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甲府市の市民レポーターがこうふの話題をお届け!

高齢者の知的好奇心の出会い

2013-02-22 13:45:00 | 教育

 放送大学で学ぶシルバー世代人  


市民レポーターの浅野です。 

近年、体力や知力がしっかりしている
おじいちゃん、おばあちゃんがとても増えていると言われています。
そうしたみなさんは更に自らを磨くために、
いろいろな方面に目を向けて、活発な学習意欲をもっていらっしゃいます。

各市町村では生涯学習センター、市民大学、公開講座、公民館活動・・等、
沢山の学習機会が用意されています。

今回は、甲府駅から歩いて15分ほどのところ、
山梨大学のキャンパス内にある
「放送大学・山梨学習センター」を訪ねてみました


こんな立派な施設があるのですね!


入口は山梨大学と一緒!

 

              

放送大学は、学士、修士といった学位がとれる教育機関です。
学びたいという気持ちだけではなく、学習科目の単位を修得し、
最終的には「卒業」するといった具体的な学習目標を設定できます。
ここでは多くのシルバー世代の方々が学んでいるということですので、
その実態をレポートしようと思います

              

 

1.放送大学で学ぶ皆様

放送大学は、TVやインターネット等を通じて自宅で学習できるシステムですが、
学習者の支援、人的交流等を目的に各地に学習センターが設けられています。
山梨学習センターは今から30年ほど前に設立されて以来、
多くの卒業生を輩出しています

今年度(平成24年度)の在学生の皆さんの状況をお聞きしました。
平成24年度の2学期生で601名の在学生さんがいらっしゃいます。
そのうち60歳代以上のシルバー世代の方が144名、
全体の24%で、年齢別にみて一番多くの比率となっています。


山梨学習センターの学生さんの年齢構成

年齢的にみると10代から60代以上まで
万遍なく在学していらっしゃるということに驚きました

年代にこれだけの大きな幅があると、
いろいろな学習ニーズや学習パターンが求められると思いますが、
在学生全員に「学ぶ」という一致した目標があるので、
学習内容や学習方法は全在学生向けに同一でOKとのことでした。

 

              
 シルバー世代の方も未成年者も
 同じ内容で、同じ方法で学習している、
 世代を超えた世界がここにあるのでした。
 どうしても生じる世代間の違いに
 学習センターが手をさしのべているようです。
              

 

2.シルバー世代の学習動機!

シルバー世代の方々がなぜここで学ぶのか、
その動機を訊ねてみました。

一番多いのは、
「もう一度勉強しなおすため」というものです

その代表的な声は、
「私が育った頃は働かない者は食うなという時代。
 せめて定年後は働かずに勉強や遊びをしたいと思い、
 今やっと好きなことができています」という声。

何とも素晴らしい向学心を見ることが出来ます
昔はどの街角にもいた「何でも知っているご隠居さん」の
現代版の姿のようでもあります。

こんな声もあります
「1日5時間ぐらい勉強しています。
私たちの年代だと、 資格とかより
認知症にならない予防が大きいです。
今が一番楽しいですよ。」

これには苦笑の中にもずっしりとした重みを感じます。
頭脳の中に新しい思考回路を作る作業は
確かに認知症予防に良いように思いますがどうでしょうか

 

 
全国の学生さんアンケートより

 

3.学びの輪

各学習センターにはそれぞれ独自の「面接授業」というのがあって、
魅力的な科目には他の学習センターの学生さんも参加できるのだそうです

山梨学習センターでは例えば、
「活断層と内陸地震」で実施した県内の断層実況見分や、
身延山久遠寺の宿坊を利用しての「仏教思想と現代生活」
といった面接授業は大変好評であったそうです。

またシルバー世代の学習環境として大切なのは人の輪です。
学生同士の交流の場として、「サークル活動」があります
ここでもシルバー世代の方々が大活躍

例えば・・・
「あるこう甲斐」「ローマの休日(英会話サークル)」
「心理学研究会」「太極拳サークル」
「P&C活用研究サークル」「山梨名作映画研究会」
といったサークルがあります。

どのサークルも若者からシルバー世代の方々まで、
年齢の壁を越えて活動しておられるということですから、
何か理想的な人間交流の場が出来ている様に感じます。
次回はこれらのサークルのレポをしてみたいと思います。

 
サークル活動のお誘い

 

山梨学習センター発行の機関紙「おいでなって」があります
山梨学習センターからの事務連絡や、
学生相互のコミュニケーションをとるための大切な機関紙です。

このような細かいサポートがあってこそ、
学生が通信教育というシステムであっても
安心して学べるのだと感心しました


こんな機関紙が活躍

 

山梨学習センターは大学としての教育機関ですから、
地元への教育的な貢献という意味で
公開講座」もやっています

例えば、今年の1月、2月では
「震災後のエネルギーを考える」
「誤りから学ぶ心理学」
「太陽電池の効率はどこまで向上可能か」
といった、どれも今大いなる関心を集めている話題に特化した講座です。

誰でも無料で参加できますので、
散歩のついでに行って聞いてみるといったことが出来てしまいます。
何とも素晴らしい知的散歩ではないでしょうか


公開講座用のビラ

 

 
取材協力、ありがとうございました 

今回、取材に応じていただいた井上センター長、及び総務担当の方々に御礼申し上げます。
皆さんとても優しい方々ですから、気楽に声をかけることが出来ました。
次月は学生さんへのインタビューをご報告いたします。                   

◆◇◆ 感想 ◆◇◆
シルバー世代の知的好奇心を満たしてくれる内容が盛り沢山です。
学習内容に自信が無くても自分のペースで無理なく進められそうなところで良いですね。 


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