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「環状島へようこそ トラウマのポリフォニー」宮地尚子先生を読んでの感想その2

途中にいろいろあり時間がかかりましたが、「環状島へようこそ トラウマのポリフォニー」宮地尚子さんを読み終わりました。
環状島という模型を前に置いているイメージで相手と話すと自分や相手の話が分かりやすいと思いました。
今の自分は環状島のどこに居るのかをイメージすると相手にそして自分も自分を理解しやすく成ると思います。
これから僕も使っていこうと思います。
この本は環状島のイメージでの対談集。対話されている話を読んでトラウマの様子が少し分かって来たと思いました。

そして環状島は僕の他人事メソッドに似ていると思いました。
困ってバタバタしている僕を頭の中でもう一人の自分が実況アナウンサーに成って実況中継する。
すると困っている僕は素に戻り楽になる。
そんなイメージは環状島の模型を前に置いてながめるのと似ていると思います。

ただ注意点として、環状島のどの場所で見ているかで環状島の見え方が違う。
環状島の頂に立っている人は山に登っている人を見て、そんな道を行かなくてもいいのに、こっちの道の方が進みやすいのにと思ってハラハラしながら見ている。
でも山を登っている最中の人は足元と周囲を覆う木々しか見えていない。
それを意識しているのが大切。
一番つらいのは同じものを見ているはずだと思い込み相互に誤解を増幅してしまうこと。

僕の他人事メソッドは山の上で、あるいは島の上を飛行機でながめているのだと思う。
そこに今回の環状島のイメージを重ねるとより自分の立ち位置が分かるなと思いました。
これからは他人事メソッドでの立ち位置が違う環状島モデルもイメージして楽に生きる方法を見つけていきたいです。
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「環状島へようこそ トラウマのポリフォニー」宮地尚子先生を読んでの感想その1

環状島がいいみたい。宮地尚子先生の「環状島へようこそ トラウマのポリフォニー」を読んでいます。
トラウマが専門らしい先生の著書で環状島という概念が出て来ました。
(内海)をもつ島。
(内海)は被害者が居る。地上に出られずに沈んでいる人。ショックが大きいままで語ることが出来ない状態。
(波打ち際)声を出せない被害者とかろうじて出せるようになった被害者が連なっている。いったん海から出られても(重力)とも言えるトラウマ反応や症状が強くなれば海に引き戻されてしまう。
(内斜面)声を上げることが出来る被害者が居る
(尾根)被害者のピーク
(外斜面)支援にあたろうとする人が位置する。
外からやって来る支援者は(外海)から(外斜面)に上陸して被害者に近づいて島の内側にいる被害者を引き上げようとする。
(外海)傍観者、ハラハラしながら起きていることを見ている人などがいる。
(さらに沖)出来事自体を知らない無数の人たちがいる。
そしてその環状島には力が働いている。
(重力)トラウマ反応や症状。被害者はつねに重力がつきまとい(内斜面)に居た人も(内海)に滑り落ちてしまうことがたびたびある。(外斜面)に居る人も(重力)の思い負担で支援を止めて(外海)へ戻ってしまうことがある。
(風)対人関係の問題。さまざまな風が吹く。
(水位)トラウマに対する社会の否定や無理解。その程度が強いほど水位が上がり被害者も支援者も水中に没してしまう。

これを僕はすごく分かりやすいモデルだと思いました。
そしてこのモデルを使って思い浮かべればトラウマの人たちの位置関係だけでなく社会のある特定の問題への関心の度合い。
個人の何かの困難への自分が置かれている位置の把握にも使えると思います。
すごく可視化されて分かりやすい。自分や自分たちの今置かれている位置が分かり自分を客観的に見ることが出来ると思います。
僕の他人事メソッドにも通じると思う。
何となくもやもやした状況を客観的に分かりやすくとらえられる。すごく良いと思います。
僕はこれからこの環状島モデルを自分の状況把握に使おうと思います。
そしてこの本でトラウマの実態を学んで行きます。良い本に良いアイデアに巡り会えました。べてるに感謝です。
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