AWA@TELL まいにち

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外国人少年犯罪が増加したというニュースが・・・

2010年02月26日 | 日本語教育
外国人少年犯罪が増加したというニュースが流れました。

経済状況の悪化が原因だという報道です。

一部はあたっているのでしょうが、経済状況がよくなったとしても、根本の解決にはなっていないと思います。

今、外国人児童生徒支援ということで、なかなか現場にはいけないのですが、支援活動をしている学生さんのお話を聞かせてもらったり、ボランティア活動でかかわっている方々のお話を聞かせていただいていたりすると、結局は、教育制度が原因になっていると思えてなりません。

日本語が原因で学校へ行っても勉強が分からないという子どもたちは、さまざまなケアを受けたとしても、高校進学することが非常に難しい状況があります。

学歴が中学卒業で、日本語があまり通じなくて、しかも中学までの学習内容が理解できていない、という状況の人を対象とした求人があると思いますか?

外国籍の子どもたちには、日本の憲法は適用されないという話があり、義務教育の枠から外れてしまっています。小学校は、親が、託児所のような感じで行かせることもあるといいますが、小学校高学年にもなると行かなくてもいい、一人でいてもいい、と、学校にこなくなるケースも多々あるとか。子どもですから、働くことはできません。

日系人を対象にした外国人労働者の受け入れは1990年に始まっています。
あれから20年です。
直後に来日した方で、日本で子どもを授かったという方がいれば、そのお子さんは20歳になります。
まともに働けない状況を周囲が作り上げている中で、犯罪行為だけを指弾するのはねえ・・

日本で育っていることで、自分の国の文化も、習慣も、言葉も、身についていないのですよ。かといって、日本のものが身についているかというとそういうことにもならない、非常に困難な状況に立っている人たちが、確実に、毎年育ってきています。

偉そうに書いていますが、僕自身、忙しさを理由に真正面から問題を見ていないと感じています。

何ができるか考える前に何かをしなければならないと思いつつ、毎日が過ぎていくような。

いろいろと考えさせられるニュースでした。
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