片手袋が発生しやすい条件を考えてみると、真っ先に「手袋を着脱する機会の多い場所」が思い浮かびますよね?で、具体的にそれはどういう状況かと考えてみれば、一番分かりやすいのは「手先を使って細かい作業をする場所」や「お金のやり取りが多い場所」だと思います。
小銭やICカードの出し入れが必要なバス停に片手袋が多いのも、まさにそういった理由ですし、
銀行のATM周辺に片手袋が多いのも納得できます。
しかし、片手袋研究を始めた11年前。真っ先に片手袋多発地帯であろうと予測したのは、「公衆電話」でした。小銭が必要だし、ボタンを押したり細かい作業も必要ですからね。
ところが…。
11年間、公衆電話を見掛ければ必ずチェックしていたんですが、なんとただの一度も片手袋と遭遇したことがなかったのです!
かわりにイヤーマフの忘れ物はありました。これはこれで、公衆電話に忘れてしまったのが大いに理解出来る逸品でしたが。
片手袋研究の歴史は、当初思い描いていた想像や理屈が覆されていく歴史でもありました。「冬しか片手袋と出会わないのかな?」とか「人が足早に行き交う渋谷などでは介入型片手袋は発生し辛いのかな?」とか、安易な仮説は悉く地道な観測の前に覆されていきました。
公衆電話周辺に片手袋は沢山あるに違いない。これも覆されてしまったわけですが、そうすると今度は、「何故公衆電話には片手袋が発生しないのか?」という事を考え始めていたのです。しかし!
先日、ご近所さんが見付けてしまったのです!僕はこの写真を見て本当にビックリしてしまいましたよ!
さあ、これで少なくとも一枚は見つかった訳です。そうすると、単に僕一人のフィールドワークでは出会う事が出来なかっただけなのか、やはりこれはレアケースで公衆電話周辺は片手袋が発生しにくいのか、分からなくなってきました。
答えはまだまだ出せそうにありませんが、公衆電話を見掛けたらチェックしてみる習慣はやめられなくなりましたよ。