585)がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法(その3):がん幹細胞とアルデヒド脱水素酵素と断酒薬ジスルフィラム

図:(上)がん組織は様々な性質のがん細胞から構成されている。抗がん剤投与によって多くのがん細胞は死滅するが、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)を発現しているがん細胞(図中でALDHと記載)は抗がん剤に耐性を示して生き残る(①)。さらに抗がん剤を投与しても、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)の発現の高いがん細胞は抗がん剤に耐性を示すので、抗がん剤治療に生き残って増殖する。増殖したがん細胞はアルデヒド脱水素酵素陽性がん細胞(ALDH)の割合が増え、さらに抗がん剤耐性が増強される(②)。
(下)ジスルフィラムを経口摂取すると、消化管内および血液内で1分子のジスルフィラムは2分子のジエチルジチオカルバミン酸(diethyldithiocarbamate)に変換される(③)。ジエチルジチオカルバミン酸は、さらにジエチルチオカルバミン酸メチルエステル・スルホキシド(diethylthiocarbamic acid methyl ester sulfoxide)に代謝される(④)。ジエチルチオカルバミン酸メチルエステル・スルホキシドは、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)の酵素活性部位のシステインのスルフヒドリル基(-SH)と反応してALDHに結合し、ALDHの酵素活性を阻害する(⑤)。

585)がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法(その3):がん幹細胞とアルデヒド脱水素酵素と断酒薬ジスルフィラム

【がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法は多数ある】
がん研究では、「がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法」は重要な領域であり、基礎研究や臨床試験で多くの研究結果が報告されています。「抗がん剤感受性を高める」というのは抗がん剤の効き目を高める方法です。
単純に抗がん剤治療だけを実施しても、その効果には限界があります。一般的に、固形がんに対しては抗がん剤だけではがん細胞を消滅できません。
さらに、抗がん剤を使い続けていると、いつか効かなくなるときが来ます。がん細胞がその抗がん剤に耐性を獲得するためです。
例えば肺腺がんで分子標的薬のチロシンキナーゼ阻害剤(イレッサ、タルセバなど)が効いても、多くは10から14ヶ月程度で効かなくなります。通常の殺細胞作用を持った抗がん剤治療も、数ヶ月から1年もすれば効かなくなってきます。
がん細胞が抗がん剤でダメージを受けると、いろんなメカニズムを使って生き残る手段を獲得してきます。
抗がん剤を細胞の外に排出するポンプの作用を持つ蛋白質の合成を増加させたり、抗がん剤を不活化させる物質や薬の目標になる蛋白質を増産させて薬剤の作用を妨害します。抗がん剤の攻撃目標がDNAであれば、DNA修復を促進することにより細胞死を阻止しようとします。
多くの抗がん剤は細胞のアポトーシスを引き起こすことによって効果を発揮します。細胞には自ら細胞死を実行するプログラムが内在しており、細胞が傷付くとこのプログラムによって死にます。この細胞死をアポトーシスといいます。がん細胞はいろんな機序によってアポトーシスに対する抵抗性を獲得していきます。細胞死が起きにくくなるというアポト−シス耐性の獲得も抗がん剤耐性の重要なメカニズムです。 

図:がん細胞は様々なメカニズムで抗がん剤の効き目を弱めている。例えば、抗がん剤の分解や代謝による不活性化の促進(①)、排出ポンプを増やして抗がん剤を細胞外への排出の促進(②)、抗がん剤のターゲット分子の増産(③)、アポトーシスに抵抗性になるBcl-2サブファミリーのタンパク質を増やしたり、アポトーシスを誘導するBaxサブファミリーの活性を抑制して細胞死に対する抵抗性の獲得(④)、ダメージを受けたDNAなど細胞成分の修復の促進(⑤)、など多くのメカニズムが知られている。 

アルデヒド脱水素酵素が抗がん剤抵抗性に関与していることが多くの研究で明らかになっています。
マウスにがん細胞を移植する実験で、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)の発現が陽性の肺がん細胞は、ALDHが陰性の(発現していない)肺がん細胞に比べて、腫瘍形成能が100倍以上という実験結果が報告されています。
ヒトの肺がん細胞での検討でも、肺がん組織のALDHの発現の多い肺がん患者はALDHの発現が少ない肺がん患者よりも予後が悪い(生存期間が短い)と言う報告が複数あります。
したがって、がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法としてALDHの阻害が注目されています。

【がん幹細胞のマーカーのアルデヒド脱水素酵素はシスプラチン耐性に関与する】
がん幹細胞(cancer stem cell)は腫瘍始原細胞(tumor initiating cell)とも呼ばれ、がん細胞を生み出すもとになる細胞であり、がん組織中に少数(数%程度)存在しています。通常の抗がん剤治療や放射線治療に対して、成熟したがん細胞は死滅しやすいのですが、がん幹細胞は様々な機序で抵抗性を示します。

