心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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朝に

2013年07月06日 | ほんのすこし
遠くの稜線がかすみ うっすらと赤みを帯びていく。稜線にかかる横並びの厚い雲がグレーのふかふかなじゅうたんを思わせる。少しずつ顔をのぞかせていく 朝がそこで息をしている。
カーテンの隙間から差し込むわずかな光でさえ これから始まる朝のまばゆさを知らしめてくれるには十分すぎるほどだ。6月、朝はあまりにも早くからやってくる。何しているんだ?もうすでに一日は始まっているだろ?という声が耳元で聞こえそうなほど 朝が早くやってくる。

体内時計はまだ眠りを欲しているのか・・・だるさを感じながら そそくさと身支度を整える。最後に羽織るウィンドブレーカーはLサイズ、余裕を持たせて着込む。キュッとウェストポーチを締め、スマホと汗ふきとティッシュを入れ 出発する。ICレコーダーをウィンドブレーカーのポケットに入れ 今はニッキ・パロットの『思い出のパリ』を聞きながら歩くことにはまっている。玄関を出る前から聞き始めると ちょうど乗ってきたあたりで「セ・シ・ボン」がかかる。少し図太い歌いだしがなんとも心地よい。歩く足取りも心なしか強くなる。

朝 5時。すれ違う人はあまりいない。自分だけがこの世界を独り占めしている気分になる。これもまたこれでいい時間だ。部屋でゆったりと珈琲を飲みながら新聞を読んだりする朝の時間もいいが、歩き始めるとこっちの方が新鮮だ。第一 空気が美味しい。朝の美味しい空気を吸いながら 昨日までの自分のどろどろしたものを入れ替えている気分すらしてくる。歩くというのは なんと良いものだろう・・・と思う。ついでに体重がダウンしてくれたら さらにいいだろうけど(笑)

5時過ぎの町は 動くものもなく、時折 鳥が頭上をはばたいていく。町中はカラスが顔を見せる。餌を求めてさまよっているのだろう。足元では雀が何やら口にくわえ ちょんちょんと両足飛びで急ぐ。わたしの姿を見つけるとスピードが増す。警戒しなくていいのに・・・危害は加えないよ と心でつぶやく。生き物を見た安心感がふと漂う。誰ともすれ違わない朝、わたしと雀とカラスだけがいる世界。そのうち犬の散歩をしている人とでも出会うだろうが。今 この瞬間はこの3つの生命体だけが ここにいる。どれも命を持って存在しているのだ。今日一日を生き延びるために わたしたちはここにいる。


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