誰だって理想というものはあって、それを追い求めるのは良いことだと思う。
ただ、率いる立場となれば、理想と現実との違いを一早く察知して、軌道修正していく柔軟性が必要になってくる。
そうじゃないと下の者を巻き込んでしまう。
家族を率いる立場となれば親。
子を授かれば、親としての理想が出来る。
あ〜して、こ〜して、あ〜なって、こ〜なってくれればいいなという理想。
理想と現実に無理がないか、親の理想で子を苦しめていないかを確認しながら軌道修正しなががら導いていく。
道場であれば率いるのは指導者。
家族とは違い、各々理想や常識の違いがあって難しい。
我が子やOBOGから将来、指導者になる者も出てくるでしょう。
そんな者達へ先輩から一言。
指揮官は理想と現実の違いでボコボコになった輪をいかにして丸い円形にしていくかが求められる。
まん丸の輪になんかなるわけがないと思っていた方がいいし、見せかけの輪なんて直ぐ崩れるので慌てて作らない方がいい。
現実を見つめながら、お互いが譲歩しながら円形にしていくしかないし、同じ方向を向いて歩いて行くうちに丸くなってくる場合もある。
しかし、常に諸問題からは目を逸らしてはいけない。時に放置もいいが、議論する勇気も必要。諸問題から逃げて良くなる事はない。
また、指揮官は、常に正義は自分にあると思ってはいけない。
自分の理想が常に正義だとは限らず、間違いを受け入れる器を持ってないといけない。
理想を追い求めるあまりに周囲を見渡せなくなると下の者はついて来ない。
いや、ついて行けないと判断出来る者はそれでいいが、判断出来ない者は共倒れになる。
こうなってしまったら目も当てられない。
舵取りは、自分は勿論、下の者も浮上させなければならない。沈没してはならない。
バックボーンは大事。
誇ったらいいし、糧にすればいい。
でも、時代も変われば人も変わる。
その時々、対応出来る柔軟性を持とう。
導きを指し示すから指導者。
本当に重責。
その重責を理解し、理想と現実を見極める柔軟性、使命感をもってあたって欲しいと思う。
あらためて自分にも言い聞かそう。