にっくき「あが妹子」と激怒して逃げるイザナギを「予母都志許売<シコメ>」に追わします。余程、空腹だったのでしょうか(黄泉の国の人は総て空腹だったと言います)イザナギが投げ捨てた「黒髪鬘<クロミカヅラ>」がら
“蒲子<エビノミ>」”
が生えますが。
又、ここで、寄り道を。
この「エビノミ」とは何ものでしょうか???。宣長は、葡萄葛<エビカヅラ>のことで、書紀には「葡萄」とあり、また、此の蔓草には鬚<ヒゲ>があり、エビに似ているからその名が付き、「蒲子」、即ち、「エビ」の子だから“エビの実<ミ>”としたのだと説明があります。
ちなみに、その葡萄蔓<えびかづら>とは。写真でどうぞ
これをシコメ達が“摭食<ヒロイタベル>”間に、そうです。
「食べ物を与えてそれを空腹なる黄泉の鬼どもがむさぼり食べている隙に逃げる。」
これがイザナギの黄泉から無事に立ち返る作戦だったのです。でも、余りにも空腹だった志許売<シコメ>たちは、イザナギが考えていたよりはもっと手ごわかったのです。その食べ方の速いことったらありません。その蒲子は、瞬く間に食べ尽されてしまい、再び、彼等はイザナギを追いかけます。どんどんと真近に迫り来ます。さてどうなりましょうか???