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一文字三ツ星の謎がとけた @ 白山咩神社境内 『料理宿 和田屋』

 


 旧鶴来町の白山咩神社の横にある『和田屋(わたや)』さん、石川県民なら大抵の人は知っているはず。ですが、小生も名前を知ってるだけで伺ったことはありませんでした。いたずらに馬齢を重ね、いつ天に召されてもおかしくない年になった今、平知盛ごとく「見るべきほどのことは見つ」と言ってぽっくり逝きたいもんだと思う今日この頃です。


 という訳で、『わたや』さんに伺いました。お昼の食事です。この時期なので、鮎をメインにした御膳です。野町から北鉄電車に揺られ30分。終点の鶴来駅からは2.5Kmあり、歩いて行けないことはないけど、この猛暑では道中、熱中症に倒れることは必定。駅前の「かなやタクシー」さん利用で5分で到着。

 
 白山咩神社の広大な駐車場の脇にある案内板がある方から入るのかと思っていたけど、その駐車場と「旧一の宮駅」を結ぶ坂道の真ん中ある、緑のトンネルのような細い道が正面からの入口でした。このあたりからもう十分に、白山咩神社の霊験あらたかな雰囲気です。宿の正面には「一文字三ツ星」の暖簾が威風堂々と鎮座しています。


 この宿の部屋はみな囲炉裏つきで、客のそばで鮎を焼いてくれます。「今日の鮎は手取川の天然ものです。昨夜の雨で今日は川が濁っているので、明日は天然ものはむつかしいと思います」と正直に説明してくださいました。結局、鮎は 刺身がわりの「鮎の洗い」、頭と骨は後から「骨煎餅」にしてくださいます、囲炉裏でじっくり焼いたアユの塩焼き2尾、鮎の炊き込みご飯版のむすび茶漬けの 計4種。加えて鮴と夏野菜のから揚げに、白みそ仕立ての鮴汁もいただきました。この店で日本海の「鮮魚」を出す必要など全くありません。それこそ野暮というものです。


 今、金沢の料理屋さんは、どちらかというと全国からくるどんな観光客に喜んでもらえるように、汎用性のある料理が多いように思います。だって遠方から金沢に来て「今夜は鮎と鮴だぞ~」と言っても歓声はわきませんですよね。それより「今宵はノドグロとカニだぞー」と言えば歓喜の大渦となる間違いなし。でもね、この『わたや』さんは、金沢から遠い鶴来の山にあるのですが、むしろ昔の金沢らしい料理を味わえるように思いました。この料理宿自体が自然に溶け込んだ佇まいですし、料理も白山の自然の恵みを素直に、手を加えすぎずに味わえる料理の数々でした。

 で、肝心の一文字三ツ星の件ですが・・・


 宿の方のお話では、かつての手取川洪水で古い家系図なども流されてしまい、、正確には言えないがその昔、今の山口県からはるばるここにたどり着いたので、毛利藩の家紋を受け継いでいるそうです。


 小生、ちょっといたずら心をだして、「こちらの一文字は毛筆ではなく、(味付け海苔みたいな)直線の長方形ですよね。これ毛利藩は毛利藩でも、長府藩の家紋じゃないっすか~」と伺うと、「はい、毛利藩の支藩の家系と伺っています」とのこと。あ~やっぱりそうだったんだあ。これで積年の謎が解けました。すっきり!!


 本日のお代の詳細は省略しますが、((料理と飲み物+一人500円の席料)✖1.15《奉仕料》)✖1.08《消費税》です。金額的には決してお安くはないですが、「割高感」は全くありません。それは料理の中身とともに、この料理宿の歴史を積み重ねてきた重厚な設え、そしてこの店の人のホスピタリティー故ですね。 なので、料理の写真を逐一取るなどという無粋なことは、瞬時に頭の中から消えてしまい、自然なおもてなしに終始くつろぎっぱなしでした。


 大変気に入りました。リピーターになりたいです。

 

 

 

 

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