瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

おめでとうございます その5

2010年07月05日 20時55分06秒 | ワンピース
前回までの粗筋】

悪辣な中華飯店店長の奸計に掛り(え?そうなの?)命の危機に立たされるルフィ、ゾロ、サンジ、ウソップ、チョッパー(は既に脱落)
果して最後に生き残る者とは・・!?
負けるな!ルフィ海賊団!!
戦え!モンキー・D・ルフィ!!




勝負開始より30分・・今、漸く回転が止められました。
しかし現れた・・まるで星一徹がちゃぶ台引っ繰り返した後の様な惨状を目の当たりにし、店内は水を打ったような静けさに包まれております・・。
丼の中にばっしゃんと顔を突っ伏させたサンジ選手・・。
口から鼻から耳から麺を噴出し気を失っているゾロ選手・・。
蒼白な顔で硬直しているウソップ選手・・恐らく死因は鞄の紐で首が絞まったせいでしょう・・。
惨い・・あまりに惨過ぎるこの結末・・神よ・・何故、貴方は斯様な痛ましい結末を用意し・・えっ・・・?

「・・・・食っらぞ・・・全部・・全部、食い切ったぞー!!!」

「・・・・・ルフィ・・!!」
「・・・流石ね、Dの名を受け継ぐ男・・。」

「やりやがったぜ!あの麦藁小僧ー!!」
「遂にこの店の不敗神話を崩しやがったー!!」

信じられません!あの最終速度300キロの回転地獄より奇跡の生還劇を果たした勇者その名はモンキー・D・ルフィ!!
目をグルグル渦巻きにしつつも安全バーを引き上げ両手をピンと伸ばし雄々しく立ち上がったその姿!これぞ正に真の『漢』ぞ!!
英雄の誕生に観客から割れんばかりの拍手が沸き起こり歓喜の声が上がっております!!
今!今数人の観客がステージ台に上りルフィ選手の周りを取り囲んでおります!
!・・どうやら胴上げを始めるもよう・・あっ!始まりました!・・1回・・2回・・3回・・4回・・5回・・中々止みません!!
・・・店長がルフィ選手の側へゆっくりと近寄って行きます。

「大した男ね、私の完敗アル・・流石は海賊の船長さんアルよ。」
「おおっっ!!何てったって俺は、海賊王になる男だぜ!!」




記録・・それは儚い。
今日生まれた記録も、明日には新たな挑戦者の手により消されるかも知れぬ運命。
何故漢達は何時も、それでも前へ進む事を止めぬのか?
何時かは明渡さなければならぬ王座に意味など有り得るのか?
束の間の勝利者の船を海は、波高く、高く、幾度も掲げようとする・・それもまた仮初の祝福か・・?


「賞金100万ベリーも手に入ったし、賞品ラーメン1年分のお陰で暫くは食費も掛けずに済むし、何とか当初の目的は叶ったわね!」
「・・てめぇって女には血も涙も無ぇのかよ・・あんな勝負の後で誰がラーメン食う気になれるっつうんだ!?」
「うっさいわね!あんた達の飲食に一体幾ら費やしてると思ってんのよ!?せっかく手に入った食料、即、有効利用しないでどうするってのよー!?」
「俺は別にラーメンでも構わねぇぞぉ♪」
「流石ねルフィ、だから愛してるわ♪あんたもちょっとはルフィの鷹揚さ見習ったらどうなのゾロ!!」
「うるせぇっっ!!何が見習えだ!!俺は金輪際ラーメンなんか食わねぇぞっっ!!」
「い~わよ~、食べたくなきゃ無理して食べなくても~・・じゃ、サンジ君、当分1日3食おやつともラーメンでお願いね♪」
「ああ・・ナミさん・・そんな情け容赦の無い貴女も素敵デス・・。(涙)」
「・・くっっ・・この、因業魔女が~~!」
「ほ~ほっほっほっ♪精々『武士は食わねど高楊枝』の精神で頑張るのね~♪♪」


