新装になって初めて大阪 新歌舞伎座に行ってきました
昔のなんばにあった新歌舞伎座は大きな建物でいかにも格調高い雰囲気の堂々たる劇場でしたが、今の新歌舞伎座はビルの中にあります・・・昔の新歌舞伎座のイメージからすると個人的にやや違和感を感じます
そんな劇場に入ると、昔より館内はゆったりした感じでどこからも見やすいように思います
この辺は時代と言うか・・・旧館の座席の窮屈な圧迫感もなくお芝居が楽しめそうです
ここで見たのが2年前映画で上映された「十三人の刺客」の舞台版です
でもこの日はハプニング発生!
開始が15分遅れるらしい・・・芝居では珍しいですね
やがて主演の高橋克典がどん帳の前に現れて観客にお詫びのご挨拶・・・これはまた珍しい!
聞けば1人の役者が昼の部の後に体調不良で病院に運ばれて、現在検査中とのこと
一時は中止も考えたらしいが・・・っておいおい!サマソニのピットブルに続いてかいな~とヒヤリする発言だったが、何とか少し内容を変えて公演を実施するという事に決まったらしくホッとした
この日は十三人の刺客ではなく十二人の刺客で・・・と言う高橋克典の言葉に場内は笑いに包まれた
でも主役本人が説明に出てくるなんて好感が見てますね
↑変更された時間表
さてこの芝居の内容ですが、映画が元だけに場面展開も早く舞台としてはどうかな?と思ってたが、結構趣向が凝らせれた演出でクリア!
冒頭に若き時代の島田新左衛門(高橋克典)と鬼頭半兵ヱ(坂口憲二)の姿が描かれるが、この演出は映画版以上にこの2人の間柄を大きくクローズアップされた内容である事が伺える
ヒロインを挟んでのそれぞれの想いの描写などは青春ドラマとした側面もあるように感じた
でもこの芝居の最大の見せ場は映画同様にクライマックスのチャンバラシーン!
13人(この日は12人か)VS250人の大バトルを舞台上でどう見せるか?
これも注目すべき所でしたが、これが見事に巧みなセットの活用の仕方で上手く魅せてくれます
そして何より鮮血が飛びちると言うリアルな描写!
喉から血が滴り落ち、壁に血ブァ~と噴き出し真っ赤に染める
役者も血まみれになっての立ち回りは壮絶な光景!
だが言わせてもらえば立ち回りじたいは全体的に甘いように感じた
視覚的演出面はいいのだが刀と刀を合わせる立ち回りは役者同士の息がイマイチ合ってないように感じるのが多々あったし、いかにも型どおり的な殺陣に迫力があまり感じられなかったのが残念・・・1人減った事の演出上の不備にも見えないし・・・
殺陣に慣れてない役者たちの力量の問題なのかどうか・・・?
でも作品全体は見ごたえもあり、楽しめたから良かったですよ
休憩入る前に高橋克典が芝居の流れのままから「20分休憩!」と叫んで笑わせたり、関西弁を無理やり使ったりと遊び心も取り入れていて楽しませてくれる
カーテンコールでは実に和やかなムードに包まれ、出演者たちのアクシデントの中無事努め終えた安ど感が感じれた
特に憎々しい悪役を演じていた袴田吉彦さんが血まみれになりながら愛想良く笑顔で手を振っていた姿が印象的だった
なにより「十二人の刺客」というスペシャルなバージョンが見れてよかった
★★★★ 2012.8.25(土) 大阪 新歌舞伎座 S席 1階 8列10番 (ローソンチケット)