曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

78回目の誕生日

2024年08月10日 | 日記

今日の大葉(青じそ)

昨日料理に使った残り物でしょうか庭から摘んできた青じそがテーブルの上に生けてありました。

朝食のため椅子に座って大葉を眺めると何の変哲もないただの大葉ですが何か隠し絵のような輪郭が見えました。

アルチンボルドの絵をご存じの方もおられると思いますが、ただの大葉の重なりがヨーロッパ中世の男の人の横顔に見えませんか ?

 


 私78歳の誕生日を迎えることができました。

よくぞ無事に元気で生きてこられたものだとわれながら驚くとともに感謝の気持ちでいっぱいです。多くの人がそうだったのではないかと思うのですが、子供の頃の誕生日というものは意味もなく嬉しいものでしたね。青年期になると嬉しさはなくなりますが特別の日であることの自覚はできて来たようです。そして中年になる頃には自分の誕生日を忘れることもあったような無かったような、誕生日について考える余裕がなかったこともあったようです。そして60歳になると暦も一回りしたことだし振り出しに戻ってみようと思うことにしました。それまで十分に見つめたことのない私たちの暮らしているこの地球の自然について見直してみようと考えるようになりました。私を含めて多くの人は人間社会以外のことは知らないことが多すぎると思いませんか。手始めにカメラを使って蝶のことを調べてみることにしました。そうして18年間蝶の生態を知ることに余暇を使いました。楽しかったですね。蝶のことを介して知り合えた人は今はもう全国にいます。これからも元気で動くことのできる限り蝶のことは続けたいと思っています。今日の誕生日にも時間を作って山へアサギマダラの調査に行ってきました。

それから、今年はみかん畑の空き地でスイカを作っています。何年ぶりでしょう。子供の小さいころには毎年スイカは作っていた経験があるので今年もうまく行くはずだと自信は持っていました。そして今日は自分の誕生日だから自分で作ったスイカでお祝いしようと考え、沢山なっているスイカの中でこれと思ったスイカを取って帰りました。スイカの栽培をすると家に持ち帰ってまな板の上で切る時が一番楽しいのです。ところが今日は切り目を入れてもスイカは割れませんでした。期待感が一気に下がります。二つに切り開いてみると見るからに未熟です。収穫日を間違えたようですね。もう五日から7日くらい待つべきでした。

この頃自分や家族で食べるものは野菜など作れるものはできるだけ作ろうと思うようになりました。年とってから始めた生き物の観察や研究をするようになってから、生き物と食べ物のことを深く考えるようになってきました。特に最近は人間の食べ物のことに関心が深まっています。誰しも美味しいものが食べたいという欲望があるのは仕方がありませんが人間が自然とバランスよく付き合いながら食物をとってゆくことがもっと大事なのではという気が強くしてきました。そこで自分と家族で食べる分はなるべく作ろうと最近は努めています。今日は畑に今シーズン最後のキュウリの苗を植え付けました。うまく行くと10月までキュウリは自給できます。以前書きましたが町に魚屋さんがなくなってからもうずいぶん経ちます。新鮮な魚が食べたいときには自分で釣りに行くしかありません。その時は必要な魚だけ釣って帰ります。お肉類は今の所自己調達できません。でも先日畑からの帰り道に道路上を歩いているイノシシを見かけました。この1匹を捕まえたらひと月以上肉が食べられることになるんだよねと。私は捕獲の免許も持っていないしイノシシはさばいたことはありませんが、人間は大昔からきっと捕まえて食べていたんだろうなとその時考えてしまいました。今の世の中では経済的な問題はありますがお店に行けば何でも手に入り調理して食べたり、すでに調理してあるものを食べることもできますよね。世界中の80億人の人間がこんなことをしているわけではありませんが、地球の自然はこれからもずっと人類を養い続けることができるんでしょうか。うまく言えませんが、今年の誕生日にはなぜか食べ物のことが気になって仕方がありませんでした。

 


誕生日だからと言って収穫してきたスイカ

今日も暑くなりそうですね。

さあ、ファンファーレの音と共に包丁が入ります。

がっかりでした。