椿(ツバキ科)花言葉は、気取らない優美さ。常緑高木で、北海道を除く日本全土に広く分布しているが、特に海岸寄に多く自生している。花は紅色の五弁が基準だが八重もあり、花弁の肉厚く、鮮紅、白、紅白絞りなどさあざま。「乙女椿」はピンクの八重咲き、「玉椿」は美称。椿は室町時代から長い栽培の歴史があり、現在600種にも達する。伊豆大島全土に椿が茂り、種子から椿油を採っている。関西の寺院には名木が多い。「浦々の浪よけ椿咲きにけり 一茶」「赤い椿白い椿と落ちにけり 河東碧梧桐」「ゆらぎ見ゆ百の椿が三百に 高浜虚子」「花びらの肉やはらかに落椿 飯田蛇忽」「竹外に一枝は霜の山椿 水原秋桜子」「ことごとく咲いて葉乏し八重椿 鈴木花蓑」「みんなみの海湧立てり椿山 松本たかし」「火の独楽を廻して椿瀬を流し 野見山朱鳥」「仰向きに椿の下を通りけり 池内たけし」「雪を著て白玉椿隠れなし 橋本鶏二」。同属は藪椿、山椿、紅椿、乙女椿、玉椿、八重椿、落椿、島椿。(類多く 全てを観れぬ 椿悲しき ケイスケ)