に実現できます。何も全ての番組にスクランブルを掛ける必要はありませんし、災害時の緊急放送などではノンスクランブル放送にするなど臨機応変にできるではありませんか。
電気料金の値上げで社員の給与の高さが問題になりました。NHKの給与の高さは、電力会社の比ではないと言われております。それを支えているのは受信料です。電気料金を支払わなければ有無を言わさず電気を止められます。年金保険料を支払わなければ、年金が貰えない乃至は減額されます。私には、受信契約をしなければ観られないというのが自然なことのように思えます。そして、強制的に契約をさせられるという放送法のあり方にも疑問を感じます。今後大いに議論していくべきであると考えます。