料理人こうやの記録

和食の料理人。プチ野菜ソムリエ。
料理、生産者の現場、スーパーカブ、その他日常の記録。

十郎収穫そして激しい雹。。。

2017年06月17日 00時39分33秒 | 生産者の現場視察

みなさまこんばんは

 

今日も埼玉県越生の梅農家さん、山口農園さんに行ってきました

今日は十郎梅を知りたく、収穫させていただきに行きました。

注文して送ってもらうのは簡単ですが、

やはり現場に行って、かつ、木を感じながら自分の手でもいでみると、

全く違う学びがあります。

ただ、山口農園さん(山口由美さん)がとくにすごい、と思うのは、

とってもオープンでウェルカムで、かつすごく行動的

一番の繁忙期にも関わらず連絡も非常にレスポンスが早く、

各地を飛び回って梅の普及に走り回り、肉体労働をこなし、家事もする。

女性ですよ。

知れば知るほどすごさを肌で感じます

 

山口農園さんに着くと、雲行きが怪しくなり、雷の音が聞こえてきました。

一雨来そうだったので、すぐ畑に入り、急いで収穫。

バリバリガラガラ雷鳴が近づいてきて、

激しい豪雨となりました

 

熟して落ちた十郎と、木になっている十郎の2タイプをひとまず収穫できたので、

作業場に駆け込み。

外はこんな状況です。

雨で済めば良かったのですが、1㎝以上もある雹になりました

雹が地面をパチパチ飛び跳ねています。

山口さんは即取引先さまに連絡。

取引先さまからもお問い合わせの電話。

雹で梅に傷が付くからです。

↓ こんなにも大きな雹が数分に渡り、2回激しく降りました。

ここに来ていなかったら、うわ~すごい雹だ、で終わっていたことでしょう。

ひばりが丘近隣は一時的に雨が降っただけのようですし、

もしかしたら、雹が降ったことすら知らずにいたかもしれません。

 

こんな大きな雹が、無数に梅に降り注いだのです。

 

どうか無事でいて欲しい。

ただただそれを願うばかりです

 

雨が降らず、作物が、とか、

冷害にあって、とか

いろいろ聞いてなんとなく知ってはいるけど、

さっきまで晴れていて、

たった数分の天候の崩れで一気に状況が一変する

 

あらかじめ分かっていれば多少の対処は出来るのかもしれないが、

こんな突如の出来事、

どうにもできない。。

 

農家さんはそんな環境のもとで働かれているんだ、ということ

肌で感じた。

今日はブログを書く予定ではなかったが、

この体験を自分で止めてはだめだと思い、

今日のリアルな現場を書かせていただきました。

 

今目の前にしている食材は、

当たり前のようにここにあるけれど、

たくさんの奇跡のなかでここに来ている。

 

食べることに感謝する。

頂きますと手を合わせる。

 

これは、こういうことを知ると

自然とそうなる。

 

食べる、って

命を頂く、って

そういうことなんだ。

 

生産者さんは恩ぎせがましくそういうことを語りはしないけど、

料理を扱う立場の人たちは、しっかり理解して仕事にのぞみ、

かつ、そういうことを伝えていく役割があるんじゃないかと思った。

 

気持ちをどこに置いていいのか分からなかったが、

しばらく作業場に入らせていただいて、

機材のことを教えていただいたり、梅の話をさせていただいた。

 

↓ 長年使われている『はかり』。

一年に一度、この時期だけ使われるそうです。

計量して、梅干し用にここで追熟させます。

 

完熟の白加賀を生で。

梅を生で食べるのは初体験

上品な甘みとうま味、酸味は丸く、

この熟成した香りは、うま味の強い熟成させた赤身肉にも合いそう

加熱させずに使いたい。

ああ、パコジェットが欲しい。

もう何年も前から欲しい機材。

だれかパコジェットください。。。

 

ああ、すぐ料理の妄想に入ってしまう

 

雨がやみ、山口農園さんを出ると、

静かな風景に戻っていました。

どうか少しでも無事でありますように。。。

 

↓ 今日、先日収穫して塩漬けにしていた小梅ちゃんを干しました

塩分濃度は14%です。

ちょっとつまんでみたらね、むっちゃ美味しい

何これ。

塩漬けして少し干しただけでこんなに美味しいのか。

もっと青臭かったりえぐみを持ってたりするのかと思ってた。

 

