けっこうマジにある護憲派のマニュアル本を批判しています。じっくり煮込んで料理しています。愛敬浩二『改憲問題』(ちくま新書・2006年4月)。そして、予定全8回のうち、主要な6回分をアップし終えたので皆様に宣伝させていただきます。
本書は、「改憲派の代表的改憲理由をきちんと反駁してみせよう」という意図で書かれたと思われるのですが、実際、各地で、護憲派の善男善女に歓迎されてもいるらしい。しかし、本書は、逆の意味では護憲派の論理の「手の内」というか「心構え」(爆)みたいなものをまとめたもとも言えます。
つまり、これをきちんと再批判すると、護憲派の理屈の少なくとも95%には、「間にあってます」と言えるようになる。その点では実に本書は改憲派にとってとっても便利な書籍です。つまり、護憲派-改憲派双方にとってコンビー二エント♪
そう思ったので今かなり丁寧に批判しています。残りの連載予定分は本書の批判というより、私が<護憲派の最終防御ライン>ととらえている、そして、敵ながら天晴れと思っている長谷部恭男(東大教授)さんの論理(=護憲派の理屈の5%、そして、いまだに侮れない5%)を考えるための、改憲問題の論点整理ですので、この段階で宣伝することにします。
是非、ご一読ください。一応、各単元読みきりであり(1)→(2)、(4)→(5)に注意していただければどこからでも読めると思います(下記、目次参照)。また、『改憲問題』を手許に置かなくともよいように引用にもかなりのスペースをさいています。正直、買って読むほどのものでもありません。
実は、「私がこれだけ労力を割いたのだから絶対読んでね。知り合いに紹介してね」とかの自己中なことはもうとう思っているわけではないのですが、正直、憲法論-法哲学的に相手にするほどのものでもない書籍の批判に原稿用紙で120枚を越える論稿を書くのは我ながらつらい(笑)です。しかし、上にも言いましたが、これを批判すれば、
「改憲反対!」→「なぜならば、戦争はよくないから」→「だから戦争をしてはいけない」→「だから、戦争ができる国になろうとしている現状は危険」→で、最初に戻り「改憲反対」・・・
という自分の正義感だけを根拠に改憲反対を叫んでいる方々。そして、その理屈が他人にも通じる(他者をも拘束する)はずだと思い込んでいる、とっても人類愛に溢れた傲慢な護憲派の少なくとも95%の方については、彼等の目を覚ますことはできなくとも(そりゃ、無理でしょう。だって、彼等の護憲は信仰なんだから)、黙らせることは可能だと思います。
だから頑張る♪
目次:目下、前に作成していた目次の記事リストが、
リンク切れ修復が何故かできないので、
取り敢えずこちらからそのまま本編にお入りください。
・護憲派による自殺点☆愛敬浩二『改憲問題』
http://kabu2kaiba.blog119.fc2.com/blog-entry-25.html
<参考>
・<改訂版>自薦記事一覧:保守主義の憲法論と社会思想
-憲法学の再構築と占領憲法の破棄・改正を求めて
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/5f7bef87927eae129943ca8b5bb16a26
・戦後民主主義的国家論の打破☆
国民国家と民族国家の二項対立的図式を嗤う(上)(中)(下)
・立憲主義と憲法の関係☆憲法は国家を縛る「箍」である
・人権を守る運動は左翼の縄張りか? 保守主義からの人権論構築の試み
・「改憲をめざす内閣」は憲法違反か?
・「改憲をめざす内閣」は立憲主義と矛盾する?
>だって、彼等の護憲は信仰なんだから
>アレは“信仰”じゃなくて“狂信”とか“精神の堕落”
>とか“勘違い”の類でしょう。
>ああいうのを“信仰”というのは世界中の宗教に対する
>重大な冒涜ですよ。
仰るとおりです。
>だって、彼等の護憲は信仰なんだから
アレは“信仰”じゃなくて“狂信”とか“精神の堕落”とか“勘違い”の類でしょう。
ああいうのを“信仰”というのは世界中の宗教に対する重大な冒涜ですよ。