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ながめゐて眼ぞまどふなる草むらの露草の花の花のしげきに

 

 

 子供のころ、大晦日になると母親が下手な筆で、半紙に何かしら「和歌」のようなものを書いて、僕ら兄弟の子ども部屋に貼っていった。


 新年の喜びをうたった歌のような気もしたが、いかんせん小学校の低学年の僕には ほとんど興味のないことだった。


 大人になって あれはもしかしたら若山牧水の歌ではなかったかと思ったけど、歌の内容はほとんど覚えておらず、今となっては確かめようもない。

 

 今朝、寓居の畑の隅っこに 露草が咲いていた。秋雨前線が大活躍の金沢の雨雲の空の下、鮮やかな蒼色が、故郷の空を思い起こさせた。


 ながめゐて眼ぞまどふなる草むらの露草の花の花のしげきに

                 若山牧水 歌集『山桜の歌』より

 

 

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