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「ぴあ」廃刊に想う

情報誌「ぴあ」が廃刊になると知り最終号を買った。
過去の表紙のイラストが懐かしかった。

思えば「ぴあ」にはお世話になった。
大学受験浪人中に予備校に行かないで、3本立ての名画座で映画を観ていた。
現実逃避もあったが、まだやれるよと映画を観て励まされていた。
持ち歩いていたカバンの中にはいつも「ぴあ」が入っていた。
映画のタイムスケジュールを調べて、一応映画館に電話して確認してから観に行っていた。
映画を観るのに必需品だった。

音楽を聴くにもまず「ぴあ」で新譜情報を見て買っていた。
そして何よりも大切だったのがコンサート、ライブ情報だった。
アーティストの来日情報をいち早く知る事が出来た。

「ぴあ」に来日決定、詳細は近日発表と載ると1週間以内位にプロモーターから正式発表になっていた。
僕は「ぴあ」に好きなアーティストの来日情報が載ると、
新聞販売店に毎日平日朝2時前に通い、
新聞に来日決定の広告が載ると、本当に小さい文字で本日より整理券発行と書いてあるのを確認して、
ウドー音楽事務所、キョードー東京に整理券をもらいに行った。
ウドーのチケットの販売をしていた青山チケットエージェンシーのあった乃木坂まで
JR始発の朝4時半前の電車に乗り飛んで行った。時にはタクシーで直接行ったこともあった。

当時乃木坂駅近くの乃木公園で整理券を配布していた。
軍団と呼ばれていた人達が乃木公園前に車で待っていて、
整理券発行の新聞を読んだと確認してもらえると番号をもらい、
たぶん朝6時だったと思うが番号順に並んで整理券をもらっていた。

今思えば良いシステムだったと思う。
電話、インターネットでチケットを買うには運任せが大きいが、
整理券でのチケット購入は本人の熱意、
熱意が強い人が良い席のチケットを手に入れられていた。
実際、武道館のアリーナ、前から3列目位のチケットを手に入れることが出来ていた。

この時に知り合いも出来てお互いに出来る範囲で協力して整理券を手に入れていた。
この縁でブルース・スプリングスティーンの来日公演、トム・ジョードツアーのチケットも手に入れた。
なつかしい思い出だ。

今はインターネットの時代になって、
いわゆるアナログの時代は終わってしまった。
雑誌よりもネットで情報を仕入れることに移った。
昔からよく行っていたCDショップも閉店してしまい、
情報雑誌「ぴあ」も終わってしまった。

でも僕は実際に手に持つことが出来る雑誌、CD、チケットが好きだ。
古い人間なのだろうけれど手に入れた実感が湧く。

今回の「ぴあ」廃刊に時代の変化を感じた。
そしてセンチメンタルなさびしさを感じている。
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