夕方、笹川平和財団前理事長の高木雄次氏の「エネルギー情勢 ー 原油価格の見通しとエネルギー問題の行方」と題する講演を聴いた。
高木氏は三井物産のエネルギー部門に長く勤められ、日本のエネルギー分野の第一人者だ。
原油価格については1バレル=100ドル台から40ドルまで急落したあと上昇しているが、今後70〜90ドルの適正価格水準まで緩やかに上昇して70〜80ドルに向かうとか。アメリカのシェールガスの損益分岐点は60〜70ドルだけど、技術革新が進んでいて、原油価格にも影響を与えているようだ。
中国版グリーンニューディール政策で現在23基が稼働する原発を56基まで増設し、また再生可能エネルギーを2050年までに電源構成50%まで高める中国の政策が紹介された。
日本は経済水域の広さでは世界で6番目の大国なので、海の周辺にメタンハイドレード資源が存在するし、海のエネルギーを活用した海洋発電システムの期待もある。とにかく日本はエネルギー自給率を高めなくてはならない。
日本のこれからの成長分野として4K産業をあげられた。すなわち環境産業、健康産業、観光産業、科学技術関連産業だ。日本が得意とするこれらの分野に将来の大きなチャンスがあるという展望で話を締めくくられた。将来展望の明るい講演を聴いて、気持ちよく会場を後にした。