 

図:がん組織にはがん幹細胞 (cancer stem cells)と呼ばれる細胞が存在して、通常のがん細胞(成熟がん細胞)を供給しながらがん組織を構成している。がん幹細胞は自己複製を行う一方、不均等分裂により一部が自己複製のサイクルから逸脱して分化し通常のがん細胞となっている。成熟がん細胞は抗がん剤や放射線で死滅しやすいが、がん幹細胞は死滅しにくいので抗がん剤治療や放射線治療で生き残る。がん幹細胞は腫瘍形成能を持つので、生き残ったがん幹細胞が増殖して再発や再燃が起こる。治療を繰り返すと治療抵抗性のがん幹細胞が増え、治療抵抗性が亢進する。がん幹細胞がアポトーシス抵抗性になっているメカニズムを阻害すれば抗がん剤や放射線治療の効果を高めることができる。

がん幹細胞が生き残れば、がんはいずれ再燃・再発しますので、がん幹細胞の放射線感受性や抗がん剤感受性を高める方法の開発が重要と考えられています。その方法の一つとしてアルデヒド脱水素酵素阻害剤が注目されています。
アルデヒド脱水素酵素はがん幹細胞に多く発現し、この酵素の発現が多いがんほど増殖が早く予後が悪いことが報告されています。
アルデヒド脱水素酵素はがん幹細胞に多く発現し、がん幹細胞のマーカーとして使用されています。このアルデヒド脱水素酵素が抗がん剤のシスプラチン耐性に重要な働きをしていることが複数の研究で示されています。以下のような論文があります。

Targeting the cancer stem cell marker, aldehyde dehydrogenase 1, to circumvent cisplatin resistance in NSCLC(非小細胞性肺がんにおけるシスプラチン耐性を克服するために、がん幹細胞マーカーであるアルデヒド脱水素酵素1を標的とする)Oncotarget. 2017 Sep 22; 8(42): 72544–72563.

【要旨】
非小細胞肺がんはがん死の多くを占め、治療奏功率が低く、予後は一般的に不良である。分子標的薬で治療が可能な特異的な突然変異が存在しない場合、シスプラチンをベースにした抗がん剤治療が、この疾患の治療において重要な役割を果たす。
しかしながら、がん細胞がシスプラチンに耐性を獲得することが、この細胞傷害性薬物の使用において主要な治療上の課題となっている。この薬剤耐性のメカニズムを解明することは、非小細胞性肺がん患者におけるシスプラチンに対する感受性を高める新規薬剤の開発をもたらす可能性がある。
この研究では、非小細胞性肺がんの抗がん剤抵抗性を克服する方法として、がん幹細胞におけるアルデヒド脱水素酵素1(ALDH1)の活性をターゲットすることを検討した。
非小細胞性肺がん患者由来の腫瘍は、多くの多能性幹細胞関連遺伝子の発現増加を認めた。シスプラチンの投与は、シスプラチン感受性および耐性の非小細胞性肺がん細胞株において、ALDH1陽性のがん細胞集団の出現または増大を誘導し、シスプラチン耐性をさらに高めた
AldefluorアッセイおよびFACS分析を用いて、ALDH1陽性細胞を単離し、幹細胞特性に関して解析した。 ALDH1陽性細胞のみが、不均等分裂、シスプラチン耐性およびin vitroでの幹細胞因子の発現の増加を示した。
NOD / SCIDマウスにおける異種移植実験では、少数のALDH1陽性がん細胞集団およびALDH1陰性がん細胞集団から効率的な腫瘍形成を示した。
ジエチルアミノベンズアルデヒドあるいはジスルフィラムでALDH1を阻害すると、シスプラチン抵抗性の肺がん細胞がシスプラチンの細胞傷害作用に感受性を示すようになった
以上の結果は、肺がんのがん幹細胞集団の存在を実証し、シスプラチンの細胞傷害効果に対する非小細胞性肺がん細胞の感受性を高める治療戦略としてのALDH1の阻害の有効性を示唆している。

シスプラチン(cisplatin : CDDP)は白金錯体に分類される抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)です。2つの塩素原子部位でDNAと結合するため、DNA鎖内に架橋が形成され、DNA複製を阻害し、細胞分裂しているがん細胞および正常細胞を死滅させます。
シスプラチンは1978年に米国とカナダで承認され、日本は1983年に承認されています。多くの固形がんの治療に使用され、効き目は高いのですが、その作用機序から副作用が強いのも特徴です。
シスプラチンで治療していると、ほぼ確実にシスプラチン耐性のがん細胞が出現し、シスプラチンはいずれ効かなくなります。この抗がん剤シスプラチン耐性のメカニズムを阻止すれば、シスプラチンの抗腫瘍効果を継続できます。
この論文では、シスプラチン感受性および耐性の非小細胞性肺がん細胞株において、シスプラチンの投与はアルデヒド脱水素酵素(ALDH1)の発現の高いがん細胞集団の出現または増大を誘導し、シスプラチン耐性をさらに高める結果が報告されています。
つまり、ALDH1を発現している肺がん細胞はシスプラチンに耐性の性質を持つので、ALDH1陽性細胞が選択的に増え、シスプラチンがさらに効きにくくなるという現象が起こることを指摘しています。
シスプラチン投与がシスプラチン耐性細胞を増やし、シスプラチン耐性細胞はALDH1の発現が亢進しているということです(下図)。