「どうやら時化ね・・怖い位のうねりだわ・・。」
「苦じぃ~船酔いが~、船酔いが俺の体を蝕んで行ぐぅ~~、医者ぁ~、医者は何処だ~~?」
「船医さんならさっきからトイレに閉篭ってケロケロ吐いてるみたいよ、長鼻君。」
「医者ぁ~・・!誰が・・!誰が医者を呼んでぐで~~~・・!!」




行くがいい、挑戦者達よ!
この荒波にたとえ翻弄されようとも、広く果て無き海を選んだのは君等の意思!
阻む何ものをも薙倒し払い除け、超えて行け!己が信念の旗の元!!
嗚呼!ルフィ海賊団に栄光有れ!!





【完】



【書いた人の感想】

・・・・・めでたい。(私の頭ん中が)



・2004年1月17日、投稿部屋投稿作品
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おめでとうございます その4

2010年07月05日 20時53分52秒 | ワンピース
前回の続き】





「しっかりしてチョッパー!目を開けて!」

「・・・うっ・・ナミ・・ゴメン・・オレ・・」
「・・どうしたのよ・・何を謝ってるの、チョッパー・・?」
「・・オレ・・怖くて・・つい・・変身解いて・・オレ・・オレ臆病で・・自分が情けなくて・・うっく・・えっっ・・」
「そんな事無いわ、船医さん・・貴方はとっても勇敢だった。」
「・・・ロビン・・・」
「そんなに自分を責めないで、泣いては駄目よ。」




遂に、遂に生まれてしまった犠牲者・・毛皮にしょっぱい匂いや酸っぱい匂いを染み込ませぐったり横たわるその姿・・あまりにも、あまりにも惨たらし過ぎる・・!
一体何故タヌキ、いや少年がこんな惨い目に・・ただ・・ラーメンを1杯食べていただけなのに・・あまりの悲劇に溢れる涙で前が見えません!

「もう止めてー!!リタイアするからこれ以上回転させないでー!!」
「よふぇいひゃほほふんわぁ!!わびぃ!!」

「・・・・ルフィ・・!?だって・・!!」
「ひょうふひ・・ジュルルッ・・ズッ・・ふひわひふんわええ・・!!」
「・・ズルッ・・へめぇはふんぞり返って賞金の使い途でも考えてやがれ、ゴウツク魔女!」
「や、ナミ、オレは是非ともリタイアをお願いしたいぞ・・!」
「・・・ゾロ。」

「安心してくれナミさん!君の愛有る限り、俺は・・死なん!(キラーン)」
「さっさと自決しやがれ、ナルト眉!」
「んだコラァ!?クソクロレラ頭野郎!!」
「や、聞いてくれ皆!俺は一刻も早くリタイアしたいんだ・・!」
「・・・サンジ君。」

極限に追い込まれようとも尚勝負を捨てぬ誇り高き漢達!
決死の覚悟で挑むその姿正に『見事』の2文字でしか言い表せない程の漢っぷり。
ブラと棒を合せてブラボーだ!

「これが・・・これが海賊・・!」
「なんて重い・・覚悟・・!」

アレコレ言ってる内にBGMはオッフェンバック作曲『天国と地獄序曲』に変更回転速度も更に更に増して行く!
110・・120・・130・・140・・150・・160・・170・・180・・遂に富士急ドドンパ瞬間最高速度をも超えたーー!!

「くくくくくっっ・・まだアル・・真の恐怖はこれからアルよ・・フフフフッ・・ハハハッ・・ひゃ~ひゃっひゃっひゃっっ!!」

悪役になりきった店長の地獄の鬼もかくやといった笑い声が木霊する!
ごうんごうんと轟音響かせ挑戦者達をまるで脱水槽に入れられた洗濯物が如く嬲り回し続けるステージ既に掛る遠心力でラーメンのツユ1滴すら零れる心配も無いだろう!

