まあ横道へ入ったついでと言っては何ですが、今日も、又本論から外れたことについて記します。昨日の髪型について、更に、何か詳しい資料でもないかと捜してみました。私の本棚には、いつも言っているように、なかなか珍しいというか、割と面白い本が並んでいます。(県立の図書館にもないような垂涎の本)その一つが「江馬 務の日本風俗史(昭和10年)」です。この中にある古代社会の風俗の一つとして「髪風」の説明がしてありますので、今日をそれをご紹介します。
“上古に於ては、男女生まれて髪を延ばし、長じて男子は髪を後に垂れ、脊で剪るものもあった。又「たぎふさ」と称して、之をたぐりふさぬる、即ち、頭上や後頭に束ね結ぶものもあった。而し又美豆良<ミズラ>といって頭上中央で髪を左右に分ち、之を耳の辺で束ねて、輪を一つ作って木綿で括ったものもあれば、又上下に輪を作って中央を余りの髪で括ったものもあった”
と。
作者は美豆良(みずら)の例として次の図を入れております。
昨日の男性の髪型もすべて「みずら」です。日本書紀では「髻」と言う字を使っております。