自分の周りの空を写します
北東気流の街に生まれて
ブルース・スプリングスティーン「レッキング・ボール」感想その11WE ARE ALIVE
通常盤の最後の曲WE ARE ALIVEの感想です。
僕はどうもこの曲が苦手だ。
この曲の前の曲、LAND OF HOPE AND DREAMSでさあ希望の地へ行くぞと意気込んで、
そのまま終わった方が僕はすっきりする。
何か高揚した気持ちを落とされる気持ちがする。
これと同じ感じ方がアルバム「BORN IN THE U.S.A.」での最後の曲MY HOMETOWNだった。
僕は前の曲「DANCING IN THE DARK」で嫌な現実を忘れて一人踊っていた。
頭の中が真っ白になったところで、
MY HOME TOWNで現実を見せられるのが嫌だった。
僕はその頃はこんな所は出ていきたい。でもどこにも行けない。ただ部屋の中で踊るだけだった。
こんなところにずっといることなど、ここが故郷などと考えたくなかった。
当時はこの曲は聴かないでDANCING IN THE DARKでレコード針を上げていた。
(まだこのアルバムはLPレコードで聴いていたのを思い出す)
でも今はMY HOME TOWNもありかなと思う。
当時よりいくらかは成長したのかなと思う。
実際は僕は引っ越して故郷とは離れた。
(実家から徒歩30分程しか離れていないが)
そして「レッキング・ボール」の最後の曲WE ARE ALIVE
この曲はアナログ・テープ風のパチパチとした音が入るのから始まり、
何か薄気味悪くも感じる。
死者が蘇るという話だ。
これだけだとマイケル・ジャクソンのスリラーみたいな話だが、
この曲は違う。
アルバムを通してのテーマ「人の長年に渡る営み」
今の自分達の行動を昔からの先祖が見ている。
いい加減なことは出来ないと言われている気持ちが僕はする。
今の生活は昔からの人々の何世代もの営みによって成り立っている。
アメリカの約束、お互いに支えあいながら個々の夢を実現させようと誠実に努力する。
そしてその努力はいつか報われるのだというアメリカンドリーム。
これに外れた道は俺達が許さないと先祖の人たちが見ているのだと感じた。
大先輩の声を聞けと。
歌詞の中に
「こころを楽に休ませておけ
よく眠っておくのだ
最後に裏切るのは肉体なのだから」
とある。
人の限りある肉体。
その限界を知って大切に生きろと助言された気持ちがする。
僕はこの曲が好きだと言える日が来るのだろうか?
僕はMY HOMETOWNと同じように、
近いうちに認められるのではと思っている。
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