吉備の白猪屯倉について

　欽明の時、吉備に「白猪屯倉」と「児島屯倉」を置いて、大和の勢力の拡大を図ります。しかし、白猪屯倉からの大和へ税収が思いのほか少なかったのです。その原因はと調査してみると、そこに住む人々の籍＜ナノフダ＞がなく、そのために多くの人が租税を納めていないためだと分ります。その為、白猪屯倉の租税を納めなくてはならない20歳以上の男子を調査し直して、新たに

　　　　　　　　　　　　　　　　〝丁籍＜ヨボロノフムタ＞”

　を作成します。
　その調査のために大和から派遣した「膽津＜イツ＞」を新たに「田令＜タツカサ＞」に任命して屯倉の管理者としたのです。なお、この時「児島屯倉」では、既に、葛城山田直瑞子が「田令」としていましたが、白猪屯倉に派遣した「膽津」の補佐として、その経験を重んじたからでしょうか児島屯倉の田令「瑞子」を副としています。ということは、この白猪屯倉の人たちは大和勢力に相当反抗していて、その支配が順調ではないことを物語っているように思うのですが・・・そのために経験豊かな、児島屯倉を順調に支配している「瑞子」を副としたのではないかと思うのですが・・・・
　なお、これ以降の記事にこの「白猪屯倉」も「児島屯倉」について何も書かれていません。順調に大和政権下に組み込まれていったのだと思われます。