図:がん組織は様々な性状のがん細胞から構成されている。シスプラチンを投与すると、多くのがん細胞は死滅するが、アルデヒド脱水素酵素1(ALDH1)を発現しているがん細胞(図中でALDH1と記載)はシスプラチンに耐性を示して生き残る。さらにシスプラチンを投与しても、アルデヒド脱水素酵素1(ALDH1)の発現の高いがん細胞はシスプラチンに耐性を示すので、シスプラチン治療に生き残って増殖する。増殖したがん細胞はアルデヒド脱水素酵素陽性がん細胞(ALDH1)の割合が増え、さらにシスプラチン耐性が増強される。

さらに、ALDH1陽性細胞はシスプラチン耐性だけでなく、不均等分裂や多能性幹細胞関連遺伝子の発現増加などがん幹細胞(Cancer Stem Cell)の性状を示すと報告しています。
がん幹細胞の維持に必要な遺伝子としてNANOG, OCT-4, SOX-2, KLF4 , C-MYCなどが知られています。

細胞を初期化してiPS細胞を作る時に導入されるいわゆる山中因子というのは、Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Mycの四つです。この4つはがん幹細胞の維持にも必要です。Nanog は多能性を安定化させる因子と見られています。このようながん幹細胞の性質維持が必要な遺伝子はALDH1陽性細胞に多く発現しているということです。
ALDH1(アルデヒド脱水素酵素1)はがん幹細胞のマーカーで、 ALDH1活性が高いがん細胞はがん幹細胞の性質を持っていることが多くの研究で明らかになっています。
がん幹細胞に特異的なマーカーとしてCD133やALDH1などがあります。
D133は細胞膜に局在する約100 KDa の5回膜貫通型のタンパク質で、がん幹細胞の同定や単離のための標的表面抗原として使われています。しかし、受容体なのか、接着分子なのか、その機能については依然として不明な点が多く残っています。
ALDH1はアルデヒド脱水素酵素1(aldehyde dehydrogenase 1)です。そこで、以下のように理解できます。
1)ALDH1活性が高いがん細胞はがん幹細胞の性質を持っている。ALDH1はがん幹細胞マーカーとして利用されている
2)シスプラチン耐性の非小細胞性肺がんではALDH1活性が高い。ALDH1活性が高い肺がん細胞はシスプラチンに耐性になる
そこで、 ALDH1を阻害するジスルフィラムを投与すると、シスプラチン抵抗性の肺がん細胞がシスプラチンの細胞傷害作用に感受性を示すようになりました。
つまり、ALDH1を阻害するジスルフィラムはシスプラチン耐性を阻止することができるという結論です。
ジスルフィラムと抗がん剤を併用した臨床試験の結果が報告されています。以下のような報告があります。

A phase IIb trial assessing the addition of disulfiram to chemotherapy for the treatment of metastatic non-small cell lung cancer.(転移性非小細胞肺がんの治療のための化学療法へのジスルフィラムの併用を評価する第IIb相臨床試験。) Oncologist. 2015 Apr;20(4):366-7.

第II相臨床試験は、少数例の患者を対象に、有効性・安全性・薬物動態などの検討を行う試験です。探索的な前期第II相(IIa)と検証的な後期第II相(IIb)に分割することもあり、この論文の第IIb相臨床試験は有効性の検証を行って、第III相に続けるような臨床試験です。
非小細胞性肺がんの抗がん剤治療(シスプラチン+ビノレルビン)にジスルフィラムを併用する治療の安全性と有効性を評価するための第II相臨床試験を、多施設のランダム化二重盲検試験で実施しています。
新規に診断されたステージ4の非小細胞性肺がん患者40例が抗がん剤(シスプラチン+ビノレルビンで2サイクル以上)で治療を受けています。この40例のうち20例はジスルフィラム(1回40mgを1日3回)を服用しています。
生存期間の平均は、抗がん剤単独群が7.1ヶ月で、抗がん剤+ジスルフィラム併用群が10ヶ月でした。長期生存患者が2名いて、どちらもジスルフィラム併用群でした。ジスルフィラム併用による安全性には問題はありませんでした。
つまり、ステージ4の非小細胞性肺がんのシスプラチン+ビノレルビンの抗がん剤治療にジスルフィラムを併用すると、生存期間を延ばす効果があるという結果です

