ハマボウ(セリ科の多年草。海岸の砂地に自生しているハマボウフウのこと。栽培もされてい。野生のものは根が砂中に深く伸びていて、砂を掻きわけると白い地下茎があり、地上茎は短く砂上に出る。厚く光沢のある葉は砂の上に広がり、夏、茎の頂に白い小花が半球状に密集しゅうして咲く。春先に出る芹に似た若葉は」紅色葉柄をもって美しく、辛味があって香り髙いので刺身のつま、酢ものなどに用いる。中国、朝鮮半島などに分布する薬用のボウフラとは別種。「防風や花に捲く日の浜遊び 守渓」「風強し摘まんとはまに出る 高浜虚子」「潮の香のを強し防風摘む 大橋越央子」「美しき砂をこぼしぬ防風籠 富安風生」「防風掘しだいに友を置きざりに 菊池恒子」「こよいなきは浜防風の茎のいろ 岸原青行」{防風を摘んで岬の端を見る 星野高士」「防風掘る砂の中まで日の匂ひ 和泉梅里」{ふりむけば地中水平防風つむ 熊沢三太郎」「掘串をも籠を持たず防風掘る 平田冬か」「破船までつずく風防風摘む 池内けい吾」「見せるため浜防風を一掴み 森野 稔」「嫁ぐ娘とひたすらに摘む浜防風 佐藤信子」「つく膝は砂に沈みて防風掘る 村山葉子」。(集魚昼は夏日を集めをリ 小野瑞枝:虫の夜やすこやかな地の息ずかひ 謙治)