夜は会食
旅館系の仕事が入るかもと言うことで、女将や仲居さんの教育に長けたコンサルさんとの打ち合わせを兼ねて…
選んだお店は西中洲の裏道にある『なか尾』
車が通ることもない細い路地に、大きな看板を出すこともなく…
隠れ家のような佇まいから醸し出す雰囲気は一見では入りづらいような気すらしたのですが、予約もなしに伺ったにもかかわらず「2階のお席はいっぱいですが、カウンターの席でよろしければ…」と気持ちよい対応で迎えてくださいます
入り口に最も近い場所であったために扉が開くたびに冷たい風が入ってくる席ではありましたが、厚さが10mm以上はある一枚板で設えられたカウンターはゆったりしていて座り心地もよいものであります
お通しとして提供されたのは〝ヒラスの麹漬け〟〝サバの昆布締め〟〝新ごぼうムース〟の3種でありまして…
それぞれがふた口ちょっとでいただけるほどではありますが、一品としても満足できるクォリティーであることから、これからいただくお料理への期待が膨らむものでありました
先ずは「糸島野菜ピクルス」
大した期待をすることもなくつなぎのつもりでいただいたものであったのですが、おしゃれなガラス容器での提供にセンスを感じることができますし、際立つ甘酢のおいしさと野菜のシャキッとした歯ざわりに箸が止まらなくなりそうであります
そしてお刺身をいただきましょうと「長崎産あら刺」と「地あじのたたき」
あら刺はこちらのお店に決めたきっかけになった商品であり、今日イチバンの目的とするものであります
〝クエ〟とも呼ばれる高級魚でありまして、淡白な白身ではありながらも、身に脂がたっぷり乗っていることから濃厚な味わいが楽しめる魚なのでありまして…
サッと湯引きされているのは、きっと脂が乗りすぎていたからなのでありましょう
お野菜は「大しいたけ焼」と「べい茄子肉味噌」
それに「博多がめ煮」であります
身が厚い大分産の椎茸と山芋が香ばしく焼いただけのシンプルなものなのですが、新鮮であろうものであるために旨みを含んだみずみずしさがあるので…
切り離された軸も捨てられることなく、きちんと焼かれて脇に添えれています
素揚げされたべい茄子に掛けられる肉味噌は麦麹の豊かな香りを楽しめるものでありましたし、郷土料理であるがめ煮も甘みがある醤油でしっかりと煮付けられていて…
居酒屋料理というよりも割烹料理かと思えるほどのものでありました
〆に「明太子茶碗蒸し」と「五島サバ棒寿司」をいただいたのですが…
その棒寿司にはバッテラなどに使われる白板昆布ではなく、真っ黒く分厚い煮昆布で巻かれているではないですか
その初めて見るビジュアルには驚かされましたが、柔らかく煮込まれていて食感を邪魔することがないのです
そして…
甘みがある九州のお醤油でいただくことで一層のおいしさを味わうことができました
【博多酒魚家 なか尾】
福岡県福岡市中央区西中洲3-2
092-732-3142