AWA@TELL まいにち

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「知識」から「運用」へ

2015年11月26日 | 日本語教育
湖南師範大学の皆さんへの特別講義が終わりました。

今日は、「知識」から「運用」へ、というテーマで、

座学で学んだ日本語を、いかに使えるようにするかというお話でした。


冒頭、学生さんに前に来てもらって、僕が顔を殴るしぐさをして、


この時、「うれしい気持ちを伝えるには何といえばいい?」と尋ねました。


学生さんは、「先生に殴られました」という文をすぐ作ってくれたものの、

「うれしくないです」と苦笑い。


しばらく考えてもらって、

「顔に、毒蜘蛛がいて、それを僕が殴って殺したときは、うれしいでしょう?」

というと、みんな「そうだ、」とうなずいてくれました。



わかる人は分かりますよね、

殴ってもらった、とか、殴ってくれた

といえばいいわけです。


殴ってもらった、のほうには、殴られた人の依頼が入っていますが、

殴ってくれた、のほうには、依頼は入っていません。


湖南師範大学の皆さんも、「殴ってもらった」とか「殴ってくれた」は既習事項で、おそらく、文型練習では何の問題もなくすらすらできると思います。

でも、実際の場面で、感謝の気持ちを伝えるという意味では、おそらく、使えなかったと思うのです。


そんな話題から始まって、

どんな意識を持って日本語を勉強すれば、「使える」ようになるか、という話を具体的な話を取り上げながら進めていきました。



あ。

一つ学生さんに投げかけて、最後に教えてもらおうと思ったこと、聞き忘れてる。

どこかで聞けるかなあ。



あのね、中国で食堂に入ってご飯を食べて、ものすごくおいしくて気に入った時に、食堂の人に何といったら、喜んでもらえるか、例えば、結果として一品増やしてくれるとか、お代わりをただでしてくれるか、とか。そんな話題。


韓国で、喜んでもらえる表現は、いくつか、頭の中に入っていて、本当においしいものを食べた時は、そういって感謝の気持ちを伝えます。

単に「おいしいです」じゃあ、面白くないじゃない?


それにしても、

いい時間をいただきました。


名簿をいただいていたのに、研究室に忘れてしまって、名前を呼んで話ができなかったのが心残り。

まあ、完璧な授業なんて無理なんですけどね。



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