いろいろ実験中です。

これは煎り酒にする予定。

今後、そばの『梅風味のかえし』や、青梅の塩麹漬け、

追熟した梅干しの塩麹ドレッシングなど

いろいろ作ってみます

 

では、明日も食べ物を頂くことに感謝して生きましょう。

 

それではまた


小梅収穫~カリカリ梅 埼玉県越生山口農園さん

2017年06月14日 14時13分48秒 | 今日このごろ

 

みなさんこんにちは

 

かんかん照りの暑い日が続いたと思えば急に寒くなりましたね。

体調管理に気を付けないとですね。

 

少し前のことになってしまいますが、5月21日に、小梅収穫し、

カリカリ梅を作る、というイベントに参加させていただいてきました

 

場所は埼玉県越生(おごせ)市の山口農園さん。 

 もう何年も前から山口さんのことは聞き及んでいまして、ずっとお訪ねしたかった梅農家さんです。

昨年は山口農園さんの白加賀を銀座三越で購入したのですが、

今年は、山口農園さんと笛木醤油さんがコラボし、

収穫した小梅を笛木さんの醤油に漬け込む、という

カリカリ梅づくり体験のイベントが開かれることも知り、よし、これを機に、と

子どもも連れて参加してきました

 

田舎で開かれた小さなイベントですが、これって本当にすごいことだと思うのです。

なんといっても、代々農家を繋いでいくことも奇跡。

笛木醤油さんもあと2年でなんと創業230年

その伝統と伝統が企画されたイベントなんですから。

ちなみに、笛木さんが最近ブログを始められました。

リンクを最後に貼りますので、そちらもぜひ覗いてみてください

 

山口農園さんへは自宅(西武池袋線ひばりが丘駅近隣)から車で下道で約2時間。

(空いていれば1時間ちょっとで行けるのですが、所沢がなかなか抜けられない。。)

高速で行けばたぶんあっという間です。

 

梅の美味しい産地も全国にたくさんありますが、

都心から車で行けてしまうところにも、すごく美味しい梅があります

まずはそのことをお伝えしたいです。

 車を越生に向かって走らせていると、どんどんどこか観光地に来たかのような風景になります。

川が流れ、のどかで美しく、空気も澄んでいてなんとも心地いい。

こんなに田舎の奥から、銀座三越など大手百貨店に届けられ、すぐに売り切れてしまう。

なんともすごいことです

 

樹齢何年なのでしょう。

大きな大きな梅の木がたくさん。

農園を手伝われている、元洋食のシェフのおじいさま曰く、

80年はあるんじゃないか、とのこと。

 山口農園さんに着くと、さっそく笛木さんに梅の収穫のご案内いただき、

収穫にとりかかりました。

木には小梅がびっしり

とってもきれいでこの時点でもう感動です

 息子もなんだかさまになっています。

 脚立の上からの光景

 カリカリ梅の体験です。

水に漬けてあく抜きして、軸を取ってふきあげ、

ジップロックに入れてお醤油を注ぎ込むだけ

娘も楽しそうです。

お醤油は笛木さんの金笛減塩醤油

この醤油、塩分が尖っていなくてまろやかな口当たり。

とても美味しい。

とっても贅沢なカリカリ梅です

残った梅はおうちで、能登の揚げ浜塩田で作られた塩に漬け込みました。

この塩もとっても稀少な伝統製法の塩です。

大谷塩の中前さんを訪ねたときのblogも下記にリンク貼りますね。

 

この塩漬けにした梅は、干して、伝統的な調味料の煎り酒にしようと思っています

書斎の冷蔵庫に、小梅の醤油漬けと塩漬け。

 ↓3日ほど経った塩漬け。梅酢があがっています。

 ↓約2週間浸けた醤油漬け。

 なんて可愛い姿でしょう

おかずがお肉料理の時、揚げ物の時、ちょこんとご飯にのせて、

ちょこっとかじりながら食べると、

驚くほど美味しい食卓になります

 

先日、また山口農園さんにお訪ねして、白加賀を収穫してきました。

また次回upします。

 

ちょこっと家庭に伝統を取り入れるだけで、

日本で代々受け継がれているものを守ることが出来ます。

大切なのは知ることだけでなく、一歩行動することです。

 

ぼくも微力ですが、少しでもそこに貢献していきたいと思います。

 

