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この雰囲気は 何物にも代えがたい @ 湯島 『岩手屋(七福神)』

 


 恥ずかしながら この店の高名を最近まで存じ上げませんでした。たまたまTVの「ワカコ酒」を見ていて、この「奥様公認の店」で、主人公ワカコが「キンメの煮つけ」を食べているシーンを目撃しました。店の主人(2代目です)がワカコとやり取りしているシーンを見て「あっ この人は俳優さんじゃなく、本当にこの店の人なんだろうな」と思いました。

 「孤独のグルメ」では、店は実在する店だけど、店の大将や女将さんはプロの俳優さんですよね。でもこのワカコ酒の「岩手屋(七福神)」の大将は、本物のこの店の主に違いないと思いました。それは、「演技中」の腕の振りがやたら多すぎる(プロの俳優はそんな無駄な動きはしない)ことと同時に、なんか店に対するやさしさをこの「店主」の表情から感じたんです。

 こうなったら、現地で検証するしかありませんねえ。で、早速行ってきましたよ、東京出張の折に。場所はすぐにわかりました。以前はこの界隈に「藪そば池之端店」がありましたよね。テレビそのまんまの外観。紫の暖簾をくぐると、いましたよ~。そのまんまの大将。僕の予想はズバリ的中しました。

 店の雰囲気も、ドラマそのまんまです。店内はTVもBGMもなく、落ち着いた雰囲気の中、客と店主の会話だけがこの場を引き立てます。(あっ 佐々木希似の超美形なバイト?のお姉さんもいました)。L字型カウンターの端っこに着席。ドラマでは、空気清浄機はカウンターの右端の上にあったようですが、今日は左端ですね。僕の顔の真ん前に鎮座してます。

 まずは、純米七福神をお願いしました。真鍮製のチロリに1合を一升瓶から注ぎ込み、そのチロリから漏斗を突っ込んだドラマそのまんまの丸っこい陶器の徳利に注ぎ込みます。この徳利で飲むと、それだけで味がよくなりますねえ。突き出しは「中華クラゲ」です。意外に日本酒に会います。

 酒肴は 隣のおじいさんに便乗して、こっちも「ばくらい」をお願いしました。「珍味」らしく、小さな豆皿で来るのかと思いきや、なんどお茶漬け丼のような大きな器で来ました。いや~ これいいよね、一層おいしく感じます。次は辛口純米七福神にしましょうか。一口飲んで「うん 美味い」と言ってしまいました。

 だんだん、体中のネジが緩んできます。あっ 頭のネジは雨から緩んでますがあ。

 おっ「むかご」があるじゃないですか。これお願いします。「今から蒸かしますので しばらくお時間頂きます」と大将。いいですよいいですよ。それこそ、既製品利用じゃない本物の証ですよね。

 ほどなく出て来た「むかご」の大きいこと。こんなでない「むかご」は初めてです。味は・・ いや~おいひい!!。しわあせ!!です。これもまた酒に合います。辛口七福神お代わりお願いします。

 この店の雰囲気、いいよねえ。これもまた一朝一夕にはできないよね。長年の客と店が作り上げてきたものだね。小生、新参者ですが、その末席に座らせていただきます。今後お見知りおきを。

 この店の雰囲気を一言で表現するなら

  札幌の「たかさごや」を もう少しソフトにしたような・・
  仙台の「源氏」を もう少し明るくしたような・・
  八重洲の「ふくべ」を もっとのびやかにしたような・・
  京都の「赤垣屋」を もう少し関東風にしたような・・

 なんか意味不明な例えですが、まあそんな感じです。安くて賑やかな「立ち飲み屋」も大好きですが、たまにはこんな「まっとうな料理を まっとうな料金で」静かに飲ませてくれる店もいいよねえ。

むかご


奥様公認です
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