【アルデヒド脱水素酵素阻害剤のジスルフィラムはゲムシタビン耐性を阻止する】
アルデヒド脱水素酵素阻害剤のジスルフィラムが膵臓がんのゲムシタビン治療の効果を高める可能性が報告されています。以下のような報告があります。

Aldehyde dehydrogenase 1A1 confers intrinsic and acquired resistance to gemcitabine in human pancreatic adenocarcinoma MIA PaCa-2 cells(アルデヒド脱水素酵素1A1はヒト膵臓腺がん細胞MIA PaCa-2細胞のジェムシタビンに対する内在性に備わった耐性および獲得した耐性に関与する)Int J Oncol. 2012 Sep; 41(3): 855–861.

【要旨】
ゲムシタビン(Gemcitabine)は膵臓がんの抗がん剤治療に標準的に使用されているが、ゲムシタビンに対する耐性が治療の有効性を妨げている。
多くの種類のがんにおいて、アルデヒド脱水素酵素1A1の発現レベルと活性の亢進ががん幹細胞(Cancer stem cells)の重要な特性として知られている。
がん幹細胞の特徴の一つとして抗がん剤に対する耐性がある。本研究では、アルデヒド脱水素酵素1A1(ALDH1A1)の発現と活性の高いヒト膵臓がん細胞株(MIA PaCa-2細胞)における内因性のALDH1A1の発現レベルおよび活性とゲムシタビン(GEM)に対する抵抗性の関連について検討した。
低分子干渉RNA(small interfering RNA: siRNA)を用いてALDH1A1の活性を消失させ、GEM耐性におけるALDH1A1の関与を検討した。
低分子干渉RNAによってALDH1A1の発現と活性は顕著に低下し、細胞増殖が阻害された。
さらに、低分子干渉RNAによるALDH1A1のノックダウンとGEMの併用は、がん細胞の生存率を顕著に低下させ、アポトーシスによる細胞死を増やし、S期で細胞周期を停止した細胞を増加した。
GEN耐性でないMIA PaCa-2細胞株に比べて、GEM耐性のMIA PaCa-2細胞株では、ALDH1A1の発現量と活性が有意に亢進していた。
GEM耐性のMIA PaCa-2細胞株において、ALDH1A1のノックダウンとGEMの併用は細胞の生存率を顕著に低下させ、アポトーシス(細胞死)を増やした。
この結果は、細胞に本来備わった固有(intrinsic)のGEM耐性と獲得した(acquired)GEM耐性の両方においてALDH1A1の関与が重要であることを示唆している。
膵臓がんにGEM治療において、低分子干渉RNAによるALDH1A1のノックダウンとGEMの併用は、GEM耐性を克服する有効な治療法として、さらに研究を深める必要がある。

ゲムシタビン(Gemcitabine:GEM)はピリミジン代謝を阻害することによって抗がん作用を発揮します。
GEMは細胞内でゲムシタビン3リン酸(gemcitabine triphosphate: dFdCTP)に代謝されてDNAに取り込まれてDNA合成を阻害し、細胞死(アポトーシス)を誘導します。
進行した膵臓がんの抗がん剤治療でファーストラインの抗がん剤として単独あるいは他の抗がん剤と併用して使用されています。
しかし、膵臓がん細胞は内因性(intrinsic)あるいは獲得性(acquired)にGEMに耐性を持つことが治療効果を妨げています。
したがって、このような抗がん剤耐性を阻止できれば、膵臓がんに対する抗がん剤治療の有効性を高めることができます。
耐性獲得のメカニズムとしては、薬物の取込みや代謝、細胞死や増殖に関する遺伝子の変化(死滅しにくくなる)などがあります。
さらに、がん幹細胞はGEM耐性を有し、アルデヒド脱水素酵素1A1(ALDH1A1)活性が亢進しており、ALDH1A1活性を阻害すると、GEM耐性が阻止できることが報告されています。
GEMは細胞内で活性酸素種を増やしアポトーシスを促進します。したがって、活性酸素を消去するとGEMによる増殖抑制効果は低下します。
GEMの抗腫瘍効果に活性酸素種の産生亢進が関与しており、ALDH1A1は活性酸素の産生を減らすので、GEMの抗腫瘍効果を低下させることになります。
つまり、ALDH1A1の発現亢進は、GEMによって産生される活性酸素種を消去することによって、GEMの細胞毒性を低下させるというメカニズムが示唆されています。 

