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自省のために読んだ @ 村木厚子『あきらめない』

 


 例の障害者郵便割引不正事件で、検察のねつ造で「逮捕」され 裁判で無罪が確定した 厚労省の村木厚子さんの本ですね。

 前半は、女性が仕事と家庭の両立の悪戦苦闘する自らの姿をありのままに描き、共感できます。村木さん、高知大学卒業なんですねえ。自分でも言ってますが「村木でも出来たんだから」と 後輩に言ってもらえるようなモデルケースになろうと、頑張ってきた様子がつづられてます。後半は事件のことです。

 この事件は、検察のねつ造だったわけですが、「検察は、政治家を挙げることが最大の勲章、でなければ、せめて高級官僚を」と皆思っているらしく、村木氏の言葉を借りれば、「それは検察の職業病」だそうです。そして、それは検察だけではなく、「他者と交わらない、他者から批判を受けることのない」どの業界に当てはまる(もちろん官僚にも)という率直な指摘は、頷けます。

 当時、国会でも 村木さんは追及の矢面に立たされましたね。ご丁寧に、検察のストーリーどうりの図解まで掲載した「しんぶん」もありましたね。



↓これです。その新聞の名誉のために、紙名は出しません



 そういう新聞を読みながら、僕自身も、「本当に 厚労省ってどうしようもないなあ」と素朴に思ってました。

 なので、村木さんを「事実上」犯人扱いにして追求した国会議員や、無罪判決が出ると手のひらを返したように検察批判を始めるマスコミを非難する資格は 僕にはないです

 そういう「みんなが言ってるんだから そうなんだろ」という精神構造から脱皮することや、「何人も 有罪の確定判決があるまでは、無罪の推定を受ける」という刑事裁判の原則を胸に刻むための 自省の書として 読んだしだいです。

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