今年、義父が逝去したので、新年の祝いを差し控えたい。
ブログをはじめてまる十年。契約しているプロバイダーがブログを本にするサービスをしているので、どんなものになるか一冊頼んだ。四百頁を超えた。途中一年間さぼったり、いまでも平均月に二つぐらいのペースの割には、結構なボリュームとなった。来年こそひと様の(読んでくれる方がいればだが)心に満ちるような、よい文章が書けるように精進したい。
今年の思い出というか、書き残したことは山ほどあるのだが、うちに秘めて醸成しよう。ということで、実朝の歌を引用する。
はかなくて今宵あけなば行く年の思い出でもなき春にやあはなむ
やはり、ビジュアルがないとブログらしくないか。ふさわしいかどうか、元祖ゆるキャラを描いた仙禅師の絵をのせたい。R.ストロースの「月の裏側」という著作を読み、仙(せんがい)の作品がモンテーニュの「随想録」にも比せられるとあった。
「仙(せんがい) 世界を甘受する芸術」と題した短いエッセーである。
さいごは「・・見せかけを拒むこと、あらゆる信仰を疑うこと、最終的真実への到達をあきらめることを勧める。そして同朋に交じって穏やかに生き、小さな歓びを分かち合い、悲しみに共感し、世界に順応するために、賢者に最もふさわしい状態を探し求めよと励ますのだ」と、R.ストロースは結んでいる。彼は間違いなく日本人に生まれ変わっているとおもう。

▲仙(せんがい)の作 「指月布袋画賛」