英語と書評 de 海馬之玄関

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天まで舞い上がるか鳩山政権の中国片思い☆民主党政権を見る海外の冷たい視線(上)

2010年02月03日 14時41分05秒 | 英字新聞と英語の雑誌から(~2010年)

民主党政権は日本人に対しての不幸というだけでなく、諸外国にとっても「迷惑=国際秩序の不安定要因」であることがはっきりしてきた。そのことを吐露した記事を見かけました。英誌『エコノミスト』の”Japan's love-bubbles for China -Hatoyama's advances to China raise fundamental questions about regional security”「支那に対してヒートアップする日本の片思い-支那に対する鳩山政権の前のめり的対応は東アジア地域における安全保障の根幹をも揺るがしている」(2010年1月28日)です。

而して、例えば、日本では『夕刊フジ』が次のような風刺を報じてる。

永田町で話題!! 「言い得て妙」
鳩山首相は「ハト」? それとも

在日米軍基地移設や「政治とカネ」問題などで迷走する鳩山政権を皮肉った「ハト」ジョークが永田町で話題を呼んでいる。自民党の町村信孝元官房長官が派閥総会で、鳩山民主党への“口撃”材料として紹介したり、自民党中堅議員がメールマガジンに書き込んだりするなど、鳩山政権を的確に表現した「言い得て妙」な風刺文なのだ。

「日本に正体不明の鳥がいる」。
「ハト」ジョークは冒頭、謎かけめいた問いかけで始まり、こう続く。

中国から見れば「カモ」に見える。
米国から見れば「チキン」に見える。
欧州から見れば「アホウドリ」に見える。
日本の有権者には「サギ」だと思われている。
オザワから見れば「オウム」のような存在。
でも、鳥自身は「ハト」だと言い張っているようだ。

風刺文は天皇陛下と中国要人との会見、在日米軍基地移設、地球温暖化、剛腕幹事長による民主党支配…など、鳩山政権の混迷ぶりを「トリ」になぞらえている。鳩山政権がガソリン税の暫定税率廃止方針を撤回し、「マニフェスト詐欺」との批判が噴出した昨年末以降、ネット上で話題になり、政界にも広がった形だ。鳩山首相は本当に「ハト」なのか、それとも-。(2010年2月1日;以上、引用終了)


日本の歴史を紐解けば、史上最低の天皇である後醍醐天皇の新政を批判した『二条河原落書』(1334年8月)を筆頭に、その後の政治の流れを変えたと評される「風刺=落書」は幾つか存在します。自己中、自己評価と他者評価の隔絶、権力に対する万能感、理想を現実と錯覚する小児病癖、マザコン的性癖等々、鳩山氏と後醍醐天皇には共通する点も多く、早晩、民主党政権も吉野の南朝のような惨めな末路を辿ることは必定でしょう。しかし、私は、このようなジョークでする日本的な政権批判と以下に紹介する米英流のロジカルな批判とでは、やはり、問題解決に向けた真摯さ、すなわち、<迫力>にかなりの径庭があると感じます。

旧ソ連時代、「アネクドート」でしか政権や体制を批判できなかったロシア国民とは違い我々には言論という武器がある。ならば、鳩ジョークで笑った後は、経済政策・産業政策・安全保障政策・教育政策・外国人政策、そして、なにより、憲法改正・家族と地方の再生・天皇制・首相の靖国神社参拝・歴史認識等々、あるべきこの国のあり方を巡る争点に焦点を当ててロジカルに「南朝=民主党」「後醍醐天皇=鳩山首相」を批判していくべきではないか。権力の万能感に酔う民主党独裁体制の中で本当に「アネクドート」でしか政権や体制を批判できない日本にしないためにも、と。そう私は考えています。以下、エコノミストの記事の翻訳。尚、私の「鳩山首相=後醍醐天皇」論に関しては本稿末尾にURLを記した拙稿をご参照いただければ嬉しいです。

打倒民主党政権! 生態学的社会構造の変容の帰結たる困難で錯綜した政治情勢の中で、ついに日本を救った<足利尊氏公>の再来を期待しつつ、

共に闘わん!!








WHAT our colleague, Charlemagne, calls “bubbles of optimism” over China have been popping in Western capitals, as China has taken a hard line against internal dissent, proven unhelpful in efforts to tackle both climate change and Iran’s growing nuclear threat, manipulated its currency and launched cyber- attacks on Western computer networks. China, muscling its way to global prominence, is not quite the partner the West had been cultivating. Striking, then, that in Japan the bubble of optimism, among the country’s new leaders, is only inflating.


