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ブルース・スプリングスティーン「レッキング・ボール」感想その3 SHACKLED AND DRAWN

ブルース・スプリングスティーン「レッキング・ボール」を繰り返し聴いている。
ブルースはこのアルバムでいろいろなものを吸収して大きくなっていると思う。
今まで生きてきた人たち、先祖の経験、知恵を受け継いで、人の持つ底力を表現している。
ブルース・スプリングスティーンの音楽はまさにそうなのでは。
現在までの良いロック、偉人達の音楽の継承者という位置付けで言われてきた。

このアルバムでは人の長年の営みを描いている。
そしてそれらをみんな引き受けて行くんだ「Land Of Hope And Dreams」の列車に乗って。
そして僕はそれを聴いて力強くなる。

アルバム3曲目「SHACKLED AND DRAWN」
僕はこの曲の歌詞、訳詞を読んで思い出した。
汗をかいて働く。
最近当たり前に感じてきたけれど、
やっと仕事に就けて、その日の仕事をやり終えた帰りに飲んだ缶ジュースが美味しかったなと。

そんな人としての当たり前の営み、権利をブルースは歌っている。
その当たり前の事が保障されない現在の社会に怒っているのだと思う。
映画「怒りの葡萄」のように。

ここで僕ははっと気がついた。
今回のアルバムは怒りのアルバムだと強調されて言われてきた。
でも、僕はこのアルバムを聴いていると
怒りよりも楽しいと感じてしまう。
歌詞をまだ読んで理解していない曲には特に。

そういえばブルース・スプリングスティーンはEストリート・バンドのロックンロールメロディーに載せて
つらい、あるいは強い歌詞を歌ってきたのではないか。
最近はあまり強い歌詞は歌っていなかったが。

ブルース・スプリングスティーンの特徴は、
ロックンロールのノリのいいサウンドで歌われる強い歌詞だったではないか。
歌詞はいわゆる暗くても、サウンドは明るい希望のあるメロディーであったではないか。
僕はそのことを最近すっかり忘れていた。
「レッキング・ボール」を聴いて楽しいと感じる僕は変なのではないか。
聴いていて楽しいなどとは言っていけないと思おうとしていた。
でも歌詞はともかくサウンドは楽しいのだ。力強さとともに。
それでいいのだ。それに今、はっと気がついた。

今回のアルバムではブルースはEストリート・バンドの明るいロックンロールの代わりに、
底力のルーツ・ミュージックを用いたのだ。
そう考えるとブルース・スプリングスティーンは変わったのではない。
音楽の幅が広がったけれど、今までと同じスタンス、
独自のサウンドに載せてメッセージ性の強い歌詞を歌うということだったのだ。


ブログ、ツイッターで知り合った人が今日アメリカへ向かうと知った。
すごくいい刺激になった。
よし僕もブルース・スプリングスティーンのアメリカ2nd legに行くぞ!
日本でブルースがコンサートを開いてくれればそれを見に行くのが一番いいが。
はりあいが出てきた。

Faith will be Rewarded
一生懸命努力すれば報われるのだ

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