「ルフィ・・ゾロ・・サンジ君・・ウソップ・・お願い、もう誰も死なないで・・!」
「航海士さん、悲しみに暮れてる所申し訳無いけど・・未だ誰も死んではいないのではないかしら・・?」

時速180キロを超えてこっから先は未知の世界誰も到達した事の無い神の領域だ!
190・・200・・210・・馬鹿な!まだ上がるだとぉーー!?
漢達よ、何故かくも『勝利』という名の形無き証を欲するのか!?
それが漢の浪漫だから!!
何故メイド姿に萌えるのか!?
それも漢の浪漫だから!!
回っております!
回っております!
何時もより多く回っております!!
人知を超えた超高速回転地獄より生還し勝利の女神のディープなキスを奪う漢は果たして出現するのかー!!?





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おめでとうございます その3

2010年07月05日 20時52分55秒 | ワンピース
前回の続き】





BGMはショパン作曲『華麗なる大円舞曲』に乗って軽やかに時計回りし出した店内中央円形ステージ只今時速10キロ!
挑戦者5名を乗せてクルクル回転するその姿はさながらメリーゴーラウンドかコーヒーカップの如し!
尚この回転は1分経過する毎に10キロづつ加速して行きます!

「1分につき10キロづつ加速して行くという事は・・30分で300キロ!?卑怯よ!そんな説明受けてないわ!」
「あれ?外でウチの者が話した筈アルよ。『ウチの店は回転が速い』って。」
「受け取れる意味が違うでしょ~!?」

御安心下さい!誰か1人でもラーメンを食べ終われば自動的にストップするような仕組みになっておりますので!

「「「「「いや、そんな事、誰も聞いてねーし!!!!!」」」」」

丼はテーブル上にがっちりと固定されておりますので飛ばされる心配は御座いません!

「「「「「益々聞いてねーし!!!!!」」」」」
「嫌ならリーダーが手を挙げてリタイアするよろし。但し!ラーメン代〆て50万ベリー、しっかり支払って貰うアルよ!」
「くっっ・・痛い所突いて来たわね・・皆!こうなったら早いトコ食べ切って勝負を終わらせるのよ!!」
「言うべき事はそれだけかよ、てめぇ!?」
「見ろ~!!だから何か有るって言ったんだぁ~!!」
「あぢィ~!!ラーメンのツユが毛に掛ったァ~!!」
「とにかく!ナミさんの言う通り此処は早く食い切って勝負を終わらせるしかねぇ!!」
「いや、俺はルフィに早い所リタイア宣言して貰うのが一番じゃないかと・・!」
「ひやふぁ!ほへはふぇっふぁい・・ジュルルッ・・ひふぁいふぁふぁんふぇひふぇふぉ!!」
「痛ぇっっ!おいルフィ!食べ終わったカニの甲羅は外に向けて放り出せ!危ねぇだろが!!」

さあ、そうこうしている間にも時は経過し時速も10・・20・・と、どんどん増して行きます!
あ!今カニの甲羅がこちらに飛んで来ました!あ!ホタテの貝殻も!あ!エスカルゴの殻もです!
次から次へと乱れ飛ぶ食べ殻!・・観客の皆様、流れ弾には充分御注意下さい!
30・・40・・加速します!どんっどん加速して行きます!

「・・ズッ・・ズルルッ・・うっ・・うぐぐっっ・・ゴブォブゲエェェェーーーー・・!!!

あーっと遂に限界点突破したか!?ウソップ選手吐き出したー!!!

「ブハァッッ!!・・きたねーなクソっ鼻!!人の顔目掛けて吐き出してんじゃねーよ!!」
「ブギャー!!オレにも掛ったー!!」
「馬鹿野郎ウソップ!口閉じろ!口!!」

ウソップ選手止りません!止らないヤメラレないのが生理現象!んやめっろと言・わ・れ・て・もォ♪
口を閉じずに吐き続けている!吐きながら回転しています!
さながら壊れたスプリンクラーの如し!・・あ!今こちらにも飛んで来ました!
観客席にまで散布されあちこちで上がる阿鼻叫喚!
店内ゲロ酸っぱい匂いで噎せ返る様であります!
時速50キロを過ぎた地点でBGMがロッシーニ作曲『ウィリアム・テル序曲』へと変りました!
そして更に加速し続ける回転・・60・・70・・80・・90・・只今時速100キロを超えたー!