図:がん組織にはがん幹細胞が少数存在する。がん幹細胞は自己複製してがん幹細胞を維持すると同時に、成熟がん細胞を供給してがん組織を構成している。抗がん剤治療に対して、成熟がん細胞は死滅しやすいが、がん幹細胞は様々な機序で抵抗性を示す。がん幹細胞が生き残れば、がんは再燃・再発する。抗がん剤治療(ゲムシタビン)を繰り返すと、ゲムシタビンに抵抗性のがん幹細胞が生き残り、がん幹細胞が増えることによって、さらにゲムシタビン抵抗性が増強し、腫瘍は増大する。がん幹細胞が過剰に発現しているアルデヒド脱水素酵素を阻害するとがん幹細胞はゲムシタビンで死滅しやすくなり、がん組織を消滅できる。

ALDHには17種類のアイソフォームがあり、ALDH1A1はその一つです。
ALDH1A1は細胞内のアルデヒドを酸化することによって酸化ストレスを軽減します。
低分子干渉RNAや薬剤(ジスルフィラムなど)などでALDH1A1の発現や活性を阻害すると、がん細胞の抗がん剤感受性が亢進することが報告されています。
膵臓がん細胞をGEM存在下で長期間培養するとALDH1A1陽性の膵臓がん幹細胞が誘導されてくることが報告されています
ゲムシタビン耐性だけでなく、白金製剤やタキサン系の抗がん剤に耐性の卵巣がん、多剤耐性の胃がん細胞、シクロフォスファミド耐性のヒトがん細胞などでALDH1A1の発現亢進が報告されており、ALDH1A1は多くの種類のがん細胞における薬剤耐性の原因となっている可能性が示唆されています。
ALDH1A1は、乳がん、大腸がん、膵臓がん、肺がん、肝臓がん、卵巣がんなど多くの種類のがんにおいて、がん幹細胞のマーカーとして認められており、がん幹細胞において発現が亢進しています。そして、アポトーシス抵抗性や抗がん剤耐性の原因となっています。
ALDH1の発現が高いがんは予後不良であることが多くのがん種で報告されています。
膵臓がんだけでなく、抗がん剤治療一般において、ALDH1A1の阻害は、抗腫瘍効果を高める効果が期待できます。したがって、抗がん剤治療にALDH1A1の阻害剤であるジスルフィラムの併用は試してみる価値があります。

【アルデヒド脱水素酵素は酸化ストレスを軽減している】
アルデヒド脱水素酵素は、内因性および外因性のアルデヒド性物質をNAD(P)+-依存性酸化反応によって解毒する役割を担っています。
内因性のアルデヒドはアミノ酸やアルコールや脂肪酸やビタミンの代謝の過程で発生します。
外来性のアルデヒドは環境中の成分や薬物(タバコの煙、自動車の排気ガス、細胞毒性のある医薬品など)などから由来します。
アルデヒド脱水素酵素はこれらのアルデヒドを解毒する働きがあるのです。
ALDH1にはALDH1A1とALDH1A2とALDH1A3の3つのアイソタイプがあり、正常組織の組織幹細胞とがん組織のがん幹細胞のマーカーとして知られており、幹細胞における自己複製、分化、細胞保護に関与しています。
マウスやヒトの細胞を用いた研究では、とくにALDH1A1アイソタイプの過剰発現および活性亢進は、乳がん、肺がん、食道がん、大腸がん、胃がんなど多くのがん種で、がん患者の予後不良と密接に関連していることが明らかになっています。
20年以上前に、白血病などの造血器腫瘍で、ALDHの活性が高い細胞はアルキル化剤のシクロフォスファミドに抵抗性を示すことが報告され、その後、ALDHの活性が高いがん細胞は多くの抗がん剤や放射線照射に抵抗性になることが明らかになっています。ALDH1A1は細胞内のアルデヒドを酸化することによってがん細胞内の酸化ストレスを軽減しています。

【アルデヒド脱水素酵素はがん細胞のエネルギー代謝にも関与している】
以下のような報告があります。

Aldehyde dehydrogenase is used by cancer cells for energy metabolism.(アルデヒド脱水素酵素はがん細胞によってエネルギー代謝に使われる)Exp Mol Med. 2016 Nov 25;48(11):e272.

【要旨】
非小細胞性肺がんの組織サンプルを解析した結果、非小細胞性肺がん細胞は多種類のアルデヒド脱水素酵素(ALDH)アイソフォームを過剰に発現していることを明らかにした。
正常なヒト肺細胞IMR-90に比較して、非小細胞性肺がん細胞は多種類のALDHアイソザイムの発現量が多かった。
ALDHの酵素反応の結果、アルデヒドがカルボン酸に変換される反応の副産物としてNADHが産生される。
ALDHによって産生されるNADHが非小細胞性肺がんにおけるATP産生の重要なエネルギー源になるかもしれないと考えた。本研究では、ALDHによるNADH産生が非小細胞性肺がんのエネルギー(ATP)産生に大きく寄与していることを明らかにした。
さらに、ALDHの多くのアイソフォームの阻害剤であるGossypolは細胞内のATPレベルを低下させた。Gossypolとフェンホルミン(phenformin)は相乗的にATPレベルと低下させ、細胞周期を停止させ細胞死を誘導した。

