瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

08年、クリスマスには歌を歌おう♪その5

2008年12月19日 22時36分35秒 | クリスマス
はぁい♪ミス・メリーよ♪
今日クリスマス用に注文していたワインとお菓子が届いたの。
カウントが減ってく度にメリーのハートはドッキドキ。
今夜もクリスマスの頃に訪れるマレビトの紹介をするわね。

アイスランドではサンタクロースじゃなくって、「ヨール・スヴェン」と言う物の怪が、子供達にプレゼントを贈って廻ると信じられてるそうよ。
「ヨール・スヴェン」とはその土地の古い言葉で「クリスマスの若者」って意味。
けどその正体は実は悪鬼…アイスランドではクリスマスのシーズンが来ると、13人(9人という説も有)の鬼が1夜に1人づつ山から降りて来て、悪い子供を脅すと恐れられてたの。
そしてこっから先はブットマンドル等とほぼ同じね、子供が改心すればプレゼントを渡す、改心しなければ連れてって食べてしまうんですって。
元は巨人で醜い毛むくじゃらの姿をしてたそうだけど、今ではサンタクロースのイメージに侵食されて、見た目も性格も区別出来ないくらい似てしまったんですって…ちょっと寂しいわね。

同じ土地に「ユール・キャット」って言うのが居て、同様にクリスマスシーズンの頃現れる物の怪だそうよ。
魔女グリーラの1人娘の飼い猫と言われ、とても獰猛で恐ろしい姿をしているらしいわ。
クリスマスが来ると、ユール・キャットは親に新しい服をプレゼントして貰えなかった子供を、捜して食べちゃうらしいのよ。
どうして新しい服をプレゼントして貰えなかった子供を食べるかというと、1年間一生懸命働けば羊毛が手に入り服が作れる所を、怠けた為に作ってあげられなかったから~って理屈らしいわ。
だけどもし見付けた子供が良い子だったら、プレゼントを贈ってくれるんですって。
今では悪い子は全て食べ尽くしちゃったから、ユール・キャットは居なくなっちゃったと耳にするわ…こちらもちょっと寂しいわね。

中世のヨーロッパでは猫は魔女のペットと考えられ、不吉な動物と忌み嫌われてたのよ。
夜になると光って見える、瞳の妖しさが原因だったみたい。
猫を飼ってるだけで飼い主は魔女と断定され諸共火炙りにされたし、クリスマスの時期には年老いた猫を生贄にする儀式も行われたらしいわ。
生贄には年老いた犬なんかも選ばれたそうだけど、特に猫は選ばれる例が多かったみたい…今でもヨーロッパの或る土地では、クリスマスに合せて「猫パン」が売られるんですって。

デンマーク等ではクリスマスが来ると、「ユール・バック」という名の物の怪が現れて、子供達にプレゼントを贈る伝統が残されているわ。
名前の意味は「クリスマスの山羊」…山羊の頭をした悪霊で、普段は家の床下に潜んでるけど、クリスマスの夜になると出て来ると考えられていたの。
家の主人はユール・バックの為に、粥やクッキーを用意してやらなくてはならない、でないと家を破壊されてしまうから。
ちゃんと用意されていれば、ユール・バックは来る年の家の幸福を約束し、大人しく戻って行くんですって。

山羊の姿を取ってるのは、キリスト教以前に信仰されていた、かつての神の姿から来てるんでしょうね。
古代ギリシャに「パーン」と言う名の牧神が居たのを聞いた事は有るかしら?
山羊の角を持った半人半獣の、羊飼いの神様だった存在で、キリスト教が伝わるまでは、農牧民族の間で広く信仰されて居たと云うわ。
けれどキリスト教への改宗が進んでく過程で、かつての牧神信仰は異教の扱いを受けてしまったの。
キリスト教が考える悪魔のサバト絵の中心に、山羊頭の首領が居るのを見た事は有るかしら?
あれこそが牧神パーンの堕ちた姿よ。

フィンランドには「ユール・プッキ」と言う名の似た様な物の怪が、クリスマスにプレゼントを渡しに現れると云うわ。
こちらもその土地の言葉で「クリスマスの山羊」という意味の名前。
元は冬至の時期に災厄を起しにやって来るのを、贈り物で機嫌を取り帰って貰う儀式だった様だけど、サンタクロースの影響を受けた最近では、子供達に1年良い子で居たかを尋ねて「ハイ」と答えたらプレゼントを渡す、気の好いお爺さんに変わってしまったそう。

…こうして聞いてると元のクリスマスには、おどろおどろしい化物が現れたんだな、という印象が持てるでしょう?
そう、本来のクリスマスは、1年で最も恐ろしい日だったの。
その理由は少しづつ解き明かしてくとして…5曲目のクリスマスソングを紹介するわね。
元はフランスの古いキャロルだったのを、後にイギリスの聖職者が英語に訳した歌だそう。
曲を聴きながら、今夜はこれでお終い。
それじゃあ皆、次回も楽しく歌いましょうね♪




                   【オー・ホーリー・ナイト】


遥かな♪

昔の歌を♪

あの清らかな夜を♪

思えば♪

それは今なお♪

忘れ得ぬ物語♪

苦しみ嘆く我等に♪

輝く星空の歌♪

ああ我等♪

歌え喜びを♪

永遠に栄え有れ♪

言祝ぐ♪

喜び♪

歌え♪

この夜♪


揺らめく♪

明りを求め♪

牧人は訪れぬ♪

瞬く♪

星を標に♪

博士達も遥々♪

隔て無き王者の王は♪

貧しき馬屋の中♪

ああ神の♪

御子の恵みを♪

思い起せあの♪

微笑♪

真の♪

麗しさを♪


救いの♪

御子を迎え歌う♪

永遠の命♪

受くる♪

喜び♪

ああ喜び歌え♪

聖なる歌を♪




…日本語訳した歌はこちらで聴けまする。(→http://bariken.com/hprecital-Oholy.shtml)
3大テノールと評された(故)ルチアーノ・パヴァロッティが歌うバージョンも聴いてみよう。(→こちら

あまりの美声に全米なんてものじゃなく、全世界が泣きました。
誇張でなく2007年9/6の彼の死には、(自分も含めて)全世界が泣いたのよ…。

写真はハウステンボス、パレスに飾ってあったクリスマスデコ。
これとか、此処に飾られてるデコレーションは、どれも良いセンスしてると思ふ。
コメント
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