支那の諸々の所業、すなわち、国内の反体制派に対する強硬姿勢の堅持、気候変動や昂進するイランの核武装の脅威に取り組む試みへの非協力的姿勢が明らかになるにつれて、また、自国通貨の為替相場の操作や欧米のコンピューターネットワークに対するサイバー攻撃の発動を目撃しては、最早、エコノミスト誌の同僚Charlemagne【「Charlemagne」は欧州事情を専らカバーしているThe Economistの常設コラム欄のことです。】が支那に対する「楽観論バブル」と呼んでいるものは欧米の主要な国では弾けてしまっている。支那は世界における自国の存在感と発言権を強引に拡大しようとしており、それはかって欧米がそうであるものと思い接してきた協調的なパートナーなどでは最早ない。而して、支那に対する楽観論バブルは日本においても疑問視されているのだけれども、ただ、日本の新しい指導者層の間でだけは膨張し続けている。


Soon after the Democratic Party of Japan (DPJ) swept into office nearly five months ago, the prime minister, Yukio Hatoyama, unveiled a vision for an East Asian Community (EAC). For all that it was dreamy and disjointed, it had at its heart a rapprochement between Japan and China leading towards regional integration. Asia, Mr Hatoyama reaffirmed, was Japan’s “basic sphere of being”. As for integration, fraternity was to be the glue.


約5ヵ月前の選挙で民主党(DPJ)が圧勝し政権の座についた直後、鳩山由紀夫首相は東アジア共同体(EAC)なる構想を発表した。東アジア共同体構想なるもの自体は、夢物語で何の現実性もなく、また、構想を構成する要素間にはほとんど何の脈絡もないものなのだが、この構想の中核部分には、東アジア地域の統合に向けて日本と支那の友好を促進するという契機が含まれている。鳩山氏は繰り返し、アジアこそ日本の「基本的な生存空間」であると述べている。而して、東アジア地域の統合に向けては、友愛がその接着剤の役割を果たすことになろう、とも。


Then late last year the DPJ’s secretary-general, Ichiro Ozawa, travelled to Beijing at the head of a 639-strong mission, including 143 parliamentarians with whom a beaming President Hu Jintao took the trouble to be photographed, each in turn. Mr Hu doesn’t smile like that for Westerners. Back in Tokyo, Mr Hatoyama horrified sticklers for imperial protocol by insisting that Mr Hu’s heir-apparent, Xi Jinping, pay an impromptu call on Emperor Akihito.


昨年末、民主党の小澤一郎幹事長は143人の国会議員を含む総勢639人の使節団の団長として北京を訪問した。而して、喜色満面の胡錦濤主席はこれら143人の国会議員と一人ずつ交代で記念撮影する労を惜しまなかったのである。胡錦濤氏は欧米の人々と記念撮影に応じる際には普通笑顔を見せることはないというのに。そして、日本国内に話を戻せば、鳩山氏は皇室の儀礼に詳しい向きを戦慄させかねないことをしでかした。すなわち、胡錦濤主席の後継者と目されている習近平【副主席】が、天皇陛下と即座に会見できるよう強引に指示したのである。



Now rumours suggest Mr Hatoyama may make a visit of remorse, the first by a Japanese prime minister, to Nanjing, site of a massacre by Japanese forces in 1937. In return (and at less political cost), Mr Hu may pay respects to the nuclear victims of Hiroshima.


今流布されている噂によれば、鳩山氏は、日本の総理大臣としては始めて、1937年に日本軍による大量虐殺が行なわれた南京に悔悟のための訪問をするかもしれないということ【「南京大虐殺」を、①南京開城の1937年12月13日から6週間、②南京市内において、③日本軍が組織的に、あるいは、組織の統制を離れて集団的に、④戦時国際法の保護外にある所謂「便衣兵」以外の捕虜もしくは民間人を、⑤10万人以上殺戮したことと定義すれば、南京大虐殺など歴史上の事実としては存在しなかったことは明らかである。他方、⑤を数千人や数百人と解する場合、「南京大虐殺」はあったかもしれないが、それを示す文献学的に信用のおける史料を支那政府は公開していない。よって、現在の所、歴史的には「南京大虐殺」なるものは存在しないと言うべきであり、国際法的に戦後処理がすべて終了した現在、政治的には「南京大虐殺」があったとしても「それが何か?」「それがどうした?」の事態にすぎない。但し、ここは本文テクストに従った】。而して、そのお返しに、胡錦濤氏は(政治的には遥かに小さなコストを払い)廣島の被爆者に哀悼の意を表すると。そのような噂が流れているのだ。


Japan under the DPJ seems to get on better with China than it does with its ally and security guarantor, the United States. Relations with the United States are strained over the relocation of a military base for American marines on Okinawa, leading to worries over the future of the two countries’ alliance, keystone to security in the western Pacific.


民主党政権下の日本は、その同盟国にして安全保障上の保護者であるアメリカとの関係に比べて支那との関係は極めて良好のように見える。すなわち、日米関係は、沖縄のアメリカ海兵隊基地の移転を巡り緊張の度を高めている。而して、この緊張の高まりは、西太平洋地域における安全保障のかなめ石たる日米同盟の将来に対する懸念を引起しているのだ。



<続く>





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