アルデヒド脱水素酵素が作用するとNADHが産生されます。このNADHがATP産生の原料になるので、アルデヒド脱水素酵素の過剰発現はエネルギー産生にも寄与しているという論文です。

【ジスルフィラムはアルデヒド脱水素酵素を阻害する】
多くのコホート研究をまとめた研究では、50gのアルコール(5%のビールで1000ml)を毎日飲むと、大腸がんの発生リスクを約40%高めることが報告されています。
膵臓がんもアルコールで発がんリスクが上がることが明らかになっています。
アルコールが発がんを促進する理由は幾つかあります。
例えば、アルコールが腸粘膜の透過性を亢進して発がん物質の細胞内への取込みを増やす可能性が指摘されえいます。
エタノールが薬剤代謝酵素のチトクローム P4502E1 (CYP2E1)の発現を誘導し、活性酸素の産生を増やすメカニズムも提唱されています。
しかし、最も有力な考えは、アルコールがアルコール脱水素酵素やCYP2E1やカタラーゼでアセトアルデヒドに変換されるからです。
アセトアルデヒドはDNAと結合してDNA付加体(DNA adducts)を作ってDNA変異を引き起こしたり、様々な毒作用があります。
アルデヒド脱水素酵素(ALDH)はアルデヒド(CHO)を酸化してカルボン酸(COOH)にする反応を触媒する酵素です。アルデヒト脱水素酵素はがん幹細胞のマーカーとしても知られています。つまり、アルデヒト脱水素酵素はがん幹細胞に過剰に発現し、その生存や増殖や自己複製に何らかの重要な働きを行っていることが指摘されています。細胞にとってアルデヒドは毒性があるので、アルデヒドを早く代謝するために必要なのです。
多くのがん種においてALDH活性の高いがん細胞は増殖や転移を促進することが報告されています。
ALDH活性の高い腫瘍は生存期間も短く予後が悪いことが報告されています。
したがって、ALDH活性を阻害するとがん細胞の増殖や転移を抑制でき、抗がん剤の効き目を高めることができます
ジスルフィラム(Disulfiram)はアルデヒド脱水素酵素を阻害する作用があり、断酒薬としてアルコール中毒の治療薬として60年以上前から処方薬として使用されています。アルコールを飲むと強い副作用が出ますが、アルコールさえ飲まなければ、ジスルフィラムは副作用の極めて少ない薬です。
アルデヒド脱水素酵素の阻害剤であるジスルフィラムはアルコールの代謝でできるアセトアルデヒドの分解を阻害することによって、アセトアルデヒドの有害な症状がでるので、アルコールを飲めなくするのです。 

 

図:エチルアルコール(エタノール)はアルデヒド脱水素酵素でアセトアルデヒドに代謝され、アセトルデヒドはアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に代謝される。ジスルフィラムはアルデヒド脱水素酵素を阻害する。アセトアルデヒドは毒性が強いので、細胞や組織にダメージを与える。

ジスルフィラムはALDH1A1を強く阻害します。ALDH1A1だけでなく、他のALDHアイソフォームを不可逆的に阻害する汎ALDH阻害剤(pan-ALDH inhibitor)であり、細胞質およびミトコンドリアのALDHを広範に阻害します。
その他、ジスルフィラムはプロテアソーム(proteasome)におけるタンパク質の分解機能を強力に阻害する作用があります。プロテアソーム阻害作用に関しては、Natureにも報告され、ジスルフィラムの抗がん作用が最近注目されています(573話参照)
ジスルフィラムはALDHを阻害して、がん細胞の酸化ストレスを高めます。
アルコールを摂取しなければ、通常の服用量ではジスルフィラム自体の毒性は極めて軽微です。抗がん剤治療との併用も、副作用を増強する作用は認められていません。
したがって、抗がん剤治療と併用して抗腫瘍効果を高める方法として、ジスルフィラムは極めて有用です。(ただし、パクリタキセルのように溶解にエタノールを使う場合は使用できません) 

 

図:ジスルフィラムを経口摂取すると、消化管内および血液内で1分子のジスルフィラムは2分子のジエチルジチオカルバミン酸に変換され、さらにジエチルチオカルバミン酸メチルエステル・スルホキシドに代謝される(①)。ジエチルチオカルバミン酸メチルエステル・スルホキシドは、アルデヒド脱水素酵素の酵素活性部位のシステインのスルフヒドリル基(-SH)と反応して結合し、酵素活性を阻害する(②)。同様なメカニズム(タンパク質のシステインに反応して活性を阻害する機序)によって、プロテインキナーゼCやP糖蛋白質やDNAメチルトランスフェラーゼを含む、様々ながん促進性のタンパク質を阻害する。

