他国の文化を真に理解することは難しいものだ。イルカの入手方法を巡って和歌山県太地町の追い込み漁は非人道的(?)で倫理規範違反だとして日本動物水族館協会の会員資格を停止し、今日21日までに改善策をとらないと除名すると世界動物園水族館協会から通告されていた。それに対して日本動物水族館協会は会員の意思を集約する投票を実施したところ世界協会への残留希望99票、離脱希望43票だったので残留を決めたようだ。その結果、追い込み漁で捕獲されたイルカは購入できなくなった。
イルカや鯨に対する欧米諸国の感情移入には異常さを感じている。シーシェパードやグリーンピースの感情的で過激な発言や行動も僕には理解できないし、他国の食文化や伝統を否定するやり方に辟易する。あまりに感情的すぎる言動で他国の文化を否定されると相互理解は不可能なのかと絶望してしまいそうだ。今回の世界動物園水族館協会の論理と行動にも強く異常さを感じる。
僕は動物園や水族館が嫌いなわけではない。海外を旅した時はむしろ機会を見つけて好んで訪れる。サンディエゴのSea WorldやSan Diego ZooやWild Animal Parkなど楽しい思い出も残っているけど、動物たちの哀しそうな眼光にうろたえ、人間のエゴで動物たちを狭い空間に閉じ込めてしまっていることの後ろめたさ、ペーソス、哀愁で息苦しくなってしまう。動物園や水族館の存在そのものが動物たちと共存する地球では非人道的で倫理規範に反しているのだ。
他国の長い歴史のある伝統漁法を批判するよりも、動物たちと共存することの本質を論じた方がいいのではないだろうか。