今日の果物
ヌアール ド カロン フランス原産の甘みの強いイチヂクです。もう20年以上作っていますが、我が家の住民はイチヂクが好きではなく、誰も手を出しません。私が時々畑で味見をする程度で、大半は木に付いたまま腐って落ちます。腐る寸前のすごく甘い時には蟻や蜂がすごくたくさんやって来てその極甘の果汁を吸っているようです。自然界では何事も全く無駄にはなっていないようです。
イチヂクは日持ちのしない果物の代表です。収穫したらその日のうちに食べないと傷んだり変質したりします。だからだれか食べる人がいれば収穫しますが、普段は収穫しないまま木で腐って落ちます。昨年、島のジャムヤさんに何か使い道は無いですかと差し上げました。すると、今年はイチヂクの収穫時期より早い時に連絡があって「このイチヂクを使ってみたいので収穫してください。」との要請がありました。でも我が家には今ヌアールドカロンは1本だけしか残っていません。以前は何本もあったのですがもういらないと思って残りは切ってしまいました。今年の実が終わったら残る1本も切ってしまうつもりです。そんな風にイチヂクには価値を認めていない私ですが要望があれば収穫せねばなりません。初めごろは毎日4~5個しかとれませんでした。最近は10個~15個くらいとれます。ジャム屋さんはある程度量が無いと仕事になりませんから、初めから毎日少しづつ収穫した果実はすぐに冷凍保存しておきました。冷凍庫にも大分たまってきたので一昨日ジャム屋さんに渡しました。そして昨日採れた分で今朝私がジャムを作ってみたのです。生果としてのイチヂクはあまり好きではありませんが、ジャムにすれば食べることが出来ます。それで今までも毎年少しだけ自分用のジャムを作っていました。昨年か一昨年にもこのブログにイチヂクのジャム作りのことを載せたことがあるはずです。全くの素人の作るジャムですから満足できるものはできませんが、今年は少し手法を変えてみました。イチヂクの中でもヌアールドカロンは果皮の紫色が濃いのが特徴です。この紫色を使わぬ手はないと考えて最初は果肉だけでなく皮の付いたままざく切りにしてジャムに焚いてみました。とても良い色のジャムが出来上がりましたが、果皮はとても薄いのに食べる時にもしゃもしゃ感が残ります。次の年にはかなり細かく刻んでから皮ごと焚きました。それでも違和感を感じます。それで今年は果皮をむいで果肉だけでジャムを作ることにしました。そして果皮は茶こしネットの中に入れて一緒に焚いて、出来上がったら取り出すようにしてみました。ネットに包んだ果皮から赤い色素はうまく出てきたようです。こうして赤いイチヂクジャムができましたが、まだ食べていません。うまく行ったかどうか明日の朝にはパンにのせて食べてみます。
イチヂクジャムを作りました。
剥いだ果皮は別にしておきます。
四つ切くらいにします。
いつも悩むのが砂糖の量です。普通には果物ジャムは40%くらいの砂糖を加えるように書いてありますが、今回はあるレシピ本に書いてあったようにとても少なめの砂糖で作ってみました。
砂糖をふりかけてしばらく置きます。果皮も一緒に入れておきました。
水分が出てきたら煮込みをはじめます。
しばらく煮ると果皮の赤い色素も出てきました。
煮込みが終わると、果皮の入ったネットは取り出します。
レモンの酸味を少しだけ加えます。
そして出来上がりました。
イチゴジャムほどには赤くなりませんでしたが、赤いイチヂクジャムが出来ました。