「ちょっとお待ちください。“莫視我<アヲナミタマヒソ>”(私を見ないでください)」と言って、殿内<トヌチ>(殿騰戸の内側)にはいられます。いくら待ってもなかなかイザナミは出て来ません。
「なにゅうしょんなら はようでてけえよ」(岡山弁です。意味がお分かりですか???)
と、待ち遠しくなって、美豆良の御櫛に火を灯すのです。そこで、また、ちょっと、その御櫛について説明しておきます。現在、我々が日常に使っているような櫛ですと、その歯は、大変短く、例え男柱だとしても火熾しには使えません。では、どうして「古事記のイザナギ」は、この櫛で火を熾すことができたのでしょうか???
そこで、再び、江馬務の「日本風俗史」からですが、彼は、当時の人が使っていた櫛について面白い報告をしております。当時の人が使っていただろう絵を描いて説明しております。当時の人が残した埴輪や滑石の櫛からだそうです。
これだと火熾しに使えそうですね。でも、こんな櫛で火を熾したばっかりに、これから起こる悲劇が始まるのです。そうです。黄泉の外にあったイザナミの身に
"宇士<ウジ>多加礼”
そうですウジ虫が“タカレ”です。そんなイザナミの今の真の醜い姿を見てしまったのです。・・・・・・・・なかなか上代の人達の着ていた服そうまでに至らないのですが、まあぼつぼつと、そこまで到達しますのでご勘弁の程を!!!!!