心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
マウス画・絵及び文章の著作権は このブログ作者(けい)にあります。

ハート型の痣(あざ)

2017年03月11日 | 母のこと
昨日、母が。
ソファに座りコタツにリメイクしようとしていた洋服を広げていると、急に思い出したように言った。
「ほら、これこれ」
自分の左手を見せている。
「どうしたの? またどこかにぶつけたんでしょ」と言うと
「そうなんだよ。でもどこでぶつけたかわからなかったんだよ。痛い!って思ったらついていて。で、思いついてぶつけたところを右と左にのばしたらハートになるんじゃないかってね」

・・・ って、あなたそれはないでしょ。
痛い! って思った瞬間にそこをこすると少し痛みが和らぐから母はときどき患部をこする。でもこするとぶつけたところの皮膚が薄いのですぐ血が広がっていくのがわかる。
それを思いだし、右上と左上にこすってみたという話なのだ。

かすかにそのときの名残の跡がわかる。
これがハートの形だと言われればそうかなとも思える。

「やったときはもっとハートだったんだけどね~」と苦笑いする母。
「痛いのにそんなことして」と苦笑いするわたし。

ちょっとしたことで体中にあざができてしまう母は、とんでもないことでつくことがある。本人もまさかあざになるなんて思ってもいないときに、だ。だんだん皮膚が薄くなっている証拠。
だから熱いものや冷たいものを持つと、今まで以上にその温度を感じてしまう。前は持って歩けた湯飲み茶わんも持って歩くのが大変そうで、わたしがいるときはわたしがさっと持つ。よく見ると湯飲み茶碗には最上部までたっぷりお茶が入っている。何もこんなに入れなくても、持ちにくいだろうにと思うけど、本人に言わせれば何度もお茶を入れるために歩かなくてもいいから、だそうだ。歩くのが大変だからそれもそうかと思うけど。

両手が不自由(リュウマチで両手首が変形)ではあるけれど、長年やってきた縫い物はどうしてもやりたいらしい。わたしがあげた服がどうしても赤すぎてこのままだど着ることができないとベストにリメイクしようと悪戦苦闘。前日はわたしにミシンを用意させ、糸通しをさせ、縫っていた。昨日はミシンを寄せて手縫い。アームホールなどの曲線部分はやはり手縫いでないと無理だろうと一針一針かなりの時間をかけていた。
「もう、いつになったら出来るかわからないよ!」と諦めかけた声。
「止めるの?」と言うと
「いや、休憩。いつになるかわからないけど何度も直して作るよ」と答えた。

母は何度も試着をし、納得がいくまでやり通す。出来上がったかと思って帰ると次の日行けばまた最初からやり直しをしていた、なんてことが結構ある。一つの物を完成するまで何度も試行錯誤する。
こちらが呆れるほどの粘り強さだ。それが母に言わせれば退屈でなくて楽しいのだそうだ。わたしなんかはさっさとどうでもいいから(笑)仕上げて別のことをしたくなるのだけど。
これはほんとに見習わなくてはならない部分だと思う。

それにしてもあざをわざわざハート型にするなんてこと、母でなくては考えつかないなと思ったのだった♪


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2 コメント

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けいさんへ (りこ)
2017-03-15 22:00:32
さすが、お母様❣️
痛かったでしょうに…そのなかで、アザがハート形と思われる、お母様に女子力以上に活力を感じます。
凄いな〜私も見習わなくては。
もう最近、女子であることすら忘れがちな私です(笑)
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りこさんへ (けい)
2017-03-16 06:53:18
なんかね、辛いこととかあっても母は自分でなんとか明るい方に向こうとするんですよ。
過去にも本当に色々あって・・・
ここでは語れないような重大なこととかもあって。
そういうことを乗り越えてきて今があるんだなあって、尊敬しています。
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