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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】109 西陣織の美しさを世界に広めたい 1324

2021-08-16 05:46:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】109 西陣織の美しさを世界に広めたい 1324

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 西陣織の美しさを世界に広めたい 1324


 岡本織物(京都府)は西陣織の正絹金襴の製造・販売会社だ。8人の従業員全員が親族で職人の家内制手工業で、明治期に現社長の曽祖父が職人として西陣織を始め、1988(昭和63)年に株式会社にした。製品の西陣織金襴は寺社仏閣で宝物を飾る布やお坊さんの袈裟などに使われているが、自社オンラインショップで西陣織のマスクや布地、小物も販売している。

 新型コロナ感染症の影響は同社でも大きかった。2020年春以降、得意先で予定されていた法要が無くなるなど注文が大幅に変更となってしまったのだ。ピンチだったが、政府が「アベノマスク」を配るというニュースを見て、マスクの供給が少ない今がチャンスだと考え、同年年4月1日から西陣織マスクを製作した。自社のオンラインショップで販売したら月100万円ほどの売り上げになった。11月には大阪府の百貨店・大丸梅田店の催事にも初出店し、定価14,800円の最高級マスクを40枚近く売った。状況に応じて自在に製品を織れる職人の技術があったし、マスク製造から販売まで、社内の意思決定が迅速にできたからだ。

 「もちろん課題も少なくない」と同社の岡本圭司社長の妻で専務の岡本絵麻さんは話す。同社の職人は70代後半から40代、高齢化は否めない。後継者をどう育てるか。織機・道具の老朽化もある。社内で使っているパソコンも最新型ではないから、模様デザインソフトがパソコンのOSに対応できないなどの問題が発生する。商品の撮影はレンタルスタジオで行っているが、借料が高価すぎるのも悩みだ。商品は絹製品で水分や湿気に弱いから、台風や洪水など近年相次いでいる自然災害も脅威だ。こうした課題に対応が追い付いていないのが現状だ。

 それでも職人たちが何日もかけて織り出す文様は、吉祥文様あり雪の結晶ありと多種多様で、金糸銀糸を織り込んだ布は美しい色合いだ。岡本専務は「いまはコロナ禍もあり、西陣織のような質の高い良いモノづくりは地盤沈下しているようにみえるが、需要は確実にある」と見る。「インスタグラムなどSNS上で発信するなど上手くPRして、Web上で綺麗な画像をアップすれば注文数を増やすことができるだろう」と意気軒高だ。そのうえで「いまは国内市場だけだが、いずれは自社製品を世界の市場で販売したい」とも話す。日本が誇る伝統工芸品である西陣織金襴の美しさを、新しいデザインと商品群で世界に広めたいという夢があるからだ。その第一歩としてオンライン展示会の開催を準備中という。

 

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 

 
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