― ギュルルルルルッ・・・・ドゴオォォォン・・・!!!

「何か今飛んで来たぞー!!」
「タヌキだ!タヌキが飛び込んで来やがった!!」
「チョッパー!?」

大変です!回転するステージから飛び出したタヌキがスピンかけて観客レフト席に飛び込みそのまま壁に激突致しましたー!!

「失礼ね!チョッパーはトナカイよ!」

・・し、失礼致しました!
俺達が飛ぶのはクリスマスイブの夜だけじゃないんだぜと言わんばかりにトナカイのチョッパー選手がステージ席より決死のジャンピング・スカイ・ハイ!!
この時点でチョッパー選手の脱落が決まりましたー!!





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おめでとうございます その2

2010年07月05日 20時52分03秒 | ワンピース
前回の続き】





さぁて皆様!お次の挑戦者はこれまたナイスに命知らずな野郎共!なんてったって海賊だ!その名もルフィ海賊だーん!!
皆様どうぞ盛大な拍手でもってお出迎え下さーい!!

「あいつらが『海賊』かー!俺初めて見るよー!」
「命懸けろよー!海賊兄ちゃんどもー!!」

「・・・店内割れんばかりの拍手だな。大食い勝負ってぇのは、んなメジャーな見世物なのか?」
「店の中央にどんっと構えてる円形ステージ、その上に配置されてる丸テーブルにイス5脚・・どうやらあそこで大食い勝負とやらが行われるみたいね。」
「あそこでラーメン好きなだけ食わして貰えるのか!?しししっっ♪すっげぇ楽しみだなー♪♪」
「それにしても・・回転が速いと言った割にはむしろ効率の悪そうな配置ね・・この店の広さなら、1度に30人まで入れて一気に勝負させる事だって出来るんじゃないかしら?」
「それもそーねー・・。」
「だからぜって~何か有るんだよ~!普通に大食い勝負やってて5分弱で皆倒れてく訳無ぇだろ!?ナミィ~、頼むから考え直そぉぜぇ~!?」

ようこそ海賊の皆様!挨拶が遅れましたが私、司会役の『ナレー・ション・コネリー』、勝負を始めるにあたって、ウチの店長より幾つか説明と注意が有りますので良ぉくお聞き下さい!

「私が店長アルよ。勝負は30分以内にグループの誰か1人でも食べ切ればそこで終了、貴方達の勝ちアル。但し誰も食べ切れなければ、ラーメン代お1人様10万ベリー〆て50万ベリー支払って貰うアルよ。」
「賞金&賞品は食べ切った人数分戴けると伺ったけど?」
「その通りアルよ、お嬢さん。後、ルールとして『1.こちらの指示に従う』、『2.リタイアする時はグループのリーダーが手を挙げて知らせる』・・他の人のリタイア発言は聞かないアルよ、『3.勝負で死傷者が出てもクレームを付けない』、この3点のみ守って欲しいアル。」
「ちょっと待てぇ!!特にその3点目に付いて詳細な説明入れて貰おうかー!?」

それでは説明も済んだ事ですし、いよいよウチの目玉メニュー『超巨大特盛りゴージャスラーメン』をお披露目致しましょう!
前方の扉に御注目下さい!オープン・ザ・ドアー!!

