明日、5/31(日)より『コニカミノルタソーシャルデザインアワード2015』が始まります。本日無事作品の搬入を済ませたので、取りあえず一安心です。
今回の作品は「強烈なビジュアルインパクト!」とかいう感じではなく、期間中皆様に協力して頂くその過程こそ重要になってくる作品です。なので今日は事前にビジュアルを公開すると共に、ご鑑賞の際の手引きを書かせて頂きます(勿論、作品にも分かりやすく説明は書いてありますが)。それって野暮かもしれませんが、今回のように様々な作品が一堂に会す場では、「ちゃんと伝えたい!」という気持ちが大事だと思いますので。
今回の僕の作品タイトルは『手から手』です。
壁に貼られた20枚の片手袋写真と、机が一つ。シンプルな構成の『手から手』ですが、見るだけでなく是非とも皆様に参加して頂きたいのです。
①まず初めに壁に掛けられた片手袋写真をご覧下さい。
②好きな写真を選んで、片手袋を落とした人の、片手袋を拾った人の、通りすがりに片手袋を目撃した人の、あるいは片手袋自体の…。写真の背後にある物語を想像し、会った事もない誰かの人生に思いを馳せてみましょう。
(※例えばこんな感じです↓)
③机の上の「片手袋想像ノート」に、あなたの想像した物語を綴って下さい。表現形態は散文でも詩でも俳句でも絵でも構いません。とにかく気軽に思いついた事何でも構いません。
④他の人が綴った物語も読んでみましょう。
⑤展覧会場から出た後、いつの日かあなたは町で実際に片手袋と出会う筈です。その時は心の中で上記の手順を繰り返してみて下さい。
『ソーシャルデザインアワード』は、“「社会をより良いものにするアート・デザイン・アイデア」を広く募集するコンペティション”です。
僕は本作に於いて、「より良い社会の具体例」を示すのではなく、「より良い社会とは何なのかを考えるきっかけ」を提供したいと思いました。その為に一番重要なのは、「自分以外の他者の立場になって考えてみること」ではないでしょうか?
「相手の気持ちになって考えてみなさい!」というフレーズは、正論でありながら使われ過ぎて実行力のない些か陳腐なものになっている気がします。その陳腐なフレーズにもう一度息を吹き込み、具体性を帯びさせる。片手袋にはこの難題をクリア出来る(しかも思わず笑ってしまうような軽やかさで!)力が備わっていると信じて、本作を制作しました。
今日、審査員の方から「社会とは二人が三人になった時生まれる」という趣旨の言葉を伺いました。片手袋を落とした人、拾った人、それを写真に撮る僕、その写真を見て物語を想像する人。この奇妙で不思議な連鎖の中に、社会の萌芽を感じ取って頂ければ幸いです。
勿論僕の作品以外もとても興味深いものばかりで、面白い展覧会だと思いますよ。『オーディエンス賞』があって、100円募金すればお気に入りの作品に投票出来る企画もあります。
ご来館お待ちしております!
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『コニカミノルタ ソーシャルデザインアワード』詳細
http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2015june/social_design_award/about.html