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西加奈子「夜が明ける」を読んでの感想

西加奈子さんの「夜が明ける」を読んでの感想です。
この本では「俺」と「アキ」の二人の出来事を平行して書かれている。
人生、人との出会いだな。人はそれぞれ会った人にも会っていない人にも影響を与え合っている。
みんな過酷な中で一生懸命生きている。僕は読んでいて癒された。

高校時代の思い出が有ったから俺もアキも生きられたのだろう。
それぞれ2人が出会う人にそれぞれ助けられている。もちろん嫌な人にも出会ったけれど。
僕は遠峰さんが素敵だった。「恨んだら負けなんだ」ネガティブなやさしさかなと僕は思った。
人は意識しても意識していなくてもお互い影響していく。

そして俺と森さんが交わす言葉が僕に響いた。僕は森さんが出て来て救われた。
そう。負けていいんだ。堂々と負ければいい。生きているから負けを認める、負ける権利があるのだ。
この本の登場人物はみんな負けちゃいけないと言っていた。でも「助けて」って言えばいいのだ。
そしてお互いが知らずに助け合っていくのだ。
この本は自己責任と言い続ける世の中を批判している。

僕はこの本を移住しようとした北海道浦河のグループホームで読んだ。上手く行かない中で読んだ。僕は結局一時戻って来た。そして団地の部屋で読み終わった。
僕は思う。僕も弱さを出していいのかな。自分の弱さを出そう。僕は浦河で自分の弱さを出さなかった。だからみんなの中に入れなかったのだと思う。
5月にもう一度浦河に行く時は自分の弱さを出そう。
僕は弱さを出す大切さを千葉に戻ってから気が付きました。
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