注:ジスルフィラム服用中は飲酒はできません。奈良漬けのようなアルコールの入った食品も食べれません。抗がん剤のパクリタキセルは溶解剤としてエタノールを用いていますので、パクリタキセル治療中はジスルフィラムは使用できません。点滴による抗がん剤治療を受けているときには、溶解剤などでエタノールを使用していないことを確認する必要があります。

【ジスルフィラムとドコサヘキサエン酸は相乗的な抗がん作用を示す】
魚油に含まれるω3系不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)はジスルフィラムの抗がん作用を増強することが報告されています。以下のような報告があります。

Docosahexaenoic acid and disulfiram act in concert to kill cancer cells: a mutual enhancement of their anticancer actions. (ドコサヘキサエン酸とジスルフィラムは協調して作用してがん細胞を殺す:それぞれの抗がん作用を相互に増強する)Oncotarget. 2017 Mar 14;8(11):17908-17920.

【要旨】
我々はこれまで、ヒト癌細胞におけるクリオキノール(clioquinol)とドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid:DHA)の相乗的な抗がん作用を報告してきた。しかし、クリオキノールはその神経毒性のために臨床使用が禁止されている。
この研究では、DHAと協働して、がん細胞をより効果的に殺し、腫瘍増殖を抑制する物質として、ジスルフィラム(DSF)をクリオキノールの代替化合物として同定した。
DSFとDHAによる同時投与は、単独で使用されたDSFおよびDHAの抗腫瘍効果と比較して、より大きなアポトーシス細胞死およびインビトロおよびインビボでの腫瘍増殖の抑制を誘導した。
作用機序の研究では、Nrf2媒介性ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)遺伝子転写の亢進によって証明されるように、DSFがDHA誘導性酸化ストレスを増強することを示した。
他方、腫瘍塊形成能およびがん幹細胞数のDSF誘発性の抑制をDHAが増強することが判明し、がん幹細胞の変化がDSFおよびDHAの組み合わせの抗がん作用に関与することが示された。
従って、臨床的に承認された薬物であるDHAおよびDSFは、がん細胞をより効果的に死滅させるために相乗効果を発揮する。この組み合わせ作用は、細胞の酸化ストレスの増強およびがん幹細胞の幹細胞の性状の抑制が関連している。 

魚油に多く含まれるドコサヘキサンエン酸(DHA)ジスルフィラム(DSF)を併用すると、がん細胞の酸化ストレスが亢進し、がん幹細胞の性質(Stemness)が低下して抗がん剤感受性が亢進するという結果です。
抗がん剤治療中にω3系(n-3系)多価不飽和脂肪酸のDHAとEPAを摂取すると、抗がん剤の副作用を軽減し、奏功率や生存率などの抗腫瘍効果を高めることができることは多くの臨床試験で示されています。例えば、以下のような報告があります。 

Supplementation with fish oil increases first-line chemotherapy efficacy in patients with advanced nonsmall cell lung cancer.(魚油のサプリメントは進行した非小細胞性肺がん患者におけるファーストラインの抗がん剤治療の効果を高める)Cancer. 2011 Aug 15;117(16):3774-80.

「ファーストライン」とは、がんの化学療法において、最初に使う抗がん剤のことです。ファーストラインが効かなかったときに使う次の抗がん剤をセカンドライン、その次に使う抗がん剤をサードラインといいます。
進行肺がんにおいて、抗がん剤治療は延命や症状の緩和を目的に行われますが、非小細胞性肺がん患者に対するファーストライン治療の奏功率は30%以下です。
動物実験の研究では、魚油のサプリメントの投与が、副作用を強めずに、抗腫瘍効果を高めることが示されています。
そこで、この臨床試験では、進行した非小細胞性肺がん患者のファーストラインの抗がん剤治療(カルボプラチン+ビノレルビン or ジェムシタビン)に魚油のサプリメントを併用した場合の奏功率と臨床的有用性が、併用しなかった場合と比べてメリットがあるかどうかを比較検討しています。
進行肺がん患者56例が対象で、抗がん剤治療のみ(N=31)と抗がん剤に魚油(EPA+DHAが1日2.5g)を併用した群(n=15)に分けて検討しています。
奏功率(完全奏功CR+部分奏功PR)は魚油併用群が60.0%に対してコントロール群が25.8%で統計的有意(P=0.008)に向上が認められました
また臨床的有用性(完全奏功CR+部分奏功PR+病状安定SD)は魚油併用群が80.0%でコントロール群が41.9%で、これも統計的有意でした(P=0.02)
1年生存率は魚油併用群で60.0%に対してコントロール群は38.7%でした(P=0.15)副作用の程度には両群の間に差は認められませんでした(下表)。
以上の結果から、抗がん剤治療に魚油(EPA+DHA)を併用すると、抗腫瘍効果を高め生存率を高める効果が期待できるということです。 

ドコサヘキサエン酸(DHA)は正常細胞には悪影響を与えずに、がん細胞の酸化ストレスを高めることが知られています。以下のような報告があります。

Docosahexaenoic Acid Induces Oxidative DNA Damage and Apoptosis, and Enhances the Chemosensitivity of Cancer Cells.(ドコサヘキサエン酸は酸化的DNA損傷およびアポトーシスを誘導し、癌細胞の化学感受性を高める。)Int J Mol Sci. 2016 Aug 3;17(8). pii: E1257. doi: 10.3390/ijms17081257.

