このブログに何度かコメントを寄せてくれる「山猫軒」さんの山行愛好会に参加した。埼玉県の越生(おごせ)へのハイキングで、初心者にも無理なく楽しめるコースとのことだったが・・。当日は、山猫軒さんをリーダーとする愛好家のグループに、小生夫婦と手話仲間の女性が参加した。当日は曇りで、残念ながら眺望はあまり良くないだろうという説明。(一方、紫外線に弱い妻は、小さい快哉をさけんでいたことを記す)。
総勢12名ほどのグループは9時に池袋集合。10時ごろ越生駅を出発して、昼頃に大高取山に達して昼食。3時半ごろには駅に戻り帰路に着くという。愛好家の皆さんは、もちろん海外へ登山にも行った経験豊富な方たちばかり。でも82歳になる超ベテラン2名、他の皆さんにしても我々よりも年上。なので、毎週日曜日に、山を楽しむといっても、この2,3年はほとんど低山を歩くようになったという。
さて、越生がどの辺の位置にあるのか、正直にいうとイメージができなかった。その後、地図で確認した。秩父市と東松山市と飯能市を結ぶとほぼ三角形ができる。越生は、そのトライアングルのほぼ中央に位置することがわかった。
さらに、航空写真では、市街地が白く見えるのに対して、日本列島の中央部は山岳、森林地帯では、ほぼ緑に見える。越生はその緑色地帯の縁にあって、八王子市の背景に高尾山があるように、越生市にはそれよりも低い大高取山を中心に小さな山が連なっている。近くにゴルフ場もあれば、山側の奥の方にいけば秩父から奥多摩を縦走する本格トレッキングが楽しめる山々が連なる。ということで、越生は、いわば里山といえようか。
当日の大まかなルートを簡単になぞれば、越生駅⇒法恩寺⇒越生神社⇒西高取山⇒大高取山⇒桂木観音⇒虚空蔵尊⇒大宮神社⇒越生駅の周回コースとなる。駅に降りると「ハイキングの町、越生にようこそ」という看板があったが、その人気の定番コースだ。全コースの歩行時間はふつうならば3時間ということらしい。
▲歴史ある法恩寺。その境内はよく整備され、静かな佇まいをみせる。
▲歴史を感じさせる越生神社。このあたりから森深い雰囲気が濃厚となり、鳥の声や新緑の美しさに目を奪われる。
▲登山道に入ると、意外にも勾配がきつく2,30分ほど登って、明日はたぶん筋肉痛になると予感。道中アップダウンも多く、他のパーティと挨拶をかわしながらの山行はいいものだ。
▲昼の時報が山中でも聞こえてきた。しばらくして大高取山の山頂に着く。標高376.4mから越生市の市街地を眺む。ここで和気藹々と食事。メンバーの方のほとんどがおすそ分けの食材を用意されていた。から揚げ、お新香、その他様々なお惣菜や食後の果物、デザート、お菓子など、まるでバイキングだった。これを毎週続けるなんて「すごーい」と、我が女性陣が感嘆する。
▲アップダウンの多いコースは杉林がメインだが、ときおり野趣にあふれる草花が顔をだす。これは「蛇いちご」といい、食べても美味しくないらしい。蛇の多いところに野生しているため、その名のついた説がある。
▲桂木観音への道すがら、クマ出没注意の看板あり。蛇を発見した方もいた。ウグイスならではの鳴声が、そこかしこに聞こえ、自然を実感する。はっきり分からないが、大瑠璃はじめ種々の鳥声が森に冴えわたっていた。
▲狛犬であるべきところに牛が鎮座。反対側には、狼が・・。両目が入った達磨さんが集団でいる。蓋しここは、桂木観音か虚空蔵尊だったか?
▲平地に降りて、梅林から大高取山を眺める。中央の小高い所が頂上。
人里に下りると、やはり人々を楽しませる花々が多くなるのは不思議だ。
▲最後に訪れた大宮神社の近くには竹林が多かった。ただし、今年生えた筍の成長したものが多く、人の手が入った竹林は少なかった。
▲駅近くでみた民家の柏葉アジサイにいやされる。
余談:越生はまた、小生の住む地元に多少関係がある。まず太田道灌である。道灌の生誕の地が、越生であるということ。徳川家康の前に江戸城をつくったことで知られる道灌は関東の各地で、その名前の足跡を遺す銅像なり伝承で知られる。我が町の近くには道灌山という地名と、「道灌通り」という名がのこっている(今は開成通りという人達もいる)。日暮里駅ロータリーには、馬に騎乗した勇壮な太田道灌像が今でもある。
さて、戦前の話だが、我が町「谷中」の祭では、太田道灌にちなんだかどうか知らぬが、たいそう立派な武者人形が何体かあったらしい。それが戦後になって、維持管理できないのか、祭りの形態が変わったのか知らぬが、その武者人形を、道灌が生まれたという越生市に寄贈することになったのだ。越生の祭では、その武者人形たちが今も活躍しているとのこと。そういえば、7,8年前だったか、その人形が何体かお里帰りし、お披露目の展覧会が諏方神社で行われたことを思いだした。
▲「越生まつり」を検索したら発見。山車の上に武者人形が見える。手入れが良いのか古く見えない。
▲日暮里駅東口ロータリーにある太田道灌像