
ゴールデンウィークに東京の娘と5日間過ごして岡山に戻った2日後、再び東京に出張で出掛けることになった。連休が終わったので、空港も街も家族連れの姿はまばらとなり、数日前の混雑と賑わいが嘘のようだった。
田舎で暮らし、たまに東京に出てくると街で通り過ぎる自動車がやたらベンツやBMWに代表される高級車が多いことに気付く。都会では車を所有すること自体が難しいはずなので、高級車を持つことのステータス性は田舎以上かもしれない。トマ・ピケティの切り口でなくても、次第に日本は資本所得と労働所得の格差にとどまらず雇用者と失業者、正規と非正規雇用の格差など社会不安の要素が増してきているように思えるし、東京で高級車の割合が田舎と比べて大きいのも格差を反映しているのかもしれない。電車の中では憔悴した人々がスマホに力なく向き合い、孤独に現実逃避している。やはり東京は病んでいるように見える。
新しき明日の来るを信ずといふ
自分の言葉に嘘はなけれど
石川啄木
