
当たり前ですが、勝って歓喜に包まれる者もいれば、その裏には必ず敗れる者もいる。
これまで幾度となく敗れ、地獄を見てきた私であるからか、試合後、戦いに敗れた方々から言葉を求められることがあります。
先日も家族で真剣勝負をしてきて敗れた方々とこんな話をしました。
決っして上から目線で話をしたわけではないのですが、
あなたは本当に幸せじゃないか
と。
子供は、親に勧められるがままいつしか柔の道を志し、来る日も来る日も練習に明け暮れてくれた。
雨の日も風の日も、時には友達の誘いもあったろうに、文句一つ言うことなく、当たり前に一生懸命練習に励んでくれた。
そんな子供が全力で試合に挑んで敗れ、試合に負けて申し訳ない、恩返し出来なくてゴメンと泣き崩れている。
試合には敗れはしたが、途中で道を外すことなく、しっかりと感謝の気持ちを持った人間に成長してるではないか。
だから、あなたは幸せだ。
あなたは努力と苦労を重ね、子供を立派に成長させた。
あなたはたいしたものだ。
幸せ者だ。
今こそ、「よく頑張ったな。ありがとう。」と声をかけてやろう。
と自分にも言い聞かせるよう話をさせて貰った。
何をもって勝者か、何をもって敗者か。
今は悔しい気持ちがあって当然。
しばらくの間、傷が癒えないのも百も承知。
しかし、必ず、あの時があって今がある。自分は幸せ者だったんだなと思う日がやってくる。
常に前を向いて歩いて行くのは辛いことだけど、そんな時は、仲間と愚痴りながら、傷を舐め合いながら歩いて行けばいいのよ。
今は辛い。本当辛い。
でも、子供はもっと悔しい思いをしていることを忘れてはならないのかなと。
お互い、踏ん張って行きましょう。