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日本社会に広がる学習性無気力から回復する政治へ

2017年10月15日 | 丸ちゃんの喜怒哀楽へなへなジャーナル
先日の北朝鮮のミサイル発射問題の学習会で、講師の飯田光徳さん(日本コリア協会・大阪)が、学習性無気力(学習性無力感)に決して陥らないことを話されていた。学習性無気力。心理学や対人支援に関わる分野ではよく知られた言葉のようで、初めて聞いた言葉だった。

ネットによると学習性無気力とは、長期にわたってストレス回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象だそうで「何をやっても無駄だ」という認知を形成した場合に、学習に基づく無力感が生じ、それはうつ病に類似した症状を呈するという。この状態への対処法は認知行動療法が効果的だと言われている。

ちょうど今は総選挙の最中だが、戦後72年、そのほとんどの期間は一貫して改憲を主張してきた自民党とそれを補完する政治勢力のそれこそ独裁政治と言うべき状態が続いてきた。

特に今は、これまでとは一段と酷い性質の長期安倍政権の下にあり、その影響は大きく、それこそ学習性無気力が今の日本社会に広範に広がっているのではないかと感じている。

アメリカと大企業と富裕層、そしてそれに連なる自分ファーストの政治家たちにしか目を向けない政治は、外に向かっては排外主義とナショナリズム的傾向を強め、日本国憲法をないがしろにし、差別と選別の社会を作り上げ、格差と貧困を拡大し、国民の意見は聞かず私利私欲に走り、その実態を覆い隠すためにまるでフェイクニュースとも言える情報をマスメディアを利用して次々と降り注いできた。

その結果、人々の生活は目の前の情報を追いかけ費やすことに追い込まれ、何が本当のことなのか、何が本質なのか、何が希望なのか、何がより良い明日につながるのかが見えにくくなっている。

長期独裁政治の下での度重なる政治不信につながる出来事は、国民生活のさまざまな点にストレスが発生する環境要因ともなり、巨大な政治的無関心層、さらには無党派層を生み、有権者の約4割が選挙に行かないことは常態化した。それは「何をやっても無駄だ」「どうせ、政治は変えられない」ということの表れのように思え、選挙では、積極的支持ではないけど他にないから現状のままでという投票行動になり、結果として何らストレス環境から逃れることには至らない。

だけど、学習性無力感にはそれを克服する、回復する方法があるそうだ。簡単に言えば、⑴「環境は必ず変わる」と認識、⑵」壁の厚さ」を見通す、⑶「観察」と「変化適応」、⑷小さな成功を積み上げる、⑸楽観と積極の「ポジテイブ思考」。

さて、これを今回の総選挙に関して自分なりに適応して考えてみるとどうなるのか。いろんなことが考えられ、克服の道筋も見えてくる。「諦めないでしたたかに運動を続けること」(飯田さん)。その姿勢が大切なようだ。
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