MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

「歸国」(きこく)を見て・・・

2009-06-25 01:14:42 | ライヴ&イベント


北海道の出張で富良野に行った折り、倉本聡の富良野GROUPの夏公演「歸国」を見に行く機会があり 専用劇場である富良野演劇工場に行きました。(昨年は「鉄道員」のロケ地、一昨年は「人体展」と北海道行くとなんか見るな)
ひな壇式の観覧席はとても見易く雰囲気もなかなかよろしいね。



↑山の上にある富良野演劇工場

大平洋戦争で亡くなった英霊たちが終戦記念日に現代の日本に帰還する
英霊たちが見る現代の日本・・・それは彼達が願ってまやなかった見事に復興し繁栄した平和な日本があった・・・しかし

前半東京を歩くいまどきのギャル(死語?)のファッションに戸惑う英霊たちの姿ユーモラスに描かれ笑いを誘う。
顔黒のギャルを見て焼け焦げてると感じたり、メールをしてる姿にカルチャーショックを受けたりと序盤はなかなか肩の力を抜いた展開なんだが、中盤からはグッと胸に迫るような重いテーマを突き付けてきます。

植物人間となった母の前でどうすることも出来ない英霊、聞けば母の身内は誰一人として見舞いにも来ず、大物金融アナリストとして活躍する一人息子始め身内は一様にそんな母を厄介者扱いにしている・・・そんな家族の姿に怒りと悲しみが込み上げてくる一人の英霊の姿が切ない。

平和になり繁栄した現代の日本から失われて行く人の心、家族の絆に英霊たちは「こんな日本は果たして本当に平和なのか?」と悲痛に叫ぶ!
今の世の中が無くしてしまったもの、または失われていくもの・・・それを英霊を通じて改めて教えられた。
なかなか言葉や文章では語れない深く重いテーマで深く感銘を受けた舞台でした。

同じく鑑賞していた女子高生たちの修学旅行の一団からも、あちらこちらから鼻をすする音がしてきた・・・
終演後倉本聡先生がロビーに出ていらしたが、意外とメタボ体系・・・杖をついて立っていらしたので、是非写真を・・・と思ったらNGとの事・・・残念!



★★★★★ 2009.6.15(月) 富良野演劇工場