― パーアーパパパーパーダン・ダン・ダン♪(BGM『料理の○人』)

100人前は有ろうかと思われる特製豚骨白味噌仕立てのツユはこの店の門外不出一子相伝秘伝の味。
そのツユに絡めるやはり100人前は有ろうかと思われる美しく卵色した麺は、店長自ら毎朝4時より打ち上げるコシの強さが自慢の麺。
上にあしらわれたトッピングもナルト、ネギ、シナチク、自家製チャーシュー、味付けゆで卵といった基本的な具は勿論の事、北海(ノース・ブルー)に育まれた新鮮なイカ、カニ、ホタテ、イクラ、安全な牛肉をミディアムで焼き上げたジューシーなヒレステーキ、最高級珍味と謳われるフカヒレ、フォアグラ、キャビア、トリュフにエスカルゴ、フグ刺、特上大トロ鮨といった物までふんだんに、彩り良く鏤められています。
中身が一流なら器も一流、人間国宝十四代牡蠣右衛門に特注して作らせた、花鳥風月の文様も見目麗しい丼は正に芸術品でお値段一碗850万ベリー・・絶品です!

「うおおっっ!!マジすっげぇぇゴージャスなラーメンじゃねぇか!!!早く食いてぇ~!!!」
「食いてェ~!!!」
「・・器にまで拘る必要有んのかよ・・?」
「味のバランス全く無視してやがる・・ただ贅沢すりゃ良いってもんじゃ無ぇだろが・・しかし、ま、5分弱で人が倒れる程の殺人ラーメンがどんなクソ凄ぇ盛りかと思ったら・・アレしきルフィなら5分で昇天させちまうぜ?この勝負、はっきし言って楽勝なんじゃねぇの?」
「だから他に何か仕掛けが有るんじゃねぇかっつうんだよ~!!」
「・・・確かに色々疑問点は浮かぶけど、ウチの逼迫した経済状態考えるならば向うべき道はただ1つ、と、そういう訳で・・さあ、行くのよ!!ルフィ!ゾロ!ウソップ!サンジ君!チョッパー!」
「よぉっっし!!任せとけー!!」
「ったく!・・わぁったよ!」
「うっっ!・・突然持病の癪が・・!頭痛、歯痛、神経痛、生理痛、その他諸々の各症状までもが一斉に・・!」
「後でバファリンでも呑ませてやっから、オラ!ステージに上れ長っ鼻!・・ナミっすわぁん♪俺頑張っからねぇ~♪」
「ぎゃ~!!鞄掴んで人引き摺るな!!紐が首に絞まっ・・!は、離ぜ!死ぬ~!!」
「皆頑張ってね~♪あ、チョッパー!あんたは人型になっときなさい!その方がお腹一杯詰め込めるでしょ!?」
「わ、解った!」
「うぉう!あのタヌキ、いきなりビッグフットに化けやがった!」
「タヌキ凄ェ!!」
「トナカイだ!!」

「・・・まァ、少なくともルフィは食べ切るだろうし、他の奴等も死ぬ事は無いでしょうし、100万ベリー&ラーメン1年分はカタイでしょ!」
「流石の洞察力ね、航海士さん。」

さぁ!オレンジ髪の美少女の指示を受け、ステージに上がりましたルフィ海賊団の兵達!
司会者正面より時計回りにルフィ選手!ゾロ選手!サンジ選手!チョッパー選手!ウソップ選手!
過酷な戦いに挑む者達に皆様、再び惜しみない拍手をー!!
選手の皆さん、席に着いたら自動的に安全バーが下りますので、姿勢を正して座っていて下さいね!

「おい・・・ちょっと待て!」

は?何か御質問でも?ゾロ選手??

「何で大食い勝負すんのに安全バーが必要なんだよ?」
「勿論安全の為に決まってるアル。でないと飛ばされて大変アルよ。」

そぉれでは店長!お手元のコントローラーのスイッチをお入れ下さい!!
本日第30回目の『超巨大特盛りゴージャスラーメン30分回転食い切り勝負』、レディー・ゴー!!

