ビリヤードキュースティックの
ジョイント・プロテクターは、
樹脂製のネジが一番良いように
思います。
木製カスタムのプロテクターなど
でも、金属ネジよりも樹脂のネジ
を使用するほうがキューには良い
ように思える。
ちなみに、プールキューのジョイ
ントネジは世界的にインチサイズ
です。
国産のメーカーはウエイトボルト
などはメートル法のネジを使った
りしていますが、ジョイントは基
本的にインチ。
アメリカ製はオールインチです。
重量もオンス表示。
553グラムが19.5オンスですが、
ボウリングの玉と同じで、米国
表記のほうが私もピンときます。
でも、業務販売等でオンス表記
のみだと尺貫法違反で摘発対象
となるので、日本ではグラム表
記を業者はしています。
日本刀の表記も同じで、尺寸分
で表現したほうが分かりやすい
のですが、それのみは違法にな
る。メートル法での明記が必須
となります。
70センチメートルが二尺三寸一分。
では、インチサイズのネジはどう
表記するのか。
これは表記規格があるのですが、
昔から工業界では馴染みの2分5厘
などとしたら今はダメで、5/16、
18山等の表記にしているようです。
5/16というのは呼びの事で、18山
というのは1インチ長さの山数の事
です。芯径はほぼM8。
米国式ビリヤードキューは一本物
から二分割連結構造にされた当初、
18山のネジが多く使われていまし
た。その後、ピッチの広い14山が
カスタムメーカーによって1960年
代に採用されて、それが現在まで
続く米国での主流になりました。
今では18山を使うのは、メウチや
TADなどごく僅かのメーカーのみ
になっています。
私の場合、18山が一番好きで、
手持ちの多くのキューは18山の物
です。
日本でもかつてはアダムも三木も
石垣もアダチも18山が主体でした
が、今は14山を主流として多くの
別なオリジナルネジを採用してい
ます。
18山は、今はハウスキュー等に多
いのですが、昔はカスタムもハウ
スキューも18山がスタンダードだっ
たのです。
なお、ジョイントピン=ネジの
種類によるキューの撞球性能の
差異はありません。
ネジそのものよりも、衝撃を受
けるジョイントリングや繋ぎの
構造により打感や振動振幅の差
異が発生します。
それらを木材素材とのマッチング
で目指す特性に持って行くのが
キュー製作者の知見と技術になっ
て来ます。
ネジは連結させるための役割を
担い、打球性能には関与しない。
極論を言えばネジなどはどのネジ
であっても密着して連結できれば
違いは無い。
違いが出てくるのは、連結部の
周辺構造と材質によります。
あくまで私見ですが、アメリカで
18山から14山が主流になったの
は、回す回数が少ないから面倒
がりのアメリカ人受けした為だと
思いますよ。
その後出た大ネジやクイックリリ
ースなどもその発想の流れにある
と思う。
まるでシルクの細糸巻きのような
細かいピッチで何度もずっとクル
クル回さないと締め込みができな
い18山は、手間の観点から感覚的
にアメリカンには敬遠されたので
は、と踏んでます。
私は18山の細かいピッチ山のネジ
をしっかり締め込むのを好みます。
何てのか日本人的な感性の部分で。
袴を定法通りきちんと折り畳んだ
り、着用する時のような心持ちの
感じで。