夏が来るたびに思い出す。照りつける太陽。蝉の鳴き声。空いっぱいに広がる入道雲。プール開き。
今日は金曜日。中村先生が来る日。すごく楽しみで、化粧をして、めいいっぱいお洒落に気を使った。中村先生は、塾の先生で、将来本当の教師を目指すために金曜日だけ教えに来ている19歳の先生。
私は、中村先生が大好きで、先生の授業の時、ドキドキして胸が熱くなった。先生からあてられるとキュンとしてしまう。目と目が合ったら恥ずかしくて下を向いてしまう。金曜日だけ張り裂けそうな気持ちになった。
この気持ちを抑えきれなくて、毎週金曜日は教室に一人残っていた。中村先生と話す為だ。先生は、教室に私が残っていると、笑顔で話しかけてくれる。
「今日は、面白かったか?」とか「今日は、難しかっただろう」とかたわいもない話しを30分くらいして帰るのが日課になっていた。
先生とは四つしか違わないので、伝えればきっと好きになってもらえるかもしれない。
思い切って、塾を卒業する日に携帯のアドレスを聞いた。先生は喜んで教えてくれた。英語の難しいローマ字を使っていたので、自分の携帯に入力するのに時間がかかった。一文字ずつ間違わないように大切に入力した。
中村先生は、笑って「間違うなよ」と言っていた。笑顔が素敵な先生だ。
次の日からメールをたくさん送った。
「何してるの?」「ご飯なに食べた?」ほとんどが、生活の一部のメールの会話だった。先生は、すぐ返事を返してくれた。
高校の受験がうまく行ったらドライブに行こうと誘ってくれた。私はものすごく頑張った。死ぬ気で頑張った。先生の笑顔が見たい為に。結果は合格。合格発表の次の日にドライブをした。
海沿いを車で走った。先生の顔を見れなくて、海ばかり見ていた。海の向こうでサーフィンをしている人がいたり、ヨットやボートが浮かんでいた。
太陽が少し沈みかけて、海がキラキラと光っていた。海鳥も自分の家に帰っているみたいだった。
先生の横顔をそっと見たら、かっこよかった。タバコを吸っていて、うんと大人に見えた。だけど、気持ちとは裏腹にあまりしゃべれなかった。
先生の話しばかりを聞いて、頷くだけだった。話したい事はたくさんあったのに、話そうとすると、口の奥の方で何かが邪魔をするのだった。
車のラジオからはサザンオールスターズのツナミが流れていた。見つめあうと素直におしゃべりできない。まさにその通りだった。
夕暮れが近づいた。もうすぐ帰らないといけない。私は帰りたくなかったから、車の中でずっと下を向いて、悲しそうな顔をしていた。先生は困った顔をして、今日は帰ろうと言ってくれた。私は、先生と離れたくなかった。ずっと側にいたかった。
一週間後、先生にメールをした。
「私の事どう思いますか?」精一杯の背伸び。一時、時間が空いて、
「妹のような存在だよ」と答えが返ってきた。何度も読み返した。悲しくて涙が出た。妹でもいいから付き合ってとも言ってみた。先生は、無言。その後、好きな人がいるからと断られた。悲しくて、悲しくて、ベットの中で一晩中泣いていた。何もする気にもなれず、ずっと泣いていた。
これが失恋というものなのね。自分に言い聞かせた。また、次の恋を探せばいいと頭では思っていても、泣きたくなるのは何でだろう。こんなに辛いなら恋なんてしなければ良かった。
夏が来るたびに思い出す。照りつける太陽。蝉の鳴き声。空いっぱいの入道雲。プール開き。
そして、失恋。
愛しの先生は、今頃本当の先生になっているだろうか。
今日は金曜日。中村先生が来る日。すごく楽しみで、化粧をして、めいいっぱいお洒落に気を使った。中村先生は、塾の先生で、将来本当の教師を目指すために金曜日だけ教えに来ている19歳の先生。
私は、中村先生が大好きで、先生の授業の時、ドキドキして胸が熱くなった。先生からあてられるとキュンとしてしまう。目と目が合ったら恥ずかしくて下を向いてしまう。金曜日だけ張り裂けそうな気持ちになった。
この気持ちを抑えきれなくて、毎週金曜日は教室に一人残っていた。中村先生と話す為だ。先生は、教室に私が残っていると、笑顔で話しかけてくれる。
「今日は、面白かったか?」とか「今日は、難しかっただろう」とかたわいもない話しを30分くらいして帰るのが日課になっていた。
先生とは四つしか違わないので、伝えればきっと好きになってもらえるかもしれない。
思い切って、塾を卒業する日に携帯のアドレスを聞いた。先生は喜んで教えてくれた。英語の難しいローマ字を使っていたので、自分の携帯に入力するのに時間がかかった。一文字ずつ間違わないように大切に入力した。
中村先生は、笑って「間違うなよ」と言っていた。笑顔が素敵な先生だ。
次の日からメールをたくさん送った。
「何してるの?」「ご飯なに食べた?」ほとんどが、生活の一部のメールの会話だった。先生は、すぐ返事を返してくれた。
高校の受験がうまく行ったらドライブに行こうと誘ってくれた。私はものすごく頑張った。死ぬ気で頑張った。先生の笑顔が見たい為に。結果は合格。合格発表の次の日にドライブをした。
海沿いを車で走った。先生の顔を見れなくて、海ばかり見ていた。海の向こうでサーフィンをしている人がいたり、ヨットやボートが浮かんでいた。
太陽が少し沈みかけて、海がキラキラと光っていた。海鳥も自分の家に帰っているみたいだった。
先生の横顔をそっと見たら、かっこよかった。タバコを吸っていて、うんと大人に見えた。だけど、気持ちとは裏腹にあまりしゃべれなかった。
先生の話しばかりを聞いて、頷くだけだった。話したい事はたくさんあったのに、話そうとすると、口の奥の方で何かが邪魔をするのだった。
車のラジオからはサザンオールスターズのツナミが流れていた。見つめあうと素直におしゃべりできない。まさにその通りだった。
夕暮れが近づいた。もうすぐ帰らないといけない。私は帰りたくなかったから、車の中でずっと下を向いて、悲しそうな顔をしていた。先生は困った顔をして、今日は帰ろうと言ってくれた。私は、先生と離れたくなかった。ずっと側にいたかった。
一週間後、先生にメールをした。
「私の事どう思いますか?」精一杯の背伸び。一時、時間が空いて、
「妹のような存在だよ」と答えが返ってきた。何度も読み返した。悲しくて涙が出た。妹でもいいから付き合ってとも言ってみた。先生は、無言。その後、好きな人がいるからと断られた。悲しくて、悲しくて、ベットの中で一晩中泣いていた。何もする気にもなれず、ずっと泣いていた。
これが失恋というものなのね。自分に言い聞かせた。また、次の恋を探せばいいと頭では思っていても、泣きたくなるのは何でだろう。こんなに辛いなら恋なんてしなければ良かった。
夏が来るたびに思い出す。照りつける太陽。蝉の鳴き声。空いっぱいの入道雲。プール開き。
そして、失恋。
愛しの先生は、今頃本当の先生になっているだろうか。
なんだか、切ないですね・・。
凛は年上を好きになったことないので
分からないですが・・・。(笑)
気に入ってもらえてうれしい限りです。まさかホームページに物語を書いて下さいなんて書いてあったので、驚きましたよ。だけど、そう言ってもらえてうれしいです。
また、機会がありましたら、物語を教えてくださいね。