「「「「「な、何ぃ~~~~~!!!?」」」」」




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おめでとうございます その1

2010年07月05日 20時51分15秒 | ワンピース
何人も恐れる荒海に漕ぎ出そうとする漢が居る。
何人も見知らぬ島を見つけ出そうとする漢が居る。
この記録はそんな命知らずな漢達・・そう、『海賊』の、死力を尽くした闘いを綴る1頁である。




                          【おめでとうございます】




「グランドライン有数の巨大中華街『ブルーライト・ヨコタテ』、中でも無駄にド派手に金字で『おめでとうございます』の店名入ったでっかい赤看板・・あの店ね!」
「『おめでとうございます』たぁ、おめでたくもふざけた店名だな。」
「良いじゃねーかゾロ!めでてーんなら!・・んで!?あの店でラーメン食い放題やってんのかナミ!?」
「正しくは『超巨大特盛りゴージャスラーメン30分食い切り勝負』よ!普通の人間になら100人前は有ろうかというラーメンを30分以内に食べ切れば、賞金なんと100万ベリー!ぷらーす、ラーメン1年分の豪華賞品付!・・ってちゃんと事前に説明しといたでしょ、ルフィ!」
「ラーメン100人前を30分以内で食い切るだけで、賞金100万ベリーに1年分のラーメンまで貰えちまうのかー!?すっげぇー!!」
「さっすがナミさん♪何時でも船の経済状態を第一に考える健気なお姿、見惚れる程にお美しい♪♪」
「100万ベリーもラーメン1年分も、ウチじゃ精々1週間足らずで無くなっちゃうんじゃないかな・・。」
「船医さん、貴方の意見は至極的を射ていると思うわ。」
「にしても、店の前凄ぇ行列だなー、あれじゃ2時間待ちは有り得そーだぜ?」
「そこのピノキオ君達、大食い勝負の参加志願者かい?」
「誰がピノキオだ!?くらぁ!!」
「ええ、そうよ!あんたはお店の人?」
「そうだよ♪行列なら気にしなくていい、ウチの店は回転が速いからね♪なァに、20分もすれば順番が来る・・」


― ・・ーポーピーポーピーポーピーポーピー!!


「またお宅の勝負参加者が倒れたんですか!?」
「いいかげんにして下さいよ!今日だけで13回目の呼び出しじゃないですか!!」
「駄目だ!完全に白目剥いてる!・・気を付けて運べー!!」


― ピーポーピーポーピーポーピーポー・・・・・


「・・・・・・・今の救急車は・・?」
「ウチの大食い勝負は中々ハードでねー、大概のお客さんは30分ももたずに、5分弱位で倒れちゃうんですよー♪その度にああやって運び出す羽目になってねー、いやァ、まいっちゃうよォ♪」
「何『まいっちゃうよォ♪』なんて朗らかに笑いやがってんだこのぉ!!さては唯の大食い勝負じゃねぇなぁ!?・・・おりる!おりるぜ、俺ぁ!!そんな不健康な勝負、断っっじて受けねぇ・・!!」
「自慢だけど、このイベント始めて5年間、未だ誰も優勝者出てないから♪それでも受けるってなら、此処に参加する方のお名前を記帳してね♪」
「悪いけど、今日その自慢の歴史とやらに、欠陥住宅の如くヒビが入る事になると思うわよ!・・ええと、参加者・・ルフィ、ゾロ、サンジ君、チョッパー、ウソップ・・と。」
「って人の話聞けコラ!そこのナミ!!俺は出ねぇっつってんだろが!!大食い勝負なんてルフィ1人に任せときゃー充分だろが!!」
「うっさいわねー!この店はグループでの参加しか認めてないし、賞金100万ベリー&ラーメン1年分は1人につき出される額と物なの!出る人数多けりゃ、それだけボロ儲けの率も上がるってもんでしょー!?理解したらキリキリ並ぶ!!」
「ぎゃー!!離ぜー!!誰が!誰が助げでー!!血塗られだ魔女がいだいげな美少年の命を摘もうどじでいる~!!」

― バキャッッ!!

「誰が血塗られた魔女で、いたいけな美少年なのよ!?」

― ゲシッッ!!

「ナミさんに向って失礼な事言ってんじゃねぇよ!嘘っ鼻!!」

「よぉっっし!男全員でめいっぱい食うぞー!!」
「オレも頑張るぞー!!」
「頑張ってね、船医さん。」

「・・・諦めろウソップ、既に退路は絶たれた。」





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