報道ではピークシフトプランを希望している世帯は、たったの100軒ほどとのことです。これでは何の意味もありません。このプランの最大の欠点は、基本料金が6KVA以下の場合を一律1,260円としたことでしょう。これは単身世帯や共働き世帯は、ピークシフトに有効に寄与しないことから、これらの世帯を排除するための方策だからでしょう。元来、このプランの目的は、昼間に電力を使う世帯に対してピーク時間帯の電力使用抑制を狙ったものですので、当たり前といえば当たり前の結果と言えるでしょう。
せっかく東電さんや関電さんが提供してくれたプランですから、もっと活用することを考えてみましょう。一番先に思いつくのが、太陽光発電とセットにすることでしょうか。今までは、オール電化にしなければ時間帯別料金プランを選択できなかったのですが、今後これが可能となります。
特に、家庭用太陽光発電の全量買取が見送られたのですから、少しでも電気料金を安くあげることによって、投資回収を早めることを考えてみては如何でしょうか。
この料金プランの時間帯は、太陽光発電の時間帯に重なる訳ですから、需要によっては買電になることもあるでしょうが余剰電力があれば売電できることになります。
また、家庭用コージェネレーションの導入も考えられますが、夏場にはそんなに廃熱の活用(給湯、床暖など)ができないので、エネルギー効率が低下してしまいます。それにしてもピークシフトプランの単価設定が上手くできてますね。エコウイルへ大挙して移行してしまわないような配慮がなされているのでしょうか。
家庭用蓄電池の導入もありそうですが、まだまだ高額なのが欠点です。
一番費用が掛らない方法でこの料金プランで得をするには、ひたすら我慢の節電をすることです。我慢の節電を「バカな節電」と揶揄されていた方がいらっしゃいました。昨夏の節電要請を受けて、熱中症で亡くなった方が出たといった文脈の中での「バカな節電」といった発言でした。この発言を聞いて、この人ってどういう人なんだろうと思ってしまいました。確かに行き過ぎた節電をした結果、不幸なことが起こってしまったのです。それを「バカな節電」と言う神経を疑ってしまいます。尤も、ご本人も言った瞬間しまったという表情をされておりましたが・・・。
たとえ「バカな節電」であっても、強制的に押し付けられたのであればいざ知らず、自発的意思で我慢することに対して色々といわれる筋合いはないように思います。その対極にあるのが「賢い節電」だそうですが、そんなに賢い方法があるのなら、そもそも電力不足なぞ議論する必要もないのではないでしょうか。
更には、某テレビ番組の司会者がピーク時間帯の前にギンギンに冷やしておいて、ピーク時間帯にエアコンを切るようにしたら良いなどといった非現実的な方法を述べるなど、変な方向へ走ってしまう方々も出てきそうです。
そもそも私が小さい頃は、エアコンなどといったものは無かったのです。今や学校の教室にエアコンが入っている時代です。建物の構造が変わり、気密性が高くなりエアコンは必要不可欠であるといったこともあるでしょう。しかし、昔も鉄筋コンクリートの校舎もありましたが、教室にはエアコンは設置されていませんでした。夏休みの補習、それも南側の窓で太陽光を浴びながら授業を受けた記憶があります。近年、学力低下が叫ばれております。エアコンの入った教室の良好な環境の下で、恵まれた教育を受けているにも関わらず、学力が低下するといった現象は何なのでしょうか。ゆとり教育のせいにばかりはしておけないように思います。何か本質的なところで変質してしまっているのではないかと思います。
我が家は、昔ながらの日本家屋です。隙間風が入り込んでくるくらいに気密性がありません。今年の夏はピーク時間帯には、窓を全開にして冷房無にチャレンジしてみようと思います。
ただ、やせ我慢はせずに、智恵は使っていきたいとは思っております。こういうのを「賢い節電」と言ってもらいたいと思うのですが・・・。
<2013/02/24 追記>
私はいわゆる「馬鹿な節電」をやっているようです。「馬鹿な節電」といわれている節電に関しては、「ケチ電のどこが悪い!?」をご参照いただければと存じます。