【要旨】
ヒトの食事には、低量のω-3多価不飽和脂肪酸と多量のω-6多価不飽和脂肪酸が含まれており、これががんの発生に寄与していると報告されている。多くの疫学的研究は、魚油またはω-3多価不飽和脂肪酸の摂取量が多いと結腸がん、膵臓がんおよび子宮内膜がんのリスクを低下させることを示している。
ω-3 多価不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)は、正常細胞に対して毒性を示さないで、ヒトがん細胞のアポトーシスを誘導することによって抗がん活性を示す。
DHAは、細胞内グルタチオンを枯渇させ、がん細胞のミトコンドリア機能を低下させることによって酸化ストレスおよび酸化的DNA付加物形成を誘導する。
酸化的DNA損傷およびDNA鎖切断は、DNA損傷応答を活性化して、損傷したDNAを修復する。しかしながら、DNA修復プロセスの能力を超える過剰のDNA損傷は、アポトーシスシグナル伝達経路およびがん細胞における細胞周期停止を誘導する。
DHAは、細胞の分子特性および悪性度に依存して、がん細胞の増殖に対して様々な阻害効果を示す。それは、がん細胞におけるDNA依存性タンパク質キナーゼおよびミスマッチ修復を含むDNA修復プロセスに影響を及ぼすことが示されている。
さらに、DHAは薬物の細胞内取込みを増加させ、がん細胞の生存経路を抑制することによって、抗がん剤の有効性を増強する。本総説では、最近の研究に基づいて、DHA誘導性のDNA酸化損傷、アポトーシスシグナル伝達、およびがん細胞における抗がん剤感受性の増強について議論する。

DHAはがん細胞に対して酸化ストレスを増強することによってがん細胞のアポトーシスを誘導し、抗がん剤感受性を高めるということです。ジスルフィラムも酸化ストレスを高めます。
ジスルフィラムが肺がんの抗がん剤治療の効き目を高めるとこは前述しました。抗がん剤治療中にジスルフィラムと魚油(脂ののった魚)あるいはドコサヘキサエン酸(DHA)の入ったサプリメントを併用するのは、試してみる価値があると思います。
ジスルフィラムの抗がん作用はかなり古く(1970年代ころ)から研究されていますが、2010年代からその抗がん作用がかなり注目されるようになっています。
ジスルフィラムの断酒作用はアルデヒド脱水素酵素の阻害によるのですが、アルデヒド脱水素酵素はがん幹細胞のマーカーになるほど、がん幹細胞ではアルデヒド脱水素酵素は重要な働きをしており、この酵素を阻害すると、がん細胞の抗がん剤感受性が亢進することが明らかになっています。(522話543話参照)
ジスルフィラムはがんの代替療法の領域では数年前から利用されており、その抗がん作用のメカニズムも多くの報告があります。(419話参照)
私も2014年頃からがん治療にジスルフィラムを積極的に利用していますが、確実な抗がん作用を認めています。比較的安価であり、アルコールさえ飲まなければジスルフィラムは極めて副作用の少ない薬です。
(注:ドセタキセルのように溶解にエタノールを使う薬があるので、点滴を受けているときは、エタノールフリーであることを確認することが重要です)
関節リュウマチの治療薬であるオーラノフィンはチオレドキシン還元酵素を阻害する作用があり、ジスルフィラムとDHAの抗腫瘍効果をさらに高めます(509話参照)。
つまり、抗がん剤や放射線治療の効き目を高める方法としてジスルフィラム+DHA+オーラノフィンは試してみる価値はあります。実際に多くの患者さんに使用していますが、副作用をほとんどありません。抗腫瘍効果も確認しています。

抗がん剤だけでは、抗腫瘍効果に限界があります。「がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法」や「抗がん剤耐性を阻止する方法」を併用すれば、抗がん剤の効き目を高めることができます。そのような作用が期待できる薬やサプリメントも多くあり、臨床試験で確認されたものもあります。しかし、これらの多くは、保険適用外使用かサプリメントなので、標準治療では利用されていません
進行がんで抗がん剤治療を受けて、抗腫瘍効果を高めようと思えば、自己責任でこれらの方法を実践するしかないのが現状です。
がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法は以下のサイトでまとめています。

「がん細胞の抗がん剤感受性を高める方法」

 

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