朝顔(ヒルガオ科)ヒルガオ科ヒルガオ属の多年草。花言葉はやさしい愛情」日本、朝鮮半島、中国に分布し、明るい草原に生える。蔓性で他のものに巻き、六、七月頃、葉腋に直径五センチ程度の淡紅色の花をつける。都会の空地にも生え、金網にからみ可憐な花を咲かせるが、気にとめる人もなく、どこか寂しげである。「昼顔に米搗き涼むあはれなり 芭蕉」{子どもらよ昼顔咲きぬ爪むかん 芭蕉」「昼顔や魚過ぎたる浜の道 桃妖」「昼顔や夏山伏の峰伝ひ 支考」「昼がほや子お運ぶ鼠垣根より 召波」「昼顔や夏山伏の峰伝ひ 支考」「昼顔や子を運ぶ鼠垣根より 召波」「昼顔や夏山伏の峰伝ひ 支考」「昼がほや子を運ぶ鼠垣根より 召波」「昼顔がほや煩ふ牛のまくらもと 蕪村」「昼顔や行く人絶えし野のいきれ 凡兆」「とうふ屋が来る昼魁が咲きにけり 一茶」「ひるがほに一息つくや米飛脚 蒼虹」「ひるがほを踏みて眺めぬ塩屋埼 前田普羅」「昼顔のほとりによれの渚あり 石田波郷」「昼顔や流浪はわれにゆるされず 鈴木真砂女」「昼がほに電流かよゐはせぬか 三橋鷹女」「昼顔のあはれは途方に暮るる色 飯島晴子」「昼顔や渋民村に家少し 雨山 實」「昼顔の揺れかく揺れわれは昼顔 阿部完市」「昼顔の見えるひるすぎぽるとがる 加藤祐乎」「昼顔や捨てらるるまで楊痩せて福永耕二」「昼顔や捨てらるるまで曜痩せて 福永耕二」{きさかたのひるがほ紅をしぼりけり 黒田杏子」「わが痩せの極まり昼顔の丘 永島靖子」「昼顔なさすらいやまぬ足がある 鳴戸奈菜」。昼顔はやさしい花よあかるくて 謙治。
朝顔;ヒルガオ科の蔓性一年草。原種は熱帯アジアとされ、ネパールで原種が発見されている。日本へは1000年以上前薬草として中国から渡来し、花が美しいので観賞されるようになつた。広く栽培されるようになつのは江戸時代である。晩夏から秋にかけて、巻蔓が支柱や垣根に絡んで伸び、早朝、漏斗状の花を開き、昼にはしぼむ。旧暦の七夕の頃の花と言われ、牽牛の別名を持つ。「御簾の外や朝がほに自脈とる女 言水」「朝顔に我は飯くふ男かな 芭蕉」「あさがほや昼は錠降ろす門の垣 芭蕉」「あさがほや夜は葎のばくち宿 去来」「看径の間を朝顔のさかりなり 許六」「朝顔に釣瓶とられてもらひ水 千代女」「朝顔も実勝ちになりぬ破れ垣 太祇」「朝がほや一輪深き淵のいろ 蕪村」「朝がほや日髭も薄浅黄 召波」「朝顔や島原萼のものどり道 凡蝶」「朝児や露もこぼさず咲きならぶ 茎良」「朝顔の垣っや上野の山から 正岡子規」「朝顔や濁り初めた市の空 杉田久女」「朝顔や百たび訪は母死なむ 永田耕衣」「朝顔の的と紺ばかりかな 石塚友二」「朝顔やひとはひとつの顔に老い 加藤楸邨」「朝顔の紺のかなたの月日かな 石田波郷」「爪立ちて生く朝顔白ばかり 千代田葛彦」「戦没の霊あり余る野朝顔 伊丹三樹彦」「学校が好き朝顔に水をやる 津田清子」「朝顔も終わりし路地の雨さみし 菖蒲あや」「朝顔が日ごと小さし父母訪はな 鍵和田柚子」「次女に生まれて朝顔の紺がすき 渡辺恭子」「朝顔のふるへる水をかけにけり 今瀬剛一」「朝顔にのぞかれガばとはな起きぬ 吹田狐蓮」「朝顔やきのうはふは深き淵を見て 永島靖子」「あさがほや奈落のふちのやわらかく 正木ゆう子」「暫くはこの朝顔の団十郎 中川須美子」「朝顔ののぼりつめたる苦界かな 鳥羽三郎」「馬過ぎて朝顔ひとつ大きかり 菅原闘也」「箱に咲く朝顔銀座裏通り 松尾隆信」「朝顔を簾に這わせ谷中なる 山中宇田子」「朝茶事の朝顔市一花団十郎 斎藤小夜」「朝顔やパン生捏ねて餅つき機 大沢秀子」「朝顔の海の深さや命とは 永井喜久司」「あさがほの二葉にうくるあつさかな 去来」「あさがほの二葉にうくるあつさかな 去来」「朝顔の双葉のどこか濡れゐたる 高野素十」「生徒五人朝顔苗を五本植う 向笠和子」。(朝顔や昨日の花の枯れ添へる 小野瑞枝;一雨後の涼しき蝉の高音にも 謙治」。