お世話になっています方々へ深く感謝いたします。

↓今回お世話になった方々のリンクです。

ぜひ、覗いて見てください。

 山口農園さんHP

笛木醤油さんHP

金笛 笛木醤油12代目若旦那のブログ

大谷塩 中前さんを訪ねて


それではまた


狭山茶 ~横田園さん~

2017年06月02日 10時42分25秒 | 生産者の現場視察

 

おはようございます

昨日は、先日横田園さんからいただきましたお茶の苗の植え付けをしました

いい天気の合間に雨も降り、苗の植え付けにはありがたい天気でした♪

それにつきましてはまた後日UPします。

 

西沢園さんのあと、狭山茶の横田園さんにお邪魔いたしました。

こちらは通常見学受け付けはされていませんでして、

なおかつ大変お忙しい時期にも関わらず、ご紹介により

受け入れて頂くことが出来ました。

本当にありがとうございます

 

新茶ののぼりが迎えてくれます。

やはり一番忙しい時期と分かってお伺いするので緊張です

とてもきれいに手入れされた庭園のような場所の駐車場に車を停め、お伺いです。

横田園さんのお店。

 

 

通常、みなさまはきっと購入にいらっしゃるのでしょう。

品種とか味わいとかではなくて、葉の長さや軸の入り具合などの

変な質問ラッシュの珍客に対しても

カウンターの女性の方はとてもご丁寧に接してくださりました

 ありがとうございます。
 

 お店の隣には製茶工場があります。

 6代目の横田貴弘さんがご案内してくださいました

6代とはすごいことですね。

製茶工場に入るのは初めて

すべての工程がフル稼働中でした

うわ~~こんな風になっているんだ!!

未知の領域に入り感動です。

しかしまあ本当にすごい量の茶葉。

そして色が本当に美しい

 

食べてみました。

うん、生の葉っぱですね

収穫されたばかりの茶葉です。

火入れのされていない生の茶葉は、この時点ではそれほど香りはしませんが、

それでも、なんだかほっとするようなやわらかな香りを感じます

貯められた茶葉は発熱しだすのですが、熱がこもらないよう、

下部から送風がされています。

 

蒸しの工程です。

深く蒸せば、葉がとろけるようになり、色も濃いお茶になります。

 

通常、蒸し時間は、浅蒸しが30秒から40秒、

深蒸しはその2倍の60秒から100秒のようです。

 

↓ 揉みの工程

揉みの作業は、ひと肌温度が適温。

水分を保ったまま、細く艶のある茶葉に仕立てていきます。

機械に33℃と表示されています。

↓ 中はこんな感じ

壁面に葉を押し付けるようにしてぐるぐる回っています。

揉み機に手を入れ、茶葉をすくわせていただきました

ほんのり温かく、ぬくぬく気持ちいい

食べてみました

葉っぱのえぐみは無く、お茶のふくよかな香りと味わいがありました。

味、香りは火入れすることにより生まれるのですね。

 

 この後、冷風により熱を飛ばしていきます。

 

 

さて、次は外です。

 

工場を出てすぐに、ハウスがあります。

 八十八夜摘み用の、早生(わせ)品種です。

八十八夜(5月2日ころ)に一番茶を摘めるよう、夜、

ハウス内をランタンで温めるようです。

その模様は横田園スタッフ日記をご覧下さい。

なみにスタッフ日記は日々更新されていまして、とても面白いです

挿入されているリンクで入れますので、

ぜひ覗いて見てください☆

 

↓ 剪枝(せんし)された畑

お茶は芽を摘んでいきますが、だんだんと樹高が高くなり収穫しにくくなります。

また、葉が込み合い、小さくなっていきます。

樹勢の活発な秋に収穫に適した状態になるよう切り戻しをするそうです。

てっきりお茶の木の子どもかと思っていました

 

とってもきれいなかまぼこ型の茶園

まっすぐ道を作るのも長年の経験や、性格が現れるそうです

 

 ぜひ、みなさまも狭山へ足を運んでみてはいかがでしょう。

お気に入りの茶園さんを見つけるのも楽しいのでは

茶園にあるお店で一息つきながら、茶園の方とお茶の話をするのも楽しいですよ♪

 

横田貴弘さん、横田園のみなさま、

お忙しい中ご対応頂きましてありがとうございました

 

横田園HP

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スタッフ日記